平成21年(2009年) 2月26日、衆議院 財務金融委員会にて、藤原直哉さんが参考人として、議員さんたちの前で、新しい国造りについて、ぶちあげました。
衆議院TVから、動画でみることができます。 NHKラジオのビジネス展望で言っている内容を、よりわかりやすく説明しているような印象でした。
近日中に、財務金融委員会の会議録議事情報一覧に、議事録が掲載される予定です。
藤原直哉さんは、昨年、対談22の際、たいへんお世話になりました。
そのとき、交換された議論よりも、景気悪化の速度が大変速く思えます。
月1回、NHKラジオの朝のビジネス展望でお話ししています。
今回、国会での意見が、閉塞した日本の現状を打破する日本版ニューディール政策の議論のとっかかりとなることを期待して、ペンを置きます。
藤原直哉さんの国会でお話しされた内容の一部(リーダーシップに関連した部分)を掲載します。
平成21年(2009年) 2月26日(木)
衆議院 財務金融委員会
案件(議題順):
財政運営に必要な財源の確保を図るための公債発行・財政投融資
特別会計繰入れ特例法案(171国会閣4)
所得税法等改正法案(171国会閣6)
発言者一覧
説明・質疑者等(発言順): 開始時間 所用時間
質疑者等(発言順): 開始時間 所要時間
田中和徳(財務金融委員長) 9時 30分 02分
藤原直哉(参考人 経済アナリスト) 9時 32分 15分
ここの部分だけテキスト化しました
<開始から02:00>
【 藤原直哉 (参考人 経済アナリスト) 】
みなさま、おはようございます。
経済アナリストの藤原直哉でございます。
本日はお招きいただきまして、まことにありがとうございます。
私は経済アナリストという立場から、大きな視点で、財政、その他、国家の金融等の運営について、お話をさせていただきたいと思っております。
まず、私の基本的な認識といたしましては、今の経済の状況はやはり未曾有の経済危機であると言ってよろしいと思います。
100年に一度という言葉もございますが、それはただ単に不況だということを超えまして、構造的に今までの経済システムが成り立たない部分が出てきたというような意味におきまして、かなり深刻な問題だと私は受け止めております。
(中略)
<開始から09:40>
そして、政府というものの構造を考えた場合、私は2点あると思います。
政府は基本的に、当面の対策と、抜本的政策という2つが必要だと思います。
私はやっぱり当面の対策というものは、「絶望の回避」と私はあえて言いたいと思います。
本当に、まあ民間経済人はリスクがあると申しますけれども、それにいたしましても金融のものすごい混乱、さらには輸出産業のものすごい落ち込みにはですね、多くの人の想像、多くの経営者の実力を超えたものがあると思います。
少なくとも、今年来年くらいは、何か政府がつっかえ棒を入れて、潰れるものを止めないとですね、将来の産業の種火が消えてしまいかねない。それくらいの状況でございます。
ですから2年くらいは、つっかえ棒を入れて、とりあえず絶望を回避して、その間に、さきほど申し上げました、もう金融依存、輸出依存の体制は続けられないというのであれば、やはり新しい国家ビジョンを作るしかないんだろうと思います。
<開始から10:40>
議員の皆さん、ご案内のとおり、アメリカのオバマ政権は、グリーン・インフラストラクチャーという言葉を使いまして、新しい社会基盤を作り直そうということを言っております。
私はいままさに国民が求めておりますのは、細かい部分の手直しではなくて、大きな、50年先まで見通せるような国家ビジョンだと思います。
民間の厳しい企業でもそうなんですが、こういう厳しい時にですね、小手先の対応をしている会社は、まずうまくいっておりません。
やはり、大きなビジョンのもとにですね、積極的なリーダーシップを発揮することが必要でございまして、もうこれは、もうここまで来ますと、経団連のようなですね、輸出系を中心とした経営者にまかせましても、なかなか物事がはかどらないかと思います。
あるいは中小企業の経営者の自助努力だけでも、やはり問題ははかどらないかと思います。
やはり国家の指導者が、それはただ1人の誰かという意味ではなくて、やはり政治全体が、もう少しこちらの方向にいくから、みなさんついてきてくださいと、はっきり言ってほしいんだと思います。それは海外も同じではないかと思います。
例えばですね。アジア諸国とかは今回の金融危機、経済危機が日本以上にきびしい状況となっているところがございます。えー日本はまだ余裕がある方でございます。
従いましてですね。世界各国からも日本のリーダーシップを求めているんだと思います。
やはり内需主体にですね、金融をもう少し長期的な金融、バクチ型金融ではなくて、産業と金融が一体となったような形に、これは作り直すべきではないかと思うものです。
