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新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

中国渡航者に注意喚起:冬季五輪開催地だからといって雪に触れてはいけない!

2017-01-10 08:21:16 | 渡航医学関連

北京が夏期に続き冬季五輪にも開催・・という報道も目にしますが、その中国において、「雪は危険だ!雪にさわってはいけない!!」というお触れが出ているとAOL報道。

  • 2017年1月4日、中国の大気汚染は警戒度最高レベルを発令。大気汚染指数470(安全基準は25以下)。大気中汚染物質が雪に含まれ毒性を発揮している。
  • このなかで北京市気象局は「外出しないよう」呼びかけ、雪は非常に汚い!雪は非常に汚い!雪は非常に汚い!( "The snow is very dirty! The snow is very dirty! The snow is very dirty!")と繰り返している。「雪だから傘をさす」というのは決して恥ずかしいことではないとも。
  • 冬季には、厳寒のため家庭や職場で練炭が燃やされる。
  • 最高レベル発令で工場操業停止や自動車使用制限などの措置がとられる。

悪名たかい北京の大気汚染。管理人が北京勤務していた3年間はここまでのレベルではありませんでしたが、現状では雪に含まれることで危険なのは明らかです。雨のように流れず積もってゆく。雪だるまや雪合戦など、親に大目玉を食らってしまう「禁じられた遊び」になっているのでしょう。

中国渡航者に対しては「雪が降ったら必ず傘をさしましょう」と呼びかけねばならない状況、冬季オリンピック開催する国の不都合な真実です。

ソースはAOL 
http://www.aol.com/article/weather/2017/01/09/beijing-warns-residents-to-stay-out-of-toxic-snow/21650828/
Beijing warns residents to stay out of toxic snow: 'The snow is very dirty!'

 


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年末年始のギリシャ旅行は要警戒、食品テロが予告されている

2016-12-25 01:33:19 | 渡航医学関連

ギリシャで気になる食品テロ予告。
冬休みの日本人旅行客も多数滞在していそうな12月22日~1月5日の間でテロ予告。
FAI/IRFを名乗る環境系過激派組織による予告で、ターゲットとなる食品は、

Coca-Cola, Nestle, Unilever and Delta

の各社の製品。これらの各社では製品の回収など対応に追われています。
予告文には、「我々は封を開けずに毒物を入れることができる」ともあり、ギリシャ版かいじんにじゅうめそうは恐怖です。

ギリシャに渡航される方には注意喚起を。

ソースはfoodsafetynews
http://www.foodsafetynews.com/2016/12/terrorists-threaten-to-poison-food-in-greece-over-next-2-weeks/#.WF59h1OLTIV

Terrorists threaten to poison food in Greece over next 2 weeks



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トランプ政権でワクチン政策にただよう暗雲

2016-12-02 09:32:32 | 渡航医学関連

トランプ政権になると、米国のワクチン接種率も悲惨なことになってしまうことになるかもしれないという憂鬱な話。

  • 反ワクチンアクティビスト、Andrew Wakefield 元医師(医師免許取り消されたので元医師)は選挙キャンペーン中の今夏、トランプ氏と1時間あまりにわたって会談した。その中で、「ワクチンと自閉症」デマ(本人からみればデマの自覚はなく”説”)を力説し、トランプは賛意を示した。Andrew Wakefield 氏は、「トランプ氏は製薬会社から金をもらっていない。本心を語る人だ」とか「これまでこんなポジティブな気持ちになったことない」だとか意気軒高。
  • トランプが示唆しているオバマケアの廃止ないし縮小もまた、ワクチンへの影響懸念されている。ワクチン接種記録からもれてしまう子供の発生も懸念。
  • トランプ政権で新たな保健長官(厚生長官)に任命される予定のTom Price氏はワクチン問題に対して今のところ口を閉ざしている。ただ、彼はAssociation of American Physicians and Surgeonsという団体の会員であり、この団体はワクチン自閉症を含めた偏った内容を含むジャーナルを出している。

なんとも不吉な予感が漂っています。そしてUSAがワクチンを手抜きしまくる(積極的にやめる?)なんてことになれば、その動きは他国にも拡大しかねませんし、あるいは、ディズニーランド麻疹事件に象徴されるマスギャザリング介した世界中への感染症拡大中継基地にもなりかねません。トランプ氏にまっとうな事をインプットしてくれる勢力なないのでしょうか。

