先日来紹介している、「季節性ワクチン打ったら新型インフルにかかりやすくなる(かも)」報道のフォローです。
カナダ発のこの件で飛び上がったのは、もちろん、当ブログだけじゃなくて、今や、カナダ以外の国々で「The Canadian Problem」と呼んでる科学者もいるようです。
本日の紹介はThe ChronicleHeraldの報道。
「罹患」と「重症化」を混同しないようご注意ください。
- カナダの新型インフル入院例の予備調査では、季節性インフルワクチン接種と重症化の間にリンクは認められなかった・・とカナダ公衆衛生当局発表。
- 「季節性ワクチンを打った群では、打たなかった群に比べて罹患するリスクが2倍になる」という報道を受けて、公衆衛生当局が入院例のデータを精査。
- 「罹患リスク2倍」が真実かそうでないか、まだ審判は下せない(The jury is still out)。しかしウイニペグ微生物研のFrank Plimmer氏は「季節性ワクチン接種と新型インフル重症化の間にエビデンスが無い点は安心できる(reassuring)」とコメント。「最も重要なことは、季節性ワクチン接種で、新型インフルの重症度が増すかどうかという点だが、カナダ国内データではそのエビデンスは無い」。
- 「季節性ワクチンと新型インフル罹患」のデータについては、さらに議論をすすめ、結論を公表する予定である。公表のタイミングは来週にはもう少しクリアになるであろう。
「季節性ワクチン接種で罹患しやすくなる(かも)」で不安亢進しているカナダ社会にあって、とるものもとりあえず「季節性ワクチン接種で重症化のエビデンスは無い」と、罹患と重症化、ちょっとズレてはいるが少なくとも嘘ではない発表で必死に鎮静図っているカナダ当局という構図です。
”来週まで待てば、大体いつごろまで待てばはっきりしそうかがわかりそう(timing of that would become clearer next week)”とのことで(でも、この言い方はプレス対応の基本押さえていると思う)、続報はまた来週。
ソースは10月1日付The ChronicleHerald↓
http://thechronicleherald.ca/Canada/1145333.html
Seasonal shot gets OK
08/09シーズンのソ連香港B型三株不活化インフルエンザワクチンを打っていたメキシコ人の症例対照研究では、打っていた方が、防御的だったそうです。
influenza A/H1N1 was independently associated with trivalent inactivated vaccine (odds ratio 0.27, 95% confidence interval 0.11 to 0.66)
メキシコの件、いただいていましたね。
さきほど、極めて走り書きのアップしましたが、推移が注目されますね。