新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

【令和】の注目ポイントは 「マズイ インカ帝国」

2019-04-01 11:48:48 | 雑談/ごあいさつ/その他

 いよいよ新元号【令和】も発表され、平成もあますところ1か月を切りました。 渡航医学分野の令和時代は、どんな時代になるのか。

キーワードは「マズイ インカ帝国」です。  

 令和元年にはラグビーW杯、令和2年にはオリンピックが控えています。ここで「マスギャザリング」という事象が発生します。世界中から大量の人間が限られたスペースに集まり押し合いへし合い、そしてほどなく世界中に散ってゆく。この中で思わぬ国・地域から馴染みのない感染症が持ち込まれ、日本全国はもとより国境の向こうに拡散してゆく。メッカの巡礼やスポーツイベントなどで見られてきた事象です。


 初期のポイントはこのマスギャザリング関連になるでしょう。

そこで注目は、、、

 マ:麻疹(はしか) 2015年にWHOから麻疹排除宣言をうけた日本、麻疹はすべて海外からの持ち込み(およびその二次・三次感染)。風疹ともども、マスギャザリング関連のチャンピオン。

ズイ:髄膜炎。侵襲性髄膜炎ともいい(こちらの名前の方がリアルですね)、神経系の感染症。アフリカ大陸を横断する髄膜炎ベルトとよばれる大流行地域があります。 メッカ巡礼でも話題になる、マスギャザリング関連の大関か。

イン:インフルエンザ。新型インフルエンザの直近の発生は2009年、すでに10年経過し、令和の間には次なる新型インフルエンザ騒動と社会不安が予想されます。これとは別に、通常の季節性インフルエンザの「季節はずれの発生」も世間を賑わせそうです。気候が逆の北半球南半球の人々が入り乱れるなかでは。。。

カ:蚊媒介感染症 デング熱・チクングニヤ熱・ジカ熱。(マラリア)  
2014年代々木公園のデング、2016年リオ五輪を騒がせたジカ熱、関節痛に悩むチクングニヤ熱は、実は私の友人がミャンマー&ベトナムから帰国後に発症し現在進行形で相談にのっておるところです。これらは南西アジア・東南アジア中心に流行があがっており、齢和にも悩まされます。ダークホースはマラリア、日本国内にも棲息するシナハマダラカはマラリア原虫を媒介する乗物の機能をもちます。乗物だけあっても乗客(マラリア原虫)がいなければ何も起こらないのですが、どこかからか乗客を持ち込まれたら・・・そういう事が起こる可能性は高くはないと管理人は思います。が、1クラスタでも起こったら、社会的大騒動の始まり。

テ:テーベー(結核)
本日施行の改正入管法。あらたに34万5千人の外国人労働者のみなさんをお迎えすることになります。そのなかには、人口10万あたり3桁という国々が多く、その対策をふくめた話題が大きくなるでしょう。

コク:国際感染症 
というわけで、国境を越える感染症が、さまざまに物議をかもす令和時代です。

ともあれ、人間の浅知恵では想像のつかない事が起こるのが、渡航医学関連の諸事象。本当は人間よりもコウモリさんに聞いた方が(SARS・MERS・エボラ・・そして今、何を隠し持ってるの?)わかるんですが、次は何をもたらしてくれるのかなあ。 

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