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新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

ミカンとリンゴを混同しちゃイカンぜよ!(WHOの反論)

2010-01-27 10:10:45 | 政治的動き

「偽りのパンデミック」騒動。 
WHOがパンデミック宣言を出したのは、製薬会社との癒着だとドイツ人が言い出し、それを欧州委員会がまともに取りあって検証作業が行われている騒動。

WHOが反撃に出ています。
WHOフクダ氏が出てきて、まあマトモな事を言ってるのですが、ちょっと面白かったのが以下のくだり。

(新型インフルエンザが季節性インフルエンザよりも軽症だったのに・・・と批難されていることに対抗し)「季節性インフルと新型インフルを同列に並べるなんてありかよ!そんなのミカンとリンゴを比べるようなもんじゃねえかよ!!」「季節性の数字は統計データ。新型のデータは検査で確定したもの。全然違う!!」と。
Dr Fukuda rejected comparisons between seasonal flu and swine flu - describing them as like comparing oranges to apples.
Seasonal flu figures were based on statistical models, whereas every swine flu death had been confirmed in a laboratory, he said.

なるほど。これから、数字の魔術を使った政治的攻防戦が繰り広げられるのでしょう。こういう修羅場も直面せねばならないWHOオフィサーには高いプレゼン能力が求められます。
厚労省の皆さんも、記者クラブ以外のマスメディアの前で「ミカンとリンゴ一緒にするな!」式の丁々発止をどんどん展開していただけると、もっと国民の関心が恒常的に続くような気がするのですが。その能力を持つ人は、WHO出向経験者はじめ少なからずおられると思います。

ソースは1月26日付BBC↓
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8481211.stm
WHO defends its swine flu warning

 

コメント (1)
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インドネシアは依然H5N1サンプル出さず

2009-10-25 11:14:42 | 政治的動き

昨日、インドネシア保健相の交代を紹介したところですが、新保健相も、鳥インフルエンザ検体の供給には否定的見解をのべています。

これまで同様、WHOに出しませんと。 がっかりです。

ソースは10月24日付ロイター↓
http://www.reuters.com/article/worldNews/idUSTRE59N0R020091024
Indonesia says no policy change on bird flu samples

 


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インドネシア保健相交代で事態は良くなるか?

2009-10-24 15:54:39 | 政治的動き

インドネシアのスパリ保健相、この方は強烈でした。「H5N1のサンプルをWHOに提出しても、先進国がワクチン製造で儲けるだけだ。途上国には何のメリットも無い」と言って、標本提出を拒んだあたりまでは他の途上国の拍手もありましたが、その後、H5N1ヒト感染の報告を間引いてみたり、細菌兵器まで出るオカルトまがい発言やら色々耳目を集めたのでした。

しかし、この10月20日、インドネシア ユドノヨ大統領は、「政権第Ⅱ期」を宣言されました。これにともない、ほとんどの閣僚を入れ替え。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091019-00000005-nna-int
【インドネシア】大統領、第2期の新閣僚は大幅に刷新

これにともない、保健相も交代するとこととなりました。
Endang Rahayu Sedyaningsih新保健相は、「国際協調」を掲げており、「インドネシアはこれまで、鳥インフルや新型インフルなどの感染症含め自身の保健衛生問題を解決できてこなかった。Indonesia could not overcome his own health problems, such as in controlling a potentially infectious disease pandemic, like bird flu and influenza A-H1N1 」と謙虚なことを言っています。

事態の改善を願うばかりです。

ソースは10月23日付suarabenrauan↓
http://www.suarapembaruan.com/index.php?detail=News&id=11311
Menteri Kesehatan Dukung Pengendalian Tembakau

翻訳はgoogle翻訳にてインドネシア語→英語 使用。

 


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ある福祉士の声

2009-10-08 21:30:49 | 政治的動き

社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士国家試験受験対策でメジャーなサイトに「やまだ塾」というのがあります。福祉系大学の教師を本職とする管理人も時々お世話になっています。
http://www.yamadajuku.com/

この中で、ワクチン政策への声がアップされています。
常連みなさま含め、こういうサイトにアクセスする機会は少ないのではないかと思います。介護業界の人々がどう考えているのか、たまには紹介するのも、福祉系大学で禄を食む医者の務めかと。
というわけで、コメント控えコピペのみ(文字の色も元サイトのまま)。

日本看護協会は「訪問看護師と保健師」への新型インフルエンザワクチンの優先接種の要望書を提出した。また,全国保育士会など児童福祉関係5 種別協議会は意見書を提出した。さらに,認知症ケア学会など介護関連3学会は要望書を提出した。3福祉士の職能団体が何をしたのかは知らない。

