今日本の各港で話題になっているSolenopsis invictaの同属、熱帯ヒアリ(Solenopsis geminata)はアジアで広く分布しています。これがどこからどう広がっていったか、遺伝子分析の報告。
熱帯ヒアリは南米原産。船荷に紛れ、メキシコはアカプルコの港を出てフィリピンのマニラへ。マニラをハブに中国へ、アジア各地へと。
現代のグローバリゼーションのはるかはるか以前、スペイン商人たちが16世紀に新大陸とアジアを、マニラ経由、西インド諸島ルートで結んでいた時代からの出来事だろうとのこと。
この熱帯ヒアリのアリ毒は、今話題のSolenopsis invictaと交叉反応があります。つまり、アジアのどこかでアリに刺された⇒Solenopsis invicta初回接触でアナフィラキシーという可能性も十分にあり得ることになります。
つまり、渡航医学的には、「中国・米国・台湾・オーストラリア以外の場所」でのアリ咬傷歴も留意する必要があります。
ソースは
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25496038
Mol Ecol. 2015 Jan;24(2):374-88. doi: 10.1111/me
c.13040.
Global invasion history of the tropical fire ant: a stowaway on the first global trade routes.