日本トラウマティックストレス学会 「新型インフルエンザの心理社会的影響」シンポジウム無事終了。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/cooperation/201003/514349.html
概略です。
<新型インフルエンザと集団パニック>
防衛医大 重村先生
テロ・大規模災害のトラウマティックストレスの第一人者。
集団反応発生に関連する主要因子として脅威の「信憑性」「度合い」「性質」があげられる。
リスクコミュニケーションの重要性指摘。
まずいリスクコミュニケーションの二例。前首相の(根拠示さず、ただ15秒のCMで)「冷静に行動してください」、古館氏の「風評被害が心配されますねぇ」(と風評被害が前提のような言い方)
<新型インフルエンザへの危機対応の中で>
兵庫高校 江本校長先生。新型インフル渦中の対策。
16日は明らかにメディアスクラムの状態。生徒をマスコミから充分守りきれなかった「悔しさ」バネに翌日から猛烈なフル回転。
役割分担 生徒対応、資料作成、文書作成、警備、総務、事務、教頭、校長。
学校の工夫。学校HPの充実。毎日決められた時間に更新し、生徒へのメッセージ発信。学校全体だけじゃなくて担任メッセージの発信。また、生徒の声をメールで聞くということも併行。今何してるか?ストレスは?と。
誹謗・中傷をめぐって。近隣住民から、「生徒がトレーニングした公園を消毒せよ」通勤電車の利用者から「電車に乗せるな」と。警備班をつくり、住民の中にはいり対話してゆくと解決。
マスコミ対応話しあい、しっかり依頼ということを重ね、対応も変わってきたと。 生徒アンケート生徒が気にしていたのは、学習面>部活動>インフルエンザ。発生初期の大混乱状態のさ中においてさえ、インフルエンザよりも生活の方が関心高かった。
これを受けて、2週目からはHPの内容も学習面にシフトしていった。宿題や復習のことなど。
一日2回の職員会議で情報の共有。1日2回の記者会見の前には職員会議を開き、情報を共有した状態で会見にのぞんだ。
学校は校長・教頭が管理職であとは同格のなべふた構造の組織だから、それぞれ工夫して動けた。ヒエラルヒー型の組織だと厳しいのではないかと(厚労省と木村氏・・の経緯見てたら同意!)。
これだけの短時間にこれだけの手を次々繰り出せた手腕にはただただ感嘆。
生徒のいない2週間だったが、かえって生徒を近く感じた2週間だったと。感動。
<新型インフルエンザ流行による社会不安と対策>
当管理人担当。
2003年SARS流行による心理社会的影響
社会不安の推移と、その経験から学んだ社会への情報の伝え方。
心理社会的影響のメカニズム
「不安」に対処する4パターン、「否認」の心理機制、オルポートとポストマンの法則(”あいまいさ”を減らすことが流言対策のカギ!)。噂流布の力学、流言対策否定戦略と対抗戦略。
対策のこころみ
当ブログの紹介と、何を目指し何を意図してブログやっているのかなど。
マスコミとの協働。実例。
質疑も活発にいただき、身も心も充実のひとときでした。
皆さまありがとうございました。