新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

コンゴ戦乱地で炎上とまらぬエボラ、ついにPHEIC非常事態宣言か・・・(17日WHO緊急委招集)

2018-10-16 14:23:28 | エボラ出血熱・EVD・エボラ・エボラウイルス感染症

 戦乱地、コンゴ北キブでとまらないエボラ、ついにPHEICの検討が始まりました。
国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern、PHEIC

  • 現状、10/15時点で感染211例、死亡135例。
  • ここ最近の感染中心はBeni。新たなケースは75%はBeniで発生。
  • 医療施設ではない、自宅など地域で死亡したのも3例。つまり、医療にアクセスされず隔離されずというケースの存在から、さらに接触者が放置されている可能性(全然制御されていない!)
  • 現場は戦乱地。外から支援が入るのも困難。
  • WHOテドロス事務局長は、17日水曜日国際保健規則にもとづき緊急会合開催を宣言。その目的は、現在コンゴで進行する事態がPHEICに該当するかどうか検討するもの(announced a meeting of the Emergency Committee under the International Health Regulations, which will take place in Geneva on Wednesday.)

エボラワクチンの開発などにより、また、今年第一回目のエボラ@コンゴの推移から、エボラは克服できる疾患になりつつあるように見えますが、戦乱地発生で思うように介入できないという事態を迎え、再び、エボラによるPHEICが検討される事態となりました。おそらくジュネーブで行われる会議は賛否(戦乱地vsワクチン)侃々諤々になって結果予想しにくいのですが、PHEIC指定されれば、そこで初めて出来る施策もいろいろあるのでそうした政治的要素も含めた検討になるかと思います。注目です。

http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2018/10/more-ebola-cases-who-weighs-emergency-declaration

More Ebola cases as WHO weighs emergency declaration

;

 

【追記】
とりあえず、この、10月17日時点ではいったんPHEIC否決になっています。
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2018/10/who-drc-ebola-outbreak-not-international-emergency

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 10月14日(日)のつぶやき | トップ | 10月16日(火)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

エボラ出血熱・EVD・エボラ・エボラウイルス感染症」カテゴリの最新記事