Recombinomicsが久しぶりにJapanの話題とりあげ。
- 感染研が日本のH1N1、68セットを公表。一部は春から初夏、大部分は晩夏から秋。うち8つはH274Y(タミフル耐性だ!と騒ぎになりつつあるやつ)。
- タミフル耐性の大部分は、ごく最近の分離で、これは、最近のタミフル耐性拡大を示唆するものである。特に、A/SHIGA/43/2009は、D225E変異に加えて、A/Hong Kong/2369/2009 and A/Tennessee/17/2009ともどもH274Yがみられる。
- 最近テキサスで分離されたものも同様、274コドンで、H274Yはそのマイナー版。
- さらに、日米で分離された他の株からも、広範に拡大し、H274Yは静かに拡大していることが示唆される。
- CDC週報(week49)によれば、H274Yが一挙に15株報告され、過去5週間分あわせたものの倍になる。オランダでも13株報告され、米ユタ州とオランダでは死者も発生。さらに、米イリノイ州とフランスではH274YとD225E両変異を伴ったケースが報告されており、両例とも亡くなっている。
- ここ最近になって急増している背景には、H274Yが新型インフルH1N1において定着し始めたことを示唆するのかもしれない。ちょうど季節性H1N1(ソ連型)が辿ったように。これは、感染者数が低下するとともに促進される。というのも、感染数の低下とともにH274Yと受容体変化を伴わないタイプの競合遺伝子を駆逐するからである。季節性H1N1(ソ連型)のH274Y+A193Tが2008年夏、南半球における発生とともに促進され、2008/2009シーズンの北半球にて定着した。
- 日本と米国でインフルエンザ活動低下するとともに、H274Yの顕在化しやすくなることが考えられる。結果、2010年の早い段階で新たなピークになるかもしれない。関心がもたれる。
一部よくわからない面もありますが、要約、「新型インフルエンザH1N1も、季節性ソ連型が通った道を辿りつつあり、タミフルが効かなくなるという事態に向けて潜行しているのかもしれない。そしてその事態は、日本と米国で感染が下火になるとともに可能性が高くなってゆく(かもしれない)」という事のようです。「2010年の早い段階」にタミフルが役に立たなくなる・・・なんて事態にならないことを願うばかりです。
ソースは12月19日付recombinomics↓
http://www.recombinomics.com/News/12190901/H274Y_Japan_Fix.html
Japan H1N1Tamiflu Resistance Sequences Signal Fixing Start
これは何ともいえません。
インフルエンザウイルスは変異が激しいウイルスです。たとえば、D225Gという変異ではワクチン効かなくなるのではないか?と言う人もいます(証拠はない)。あるいは、さらに大きな変異も考えられます。現行のA/H1N1の抗体もった人が、将来変異した何かに感染する可能性はあります。
タミフルが効かないウイルス(H274Y)とは別の話ですが、この、2つの別の話が同時に起こると可能性が生じます。たとえば、D225とタミフル耐性はフランスで同時発生しています。
もっとも、その様なことが発生すれば大きく報道されるはずですので、今日明日のレベルで不安になることはないと思います。