新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

要処方薬がTVのCMで流れてしまう米国の憂鬱

2015-12-17 10:19:55 | 雑談/ごあいさつ/その他

管理人も知らなかったのですが、要処方薬がTVのCMとして流れるのは米国とニュージーランドだけとのこと。米国の問題視。

  • 最初の一例は、1983年5月19日のこと。Boots社が処方薬のrufenのCMを流した。このときには、2日とたたぬうちに政府から警告を受け取り下げた。
  • しかし、処方薬を直接消費者にPRされてしまう問題はまだまだ続いている。これにより、(患者のプッシュにより)不必要な処方がなされてしまうことから、アメリカ医学協会はこれをストップしたいと考えているが、たばこ広告の問題同様に、大きな障壁に直面している。
  • 1980年代は(米国で)消費者の権利が声高に叫ばれていた時代であり、1981年にはBoots社は紙での宣伝はやっていた。しかしTVの影響力を意識しだしたのはこの時から。
  • そのとき、FDAの広告規制の基準は1960年代のままだった。それはTVのCMを予測したものではなかった。
  • 他の広告同様、効能とともに副作用を入れるべきであるが、実際、効能もうたうことない例。Rufenでは同成分薬に比べて安いことをアピールするだけだったし、クラリチンの例ではただ医者に行けと。
  • メルク社がVioxxを1999年に上市したときにはプロスケーターの華麗な演技とともに、彼女がいかにこの薬で骨関節炎を克服したかをアピールしていた。しかしながら5年後のこの薬が販売停止になったことから、議会が問題視した。
  • 2007年にケネディ議員は大幅な広告規制に向けて動き、FDAは2年間広告禁止を検討したが、ここで大きな障壁にぶつかる。表現の自由。

処方薬のCMにはさまざまに問題を指摘され、医師会も議員も禁止に動きたいのだけれど、表現の自由という概念にも阻まれうまくゆかないという話です。

米国から離れますが、素朴な形でありますが、インドの製薬会のミャンマーでのやりたい放題もスゴイです。この写真はヤンゴン中心部から車で1時間ほど北に向かったある病院の光景。病棟内の案内板のそれぞれに、患者さん用図書室の本に、自社要処方薬の名前やら自社マークを片っ端から入れている!

製薬会社おそるべし! モンスター相手は一筋縄ではゆきません。

 ソースのStat、クリックしていただくと、CMの動画を見ることが出来ます
http://www.statnews.com/2015/12/11/untold-story-tvs-first-prescription-drug-ad/?utm_content=buffer5db00&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

 The untold story of TV's first prescriptiondrug's ad


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