新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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動きだしたけれどカネもヒトも足りないアフリカCDC

2015-04-28 09:42:07 | 政治的動き

アフリカCDC構想が動き出しました。本部はエチオピアのアジスアベバ。
しかし予算は690万ドル、人材はわずか11人でアフリカ全部をカバーするという状態でのスタートです。

  • 今年7月から2016年12月までの当初予算は690万ドル、人材はわずか11人しかない。アフリカCDCの上部組織となるアフリカ連合(AU)自体、予算は3億8百万ドルしかない。
  • 欧州CDCと同様(米CDCとは異なり)、独自のラボは持たずに外部委託。
  • 米CDCのスタッフ2名が本部に常駐し指導。
  • 疫学者10人に奨学金を与え留学させる計画。
  • リーダーシップの問題。アフリカ連合自体、官僚制と非効率で極めて評判が悪い。さらに、事務局長募集で提示されているサラリーは、これぐらいの重責と人材に見合うものではまったくない。

エボラ騒動が肩をおして実現するアフリカCDCですが、頼りない体制でのスタートです。しかし、アフリカの本当の問題は、「数字にあらわれる頼りなさ」もさることながら、「数字に計上されたものが中抜きになる事象」です。この当初は頼りない予算も、今後徐々に増えてゆくはずですが、その時、すべてがアフリカの人々の保健向上に使われるのか、それともどこかに「〇〇御殿」が建ってしまうのか、そこが問題です。

奨学金を出して疫学専門家を留学させる計画も盛られていますが、その方々はちゃんと戻ってくるのか、戻ったところで学んできたものを周囲に伝承するのか独り占めにするのか、管理人の、合計5年間アフリカ在勤した頭では懸念が尽きません。

 

ソースはnature
http://www.nature.com/news/african-cdc-needs-more-money-and-a-strong-leader-1.17409

African CDC needs more money and a strong leader

Ebola spurred US support for pan-African health agency, but centre needs much more to succeed.

24 April 2015
 
 

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