<開始から12:20>
私はですね。アメリカが30年くらい前から経済を歪めていったということは、逆にいえば、30年くらい前までの姿を思い起こしてみると答えは出やすいと思います。
例えば、いま我々は、貿易赤字が急速に増えてきております。
貿易赤字が増えてきているということは、今までのように、この30年間のように、一方的な黒字が溜まるということは、これからはないということでございます。
一方的な黒字が溜まるということではないということは、日本はいよいよ「金満大国」の看板を下ろさなくてはならないということであります。
お金も下手をすれば赤字になってしまう。
黒字と赤字を行ったり来たりで、必死になって国全体で稼ぐという30年前の我々の先輩が直面していた現実に、我々はいやおうなく戻るんだと思います。
<開始から13:05>
私は最近の日本をみておりまして、どうも現状認識が甘いような気がいたします。
なんか怖い話をあえてしないようなことのような感じがいたします。
それは、怖い話に遭遇して、その怖いことに直面しなくても、なんとなくですね、豊かさがあるからやっていける。
そんな感覚が官にも民にも、みんななんか決め込んでしまったような感じがするのです。
このことは大変危険なことだと思うのです。
いまですね、金融なんかに関しましても、年金の運用、退職金の運用、みなさん、まあ貯蓄から投資へということで、運用しておられます。
しかしですね、儲かっている人というのは、ほとんど見ることがございません。
やはりこれだけ厳しい世の中で、老後の資産がなくなったということはですね、大変なことでございまして、えーですから、これはですね、その損失の責任という話もあるでしょう。
けれども、しかしそれ以上にですね。じゃあこれから、少子高齢化社会を生き抜く元手はどう確保するのか、これはまた国の中でもう1回考え直さなければなりません。
アメリカ頼みだというわけにはいかないのでございます。
それから、その、少子高齢化の中で、人の数が減ってまいります。
<開始から14:10>
従いまして、我々は、やっぱり過去10年間の、とにかくですね、あの、引き締めに次ぐ引き締めに終始したことを反省いたしまして、市場原理主義ではもうダメなわけでありますから、私は政治家の皆さまにですね、「方針を変える」とはっきり言っていただきたいと思うのです。
やっぱり「方針を変える」と政治家に言っていただきませんと、民間企業もなんとなく昔のですね、まあ、グローバリゼーションだとか市場にまかせておけばいいという頭から抜けられないのではないかと思います。まあ、それが民間の実情だと私は思っております。
<開始から14:50>
そして私は、2年間くらいの間に、新しい金融システムをぜひ政治主導で建て直していただきたいと思います。
もう民間の金融機関だけでは、未来を造る大規模な投資ができないと思います。
私はこういうときこそですね、10年、20年、30年のスパンで何十兆、何百兆円という投資を政治主導で行っていただきませんと、わが国の新しい形はできないと思います。
要するに、もう貸し渋り、貸しはがしがひどくて、これでは経済は縮小する一方なんです。
そこに一歩勇気を持って、国民のお金をもう1回集めて、それは税金という形ではなく、私は、政策金融がよろしいと思っているわけでございますが、もう1回こういう方向で国造りをするから、お金を出してくださいと言って、預金でも債権でもいいですから集めて、ぜひ大々的な投資をしていただきたいと思います。
とにかく国がここは、積極的な投資に動くと、いうことをしませんと難しい。それがいわゆる日本版のニューディール政策になるんだろうと私は思っておりまして、まあ、短い時間ではございましたが、私の思ったところを述べさせていただいた次第でございます。
議員の皆さんのますますのご活躍をご記念申し上げて、お話と変えさせていただきます。どうもありがとうございました。
【 田中和徳 財務金融委員長 】
ありがとうございました。次に吉野参考人にお願いいたします。
<開始から16:10>
藤原さんが参考人になったことに関する記事を探したところ、自民党埼玉6区選出の衆議院議員、中根一幸議員のブログ に載っていましたので、リンクします。
2009/02/27 橘みゆき 拝
【関連するHP】
衆議院 国会中継 H21年(2009年)2月26日 財務金融委員会 を検索しよう!
【対談22】 【速報】お味方大勝利! We won in Tokyo.
【対談22】日本を救う600兆円の水素化プロジェクト
藤原直哉のインターネット放送局
自民党埼玉6区選出の衆議院議員、中根一幸議員のブログ (2009年02月26日)
水素文明を産み出す士官学校ML
内容は、私が管理している2つのブログ「水素文明への転換」と「兵隊よりも士官になろう」に関連した話題が中心です。