新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

5~20歳のワクチン接種は不適切だったかもと公衆衛生当局トップが言ったと報道(フィンランド)

2011-01-31 07:52:54 | マスコミを考える

子供にインフルワクチンの接種を推進していったのは間違いだったかもしれない・・・
過激派みたいな米国のアンチワクチン団体の発言なら、”いつものこと”なのですが、発言の主が「フィンランドの公衆衛生当局トップ、The Chief Medical Officer of Finland's National Public Health Instituteという肩書の持ち主なので衝撃。

  • The Chief Medical Officer of Finland's National Public Health Institute のDr Terhi Kilpi 氏発言。
  • インフルワクチンは5~20歳に接種されるべきではなかったのだろう(perhaps)と。
  • この年齢層に対しては、今後接種を勧めることはないであろう。接種の結果起こることがわかっていたら、接種をすすめることもなかったのにと。
  • スウェーデン・フィンランド・アイスランドではワクチン接種とナルコレプシー発症増加との関連が疑われている。フィンランドではすでに54例診断。
  • UKではインフルによる犠牲者が200名近くに達するにいたり、この年齢層への接種再開されている。
  • Finland's National Public Health Institute は今週火曜日にも暫定的レポート発表予定。

これはメディアリテラシーの練習問題にもなりそうですね。ポイントは

  • 「 Väli-Suomi newspaper group's Sunday newspaper supplement」というメディアのインタビュー。日曜娯楽紙。記者はどんなインタビュー?誘導のテクニックを駆使したか否か?
  • インタビュー全体の流れはどんなふう? 記事として切り取った部分は文脈に沿ってたか否か?
  • 逆にインタビュー受けた方の取材慣れ程度はいかがかり? 何とかの手をひねるみたいなことなってない?
  • 最大のポイントは、「インフルワクチン接種受けたらナルコレプシー過眠症の副反応かも?」という命題が北欧中心に、”白黒決着してない状態で”存在していること。そしてその暫定報告が近々予定されてること。 日本語には「予断を与える記事」って言葉がありますが、そういう単語との関連は?

いろいろ考えながら読むと面白い記事です。
この記事、日本のマスコミに訳されると不安。だって、「possibly」の訳しかたでニュアンス自由自在(あなたが整理部記者になったつもりでいろいろ考えてみましょう)ですから・・・

ソースはuntiset↓
http://yle.fi/uutiset/news/2011/01/health_official_swine_flu_vaccinations_for_children_possibly_a_mistake_2326931.html?origin=rss

Health Official: Swine Flu Vaccinations for Children Possibly a Mistake

 

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