先週管理人がミャンマー現地調査中、帰国してみたらミャンマー同様の洪水光景がメディアの一面をかざっていて吃驚したわけですが、この洪水で注意が必要な病気は何か考えてみましょう。
1.環境感染症学会⇒NHK報道
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150912/k10010231471000.html
すでに日本語報道になっているのが「レジオネラ」と「破傷風」です。
汚泥・泥水で作業の際はゴム手袋・長靴、流木のとげやガレキ作業で思い切り釘が刺さっちゃたら受診おすすめでしょう。
2.WHO Flooding and communicable disease Fact sheet
http://www.who.int/hac/techguidance/ems/flood_cds/en/#
WHOのファクトシートをおさらいすると、そこに挙げられているのは
水系感染症:チフス・コレラ・レプトスピラ・A型肝炎
蚊媒介感染症:マラリア・デング・黄熱・西ナイル熱
の面々です。
- さらに説明文のなかではモザンビーク洪水⇒下痢、西ベンガル洪水⇒コレラがあげられています。
- 飲料水(の汚染)によるリスクは、きちんと意識されればさほど高くないとあり、まあ、今回の現場で汚染水を飲む人はいないでしょうからこれはローリスク。
- 汚染水に接触することによっておこる、創傷感染、皮膚炎、結膜炎、耳鼻科的感染症。
- 流行するのは、レプトスピラ、人畜共通系。大規模降雨のあとにネズミが増加し、レプトスピラの原因となるネズミが増殖・・・と。
まあ、こちらは平成27年の日本で現実的かどうかは別として渡航医学的おさらいということで。
管理人的には、ライフラインのストップ、「水道がストップすることによる手洗い機会の減少」「電気がストップすることによる冷蔵庫の停止」「水洗トイレの停止」すなわち、「洪水ではないけれど管理人がスーダンやセネガル在勤中に経験していたこと」が、(3.11とは異なり)残暑が残る時期に起こったことが気になります。そこで起こったことはサルモネラ感染症であり、キャンピロバクターであり、消化器感染症にご注意ということになりましょう。ハイチ地震のコレラを思い出した渡航医学コミュニティの方々も多いのではと。
そのようなことが被災地に起こらないこと、そして生活の一日も早い再建を心より願っております。
写真:ミャンマー洪水のワンシーン