→新型インフルエンザワクチン接種の意義は,ワクチン接種者の生命を守ることにある。感染の危険性の高い介護福祉士をはじめとした介護従事者をワクチン優先接種の対象外と結論づけた「長妻厚生労働大臣」にはがっかりした。介護従事者には給料を上げてやれば事足りる,とでも考えているのであれば大間違いである。チームケアをしている職場に,ワクチン接種優先対象者(医師,看護師,保健師等)と対象外の者(介護福祉士,ケアマネ,ヘルパー等)が存在することに問題があると思えないのであれば救いようがない。筆者は,介護従事者の命が軽く扱われたと受け止め,憤っている。
→「日本のワクチン行政」の構造的な問題については,改めて記事にしたい。(筆者)

9/7
(「介護従事者」は,新型インフルエンザワクチン優先接種対象者でなくていいのか。 意見募集は9月13日までである)
の記事を参照


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テロに使われるかも鳥インフルエンザ

2008-11-28 20:27:39 | 政治的動き

UK(イングランド+スコットランド+北アイルランド)にて国家保安関係者の談話。

*UKにとって脅威となる組織がある国は27カ国にのぼる。
*テロリストの手段としてバイオテロへ傾倒しつつあるのが懸念される。
*鳥インフルエンザやSARSへの備えは適切なものとはいえず、これから18ヶ月以内に発生すると世界経済は不況に突入。
*サリンガスやマスタードガスの原料は容易に入手できる。放射性物質は病院や産業現場で使われているが、これらの入手にあたり身元確認が十分おこなわれているとはいえない。
*したがって、テロリストが遺伝子操作に必要な材料を購入し、現存する細菌やウイルスを遺伝子操作してさらに病原性の高いものを創り出してしまうことが可能になってしまう。
*アルカイダが最も深刻なテロリストグループであるのには変わりないが、それ以外に「経験を積んだ個人」の脅威が高まっている。
*最も怖いのは、これらのテロリストに、警備不十分な国の研究施設に侵入されることである。

いま我々は、自然の遺伝子変化でヒト感染しやすくなった新型インフルエンザウイルスの出現に脅威を感じているわけですが、テロリストが遺伝子操作技術を使えるようになってしまえば、次から次へと新型インフルレベルの脅威が襲ってくることになってしまいます。 これも現実・・・

ソースは11月27日付telegraph↓
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/politics/lawandorder/3527575/Terrorists-could-strike-Britain-by-infecting-country-with-bird-flu.html
Terrorists could strike Britain by infecting country with bird flu
Terrorists could strike Britain by infecting the country with bird flu or Severe acute respiratory syndrome (SARS), a leading group of security experts has warned.

 

 


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新型インフルエンザ対策はオバマの勝ち!

2008-10-14 21:50:56 | 政治的動き

新型インフルエンザ対策はオバマの勝ち! といっても、日米比較の話ではありません。 オバマvsマケインの話。

米大統領選、両陣営の比較でQustion6(ええっ、米国でも新型フルは第六優先なの?と思いますが、それは置いといて)パンデミックフル。

オバマの圧勝らしいです。
*2005年の法案( S 375, the Flu Prevention Act of 2005)の共同提案者である
  →この法案のおかげで年間1億5千万ドルの対策予算がついた
*2006年の法案(HR 4939, the Emergency Supplemental Appropriations Act for Defense, the Global War on Terror, and Hurricane Recovery )を支持した
  →この法案のおかげで23億ドルの予算がついた

対するマケインは
*2006年の法案に反対票を投じたばかりか、新型フル対策に予算をつける法案を何ら提出していない

今、米国のパンデミック対策が素晴らしくわが国とは比較にならんとはあちこちの講演会やサイトで言われていることですが、マケインが勝ったらおかしくなるのか(それこそpandemic fatigueみたいなことになるのか)・・・ちょっと心配ですね。

ソースはpopsci.com↓
http://www.popsci.com/polisci/article/2008-10/preventing-outbreak-mccain-and-obama-pandemics
Preventing an Outbreak: McCain and Obama on Pandemics


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WPRO尾身事務局長勇退へ

2008-09-19 11:14:35 | 政治的動き

 WHO西太平洋(WPRO)尾身事務局長・・03年北京にてSARSの修羅場と戦っていた私にとって、この名前は押谷氏とともに、輝ける司令官としてまぶしい存在でした。毎日山のように流れてくる情報の中に散見する同胞の名前は何とも頼もしかった。

