新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

犠牲者発生を受けて燃えるスコットランドの報道(新型インフルエンザ)

2009-06-17 23:12:07 | マスコミを考える

今日は講義3コマ分のロングラン取材(fluとは無関係。学生君達が主役)も無事終わりほっと・・・

夜はじめてflu情報眺めてみたら・・・スコットランドの報道が盛り上がっていました。

スコットランド感染者数が大幅増、また、米大陸以外で初の犠牲者というのは既に報じられているところですが、それを受けた現地報道は・・・

  • 今後、遺伝子変化により、世界中で4000万人犠牲者を出したスペインインフルエンザのような経過をたどる可能性もある。スペインインフルエンザでは、夏には中等度、冬以降に深刻度を増し、第一次大戦上回る被害を出した。
  • 最悪のシナリオでは、スケートリンクや冷凍トラックを遺体安置所にすることも盛り込まれている。集団埋葬や軍隊が食糧医薬品配給警備にまわることも・・・
  • スコットランド政府の計画案には、ウイルスの病原性・人口の感受性・対策有効性によるが、最大人口の半分が感染可能性ありと記されている。
  • パンデミック終了までにスコットランドで5100~63700名の犠牲者発生可能性もある。
  • 深刻なシナリオでは医療機関マヒ、予定された手術のキャンセルも。
  • NHSスタッフ(=国営医療関係者)と小児がまず最初にワクチン接種を受ける。 残りの国民も年末までにワクチン接種を受けるべきである(NHS staff and children will be vaccinated first under a £150million programme by Holyrood Ministers. And everyone should have a jab by the end of the year) 。
  • 美術館などの閉鎖、また、激増する死亡者(の登録)に(戸籍係が)対応するため結婚式の延期。
  • グラスゴーには既に、一時的遺体仮安置所が用意されている。しかし、それはあっという間にあふれ返る可能性あり。
  • 昨晩スコットランド当局はパニックにならぬよう冷静な対応呼びかけ。

この記事から2つの考察。

  1. かの国では、ワクチン接種優先順位がはっきりしている模様。日本国も議論急がねば!
  2. 第一号の犠牲者が出た時点で、マスコミが「ワーストシナリオ」をがんがん報道し5100~63700名犠牲”かも(could have occurred)”といって雰囲気盛り上げている。 これは「他山の石」とせねばなりません。 将来、日本で新型インフルエンザ第一号犠牲者が発生したとき「犠牲者発生! パンデミック終息までに犠牲者64万人発生”も”」とか「発生”へ”」なんて見出しを躍らせたりしないことを、各社編集局・週刊誌編集部・報道局・・・しっかり刻み込んでいただきたいのです

ソースは6月17日付SUN scottland↓
http://www.thesun.co.uk/scotsol/homepage/news/2485345/Pandemic-stations-over-flu-virus.html
WORRIED Scots health chiefs are preparing for a swine flu DOOMSDAY amid fears the virus could mutate into a mass killer this winter.


 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オーストラリアの警戒レベル... | トップ | タミフル密売横行するバーレ... »
最新の画像もっと見る

マスコミを考える」カテゴリの最新記事