新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

豪のワクチン副作用事件、RNA残異物が原因か

2010-05-02 16:09:52 | インフルエンザ:基礎知識/新知見
西オーストラリアを中心に一部NZでも、インフルワクチン接種後に発熱・嘔吐・けいれんの副作用が多発し犠牲者も出ている問題、
その原因はワクチンに含まれるRNA残異物にあるとの発表です。

Professor Nikolai Petrovsky, a Flinders University immunologist談。
ワクチン製造過程で生じる、大量のRNA残異物が幼児の免疫系に過剰な負荷をかけたのが原因であることは疑いの余地がない(absolutely no doubt)。

Melbourne immunologist Professor Bryan Williams氏も、同様の実験を計画していたと話す。

今シーズンのワクチンは、昨年よりも多くのRNAが含まれる。数種類の季節性、そして、pH1N1を含むため。

細胞培養法で製造すれば、RNA残異物は残らない。残異RNAの量はワクチンによって異なるにも関わらず、それをCSL社のようなメーカーに測定義務付ける規定がないのは不思議であるとPetrovsky氏。

5年前、Carol Sledz, a graduate researcher in Professor Williams' research groupはRNA分子が、先天免疫の反応を惹起することをnature cell biologyに発表している。RNA分子が受容体刺激、発熱・TNFαに関連。
これらは副作用の出た子供の症状と一致する。

RNAを消化する酵素を加えると、RNA残異物を減らすことが出来るのだが、CSL社のワクチンはほぼ常にRNA残異物レベルが最高に達している。

う~ん。RNAの残りものが悪さをして深刻な副作用につながっている。
特定バッチの問題じゃなくて、ワクチンの構造的な問題ということになります。
ただ、この問題を解決するヒントもある模様で(RNAを消化する酵素?)、北半球のシーズンまでに解決する希望もあるようですね。

ソースは5月2日付けてthe age↓
http://www.theage.com.au/national/residue-in-flu-jab-causing-kids-reactions-scientist-20100501-u0dd.html
Residue in flu jab causing kids' reactions: scientist

 


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