新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

続・教授毒殺未遂事件

2008-06-11 21:43:40 | 雑感/他分野ニュースから連想

10日に紹介した「教授毒殺未遂事件」、地元紙に続報です。

11日付山陽新聞↓http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2008/06/11/2008061106431899001.html

ポットの湯沸かし直す 岡山大教授・薬物中毒事件 混入時期特定急ぐ

<ポットの湯からは、毒物のアジ化ナトリウムが検出された。教授は沸かし直す間、ポットから離れており、毒物は残っていた湯にあらかじめ入っていたか、沸かす過程で混入された可能性が浮上。岡山西署で犯行時期の特定を急いでいる。>
とのことです。

前稿http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/79e32ed038d8fc9a1e236bc4a220007d
で、パンデミックになったら、新型インフルエンザ患者の痰や鼻汁を混入したら完全犯罪可能か? と書きましたが、この続報のような状況なら、H5N1の方がアジ化ナトリウムよりましかもしれません。

教授は、コーヒーを入れる前にポットのお湯をわかし直しました。いまどきの電気ポットは沸騰してからいくぶん時間がたってからスイッチが切れます。すなわち、100℃の状態がいくぶん続く。これでH5N1ウイルス(H7だって右に同じ)はかなりの部分死にます。滅菌ではないので生き残るのもごくわずか居るかもしれませんが、まあ、それぐらいなら感染→発症のリスクは限定的。 私がスーダン在勤中は、水道水をフィルタ通し、さらに10分煮沸して飲めと指導されました。そうしたら、あらゆる細菌・ウイルスは死滅すると。
 それに対しアジ化ナトリウムは加熱しても凶暴性は変化しませんでしたから、この教授は1週間入院するハメになってしまいました。 したがって、煮沸して飲む状況においてはアジ化ナトリウムよりH5N1のほうが救いがあるわけで、

教訓 パンデミックになったら(特に恨まれてる覚えのある人間は)飲み物は煮沸してから飲むべし!

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