コンゴ民主共和国で新たなエボラ熱(EVD)感染者の発生が確認され、日本の報道にも載ってきています。今回の発生で、有利な点と不利な点。
- いま、コンゴが政治的に比較的安定している。
さまざまな鉱物資源に恵まれるこの国は、その利権をめぐって争乱が絶えない場所です。管理人がパリ勤務中、この国の首都キンシャサへ定期的に出張したものの、「現地情勢の緊迫」を理由に何度も中断になりました。ヒョウ柄帽子がトレードマークのモブツ大統領、クーデターの未遂やらついに既遂まで。その間に発生したどさくさまぎれの略奪は猖獗を極め、目撃者の証言によれば病院も徹底的に、トイレの便器まで嬉々として担いでゆく光景まであったとか。現地の邦人を退避させるオペレーションに現地入りしらパリの大使館員はフランス軍に救援を求め、フランス人を退避させる航空機の余席に(低い優先順位ながら)なんとか押し込んでもらっていたものです。(余談ですが、この緊迫を至近で見聞きした経験から、当管理人は、誰がなんと言おうが有事法制には大賛成です。安倍さん頑張ってくださいました)
管理人のパスポートに押されたこの国の入国ビザは、あるページには「ザイール」の国名で押され、また別の頁には「コンゴ民主共和国」の国名でおされています。
さて、こういう状況で今回のエボラが起こっていたら・・・略奪にあった病院の臨床検査室はこの写真の如きことになりますし、これで検査が出来るかといえば・・・さらに、首都キンシャサから現地入りするまでに安全はまず保てないでしょう。そんなことごとを思い出すにつけ、
「今でよかった」というのが実感。
キンシャサの病院、略奪後の何もない臨床検査室(これでも争乱真っ只中ではなく、少し落ち着いた時点)