SARS後も、鳥インフルエンザ新型インフルエンザ対策に手腕を発揮してこられました。

その尾身氏にも勇退のときが近づいて来つつあるようです。来年1月末の任期切れを目前に、後任者レースが展開中。

ちなみに、尾身氏の後任者としてレース中なのは①韓国人大学教授②トンガの副首相③WPRO伝染病責任者 の三者。

尾身氏の残り少ない任期のご活躍をお祈りする次第です。
そして後任者が新型インフルエンザ対策に有能な人物であることを・・・

ソースは9月17日付新華社↓

http://news.xinhuanet.com/english/2008-09/17/content_10053794.htm

WHO to nominate new Western Pacific chief

www.chinaview.cn 2008-09-17 15:21:39


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インドネシア保健相のユニークな発言(新型インフルエンザ)

2008-09-08 22:15:27 | 政治的動き

インドネシア保健省とWHOのバトルについては、当ブログでも何度か取り上げてきましたが、大臣の個人的?発言に注目が集まってきています。

その報道内容については、外岡先生のサイトに詳細な訳がアップされているので、まずはそちらをご覧ください↓http://homepage3.nifty.com/sank/jyouhou/BIRDFLU/2008/Indonesia%20mum%20over%20bird%20fluStraits%20Times.pdf

この中で衆目をひくのが要約、「新型インフルエンザは米国の陰謀である。裕福な国家(まあ、前後の文脈からみて米国と判断するのが妥当でしょう)がウイルスをつくり、途上国にばらまく。そしてワクチンの販路開拓~」のあたりかと思います。

 この文脈、”いつか来た道”です。そう、SARS騒動の03年、「SARSコロナウイルスは生物兵器説」なるものがまことしやかに流れました。誌名は覚えていないのですが、日本の雑誌でそのSARS生物兵器説を活字にしちゃった所もあったはず。生物”兵器”としての元々の持ち主もA国軍、B国軍・・いくつかあったような気がします。

この種の話は「わかりやすい」「犯人が明確に指定される」「ぞくぞく面白い」といった条件を満たします。だから一般社会に”ウケて”どんどん広まる。 さらに、”犯人”が政治的に敵とみなされる存在のものだったら、火に油・・ 危ない危ない。

思い出すのが、SARSの次の年、中国では日本脳炎の流行がありました。当時日中関係は最悪の時期。あの雰囲気下で日本脳炎、日本脳炎と新聞の見出しに踊ったら、日本がつくった疫病で・・と人民の眼は厳しさを増し・・という事態を懸念したのですが、何らかの配慮が働いたのか乙型脳炎という病名で流通したのでちょっとほっとした記憶があります。

インドネシアの大臣発言も、民衆の間にさらに尾ひれがついて広がり、ナショナリズムの火が点火して・・なんて展開にならないことを心より祈る次第です


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和解に向かうインドネシアーWHOバトル(新型インフルエンザ)

2008-09-06 11:25:51 | 政治的動き

インドネシア政府とWHOとのバトル状態についてはこのブログでも紹介してきました。
「サンプルなんかタダじゃ提供しないもんね!」「その都度細かくWHOに報告するのはやめた。半年ごと!」と大臣が宣言したり、何かと物議をかもしてきました。http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/09a1b22c912b0f9935b74fb0afb71c6b
http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/93a9a12584f114577670b6287b2d52ce
http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/24568f080a91c906481babf77c954a1a

そんな状態が11月をメドに一歩前進しそうです。WHOとの間で、途上国の利益が確保される条件づくりの話がつきそうな状況に。
途上国の利益・・「金銭的な利益」と「研究成果から得られるもの」の2本柱があります。
後者についてはほぼ話がつき、前者を詰めているところだとか。

この交渉がうまくゆけば、ウイルスのサンプルは豊富に提供され、研究はぐっと進み、インドネシアにおける状況の透明性もアップしそうですね。SARSのときもそうでしたが、大規模感染症流行とは政治的マターでもあるというのを再実感です。

ソースは9月5日付Antaranews↓
http://www.antara.co.id/en/arc/2008/9/5/govt-hopes-agreement-on-birdflu-virus-specimen-to-be-settled-in-november/
09/05/08 04:02
Govt hopes agreement on birdflu virus specimen to be settled in November



 


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中国ノ鶏ハOKデス(EU)

2008-09-05 12:18:54 | 政治的動き

2004年の鳥インフルエンザ発生を受けて停止していた、EUの中国からの食肉輸入停止を解除した・・との報道です

この解除を受けて、山東省の9つの業者に許可が出されています。

とりあえず、中国産鶏肉にもOKが出て何よりです。管理人は来週上海に行ってくる予定ですが(当ブログ更新不定期になります)、中秋節にて友人から色々招かれてるので安心して食べられるのはありがたいことです。

ソースは9月4日付china daily↓
http://www.chinadaily.com.cn/china/2008-09/04/content_6996141.htm

EU lifts import ban on Chinese meat and poultry products
(China Daily)

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