H1N1(2009)と鳥インフルH5N1が混ざったら病原性がアップするのか?
それを動物実験で証明。
- 現在、H1N1(2009)とH5N1とは世界中の多くの場所で同時に流行している。これらが遺伝子交雑したら、よりヒト感染しやすく重症化するものが出来上がる可能性あり、今回動物実験にて検討。
- 遺伝子交雑を再現するため、pH1N1 (A/California/04/2009)の各遺伝子をH5N1由来 (A/Hong Kong/483/1997)にしたのもの?をつくった。To investigate the virulence of pH1N1-H5N1 reassortant viruses we created pH1N1 (A/California/04/2009) viruses expressing individual genes from an avian H5N1 influenza strain (A/Hong Kong/483/1997).
- CA/09ウイルスにHK/483 (CA/09-483HA)を掛け合わせたものは、元の(オリジナル)CA/09ウイルス単独や他のHK/483を掛け合わせたものに比べて、よりはやく増殖した。
- この増殖しやすさと病原性はラットにおいて相関を示し、HK/483と同様の病原性を示した。
- CA/09ウイルスと、CA/09と483HAをかけあわせたものは、ともに肺内皮細胞を透過し病原性を増した。ここからは、これらは人間に簡単に適応し病原性を増すことが示唆された。
- それに対しオリジナルのHK/483では内皮を通過すると病原性が減弱した。
- これらの結果から、H1N1とH5N1とが交雑したものでは、哺乳類において病原性を増すと思われる。
要は、H1N1とH5N1が交雑すれば、簡単に人間に適合するうえに病原性の高い怖いウイルスになるぞ!と、これまでに理論上警告されてきたことを証明しちゃったわけです。緊張感をもってウォッチしてゆきましょう。
まあ、こういう事が、わかり次第、オモテに出てくるのは原子力の世界に比べればありがたいことではあります。
ソースはJ.of Virology↓
http://jvi.asm.org/cgi/content/short/JVI.05582-11v1
JVI Accepts, published online ahead of print on 14 September 2011
J. Virol. doi:10.1128/JVI.05582-11
Increased pathogenicity of a reassortant 2009 pandemic H1N1 influenza virus containing an H5N1 hemagglutinin
Troy D. Cline1, Erik A. Karlsson1, Pamela Freiden1, Bradley J. Seufzer1, Jerold E. Rehg2, Richard J. Webby1, and Stacey Schultz-Cherry1,*
1 Departments of Infectious Diseases
2 Pathology, St. Jude Children's Research Hospital, Memphis, TN 38105
* Corresponding author Dr. Stacey Schultz-Cherry, St. Jude Children's Research Hospital, 262 Danny Thomas Place, Memphis, TN 38105, Phone: (901) 595-6629, Fax: (901) 595-3099, Email: stacey.schultz-cherry@stjude.org <script type="text/javascript"></script>