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スペインのエボラ発症で表面化する病院体制、WHO基準満たさず(エボラ出血熱 EVD エボラ)

2014-10-08 08:04:27 | エボラ出血熱・EVD・エボラ・エボラウイルス感染症

スペインの看護師がエボラ院内感染したケース、これから場外乱闘もはじまりそうな雲行きに。
そもそも、防御体制がWHOスタンダードを満たしてなかったじゃないか!とツッコミの声。

  • 今回の感染例で、カルロスⅢ生病院が、設備の基準を満たさず、WHOのプロトコールにもしたがっていなかった。
  • 感染した看護師は、シエラレオーネからスペインに移送された第一例を看護していた。同居の夫は隔離観察中。接触者は合計50名モニタリング中。
  • 病院スタッフによれば、同院で使われている防護衣はWHOスタンダードを満たしたものではないとのこと( the protective suits they were given did not meet World Health Organisation (WHO) standards)。そして、手袋を粘着テープでくっつけていることを、透過性があるままの例としてあげている。
  • (また、患者からの体液を付着した)廃棄物は、他の一般客とおなじエレベーターで運ばれていたとも。
  • EUはスペイン当局に書簡をおくり、このナースがどのように感染したのか明らかにするのを要求している。実際、なんらかの問題があったと思われている。
  • スペイン当局は、WHおスタンダード満たしていたと反論。

内部告発的に、いろいろ現場の実態が出て来る構えです。リベリアやシエラレオーネの初期の施設で、十分な防御なくバタバタ医療従事者が感染していたのは貧困のなせるわざですが、今回、スペインでの発生は人災と呼んでよいのでしょう。

当局の机の上で考えられることと、現場の実情が乖離するのは世界共通の悩ましい現実でありますが、この”場外乱闘”の部分も注目で、我が国でも学ぶ価値ある教訓が引き出ます。

ソースはGuardian
http://www.theguardian.com/world/2014/oct/07/ebola-crisis-substandard-equipment-nurse-positive-spain

Spanish nurse Ebola infection blamed on substandard gear and protocol lapse

Staff at Madrid’s Carlos III hospital say protective suits do not meet WHO standards as second nurse undergoes tests for virus


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