今回、ギニアを中心に周辺諸国に侵攻しつつあるエボラ出血熱、これまでザイール型ではないかと言われてきましたが、そうではなく、新種であるらしいとの報告@NEJM。
- 現在ギニアを中心に周辺諸国含め発生をみているエボラ出血熱は、新種のウイルス。他国から入ってきたものではない。
- これまで言われてきたザイール型ではない(注:ザイールとは、現在のコンゴ民主共和国の旧名。管理人がパリ在勤中にこの国に巡回検診業務で通っていたが、ザイール⇒コンゴ移行期のクーデター騒乱で何度も中止や延期を余儀なくされた思い出)。つまり、今のコンゴ民主共和国でかつて流行したものが入ってきたわけではない。
- エボラ出血では内臓出血を30〜90%に起こすが、その%は型によって異なる。
- 今回のウイルスを遺伝子分析。n=20。
- 結果、ザイール型でもなく、(これもかつて流行した)ガボンから入ってきたものでもないことが判明。今回ギニアで発生しているものは、他の型と同じ祖先から並行して出てきたものではないかと思われる。
- 今回の流行はおそらく昨年12月以前から水面下で進行していたのではないかと思われる。どの動物からやってきたのかは、さらに調査中。
まったく新しい型が表面化する3カ月以上前から水面下で進行していた・・・
新たな新興感染症。自然の逆襲だなんだと、議論がかまびすしくなりそうですが、今回発生地をグーグル空中写真で見ても、森林が破壊されてる形跡もなく、災難としか言いようがありません。新型エボラ、従来と異なる挙動を示しており、対岸の火事とばかりも言ってられないかもしれません。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1404505?query=featured_home#t=article
Original Article
Brief Report
Emergence of Zaire Ebola Virus Disease in Guinea — Preliminary Report
April 16, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1404505