管理人がスーダン在勤中も確かに耳にしてはいた話ですが、ここ最近ますます顕在化しているらしい件。イエローカードの偽物がヤミ両替と同レベルで路上展開していると。
- 首都ハルツームの路上。物売りの少年が声をかけている。「ドル両替しませんか?レート良くしときまっせ。それともタバコいかがですか? そうそう、イエローカードほしくないですか?」
- この国で黄熱病ワクチン接種には200スーダンポンド(約32米ドル) かかるが、黄熱病偽造イエローカードは50スーダンポンドで買えるので、子だくさん家庭を中心に需要がある。
- 現地の開業医インタビュー。この国で黄熱病患者なんか見たことがない。だから注射を希望せずに偽造カードに走る人々がたえない。
- スーダンでの針刺しを嫌がる外国人にも需要があり、相場の4倍200スーダンポンドで売れたりすることさえある。
- ラマダン期間中には、1日に250枚売り上げたこともあると豪語する者も。
- その背景には保健省役人の腐敗、警察の腐敗(路上密売人いわく、この2か月で警官から5回カネをせびられた)貧困(この密売をやらなければ仕事がない)がある。
- ワクチン証明書の偽造は世界的傾向で、ナイジェリアでは空港で係官が売っているし、南スーダンでも、あるいはパキスタンのポリオワクチン接種担当者でも。
実はこれ、必ずしも目新しい話ではなく、管理人のスーダン在勤中も現地人からも外国人社会でも耳にしたことはあります。そして、首都ハルツームにいる限り、黄熱病ワクチンの必要性を実感する場面がまず無くて危機感が共有されにくいのも事実。しかし、このニセ証明書が、ひとりの売人だけで1日250枚売り上げる状況下、丸はだか状態でハッジ巡礼だ何だとどんどん国外を行き来するのはお寒い限りの現状です。
これを防ぐには、現行の様式、ちょこちょこっと書いてスタンプポン!で出来上がるのではなく、ICチップ式にでもする必要がありましょうが、そのようなコストを上乗せすることは誰がどう見ても困難なわけで(篤志家があらわれても、そのお金はもっともっと優先順位の高いものがいくらでもある)、媒介蚊対策の徹底がのぞまれます・・・と書いてはみたものの、ポリオワクチンにせ証明書や他のワクチンもありますから、どうしようもなく頭の痛いところです。
ソースはThe daily beast
http://www.thedailybeast.com/articles/2015/08/31/sudan-s-vaccination-card-black-market.html
08.31.151:03 AM ET
Sudan’s Vaccination Card Black Market
ProMED
http://www.promedmail.org/direct.php?id=3613781