ソースはSTAT
https://www.statnews.com/2016/11/30/donald-trump-vaccines-policy/

Meeting with Trump emboldens anti-vaccine activists, who see an ally in the Oval Office

同ソースに載っていた反ワクチン運動の画像。

入れ墨女が絶叫!の世界だそうです。USAの反ワクチン運動

 

 


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次のパンデミック主役はUsutu、Loipingかもしれないという声

2016-11-11 08:49:23 | 渡航医学関連

次に動物の世界から人間界に入ってきてひと騒動起こしそうなのはなにか・・・Usutuだという説。

  • SARSやジカウイルスの、次の主役になりうるのは何か。先週ウイーンでKevin Olival, the associate vice president for research at the nonprofit EcoHealth Allianceの発表。
  • ジカ・デング・黄熱のフラビウイルスがひとつ。
  • そしてthe Usutu, Ilheus and Louping ill viruses。
  • これらは現時点で人間に感染することはまれだが、複数種の動物に感染しており、このことは種の壁を越えやすい“promiscuous.”なことを意味している。Usutuは最近欧州で鳥を殺しているし、Louping illでは家畜のヤギがやられている。しかし、かつての(小頭症問題を起こす前の)ジカウイルスと同じく、これらはほとんど研究が行われていない。
  • これまで、まだ問題を起こしていない病原体に対して資金が得られないということがあった。しかし、ジカウイルスの出現はその常識を変化させるターニングポイントになるかもしれない。

たしかに、これまで人類に大きな災厄をまだもたらしていない病原体には大きな研究費がついていませんでした。しかし、「種の壁の越えやすさ」に注目して、人間界に襲ってきそうなものを動物の中から予測する・・ということが出来れば、ジカウイルス感染症の教訓も後押しして、人類は進歩するものだと実感できることになるかもしれません。Usutu、Louiping、メモリーしておきましょう。

 

https://www.statnews.com/2016/11/07/next-global-disease-threat/

What’s the next global disease threat? Some predictions

 


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子連れ海外渡航はこんなところにもご注意

2016-10-27 08:16:35 | 渡航医学関連

子連れの海外渡航ではこんな処にも要注意という話。いわゆる「ガチャガチャ」、コインを入れて回すと玩具が出てくるやつ、ちょっと細工すれば異物混入できそうですが、実際にカプセルから降圧剤やら腎結石治療薬やらが入っていたという問題。

  • ある日、Rochesterでピザ屋に設置してあったガチャガチャでカプセルを取り出した7歳児。カプセルから出てきたのは・・・降圧剤2錠と腎結石治療薬1錠!
  • 親は最初、錠剤の形をしたチョコレートか何かだと思ったが、よく見るとほんものの錠剤だったので驚いて警察に届け出。

Rochesterといえば、海外留学を考えたことのある医師なら一度ならず耳にした地名ですね。メイヨークリニックの所在地。いままさに、ここに憧れてECFMG対策余念のない先生方もおられるでしょう。そういう、ちょっとIQ高めな人々の多い土地で起こった愉快犯?

まあ、Rocheterでなくとも、ガチャガチャの鍵なんていかにも簡単そうで、模倣犯ならいくらでも、それこそ”国境を越えて入ってくる事象”になりかねません。国内そこらへんのゲーセンでも・・・

ご注意を。

ソースはSTAT
https://www.statnews.com/2016/10/26/pills-toy-dispenser/

Police: 7-year-old gets pills instead of toy from dispenser

 


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またまた蚊媒介疾患が見慣れぬ場所にあらわれた(セントルイス(サンルイ)脳炎)

2016-10-25 08:22:32 | 渡航医学関連

米国カルフォルニア州の蚊からセントルイス脳炎(サンルイ脳炎)ウイルス検出報道。

  • 場所はLa Quinta is a resort city in Riverside County, California, United States, specifically in the Coachella Valley between Indian Wells and Indio。
  • near the corner of Madison Street and Avenue 52から採取された蚊から初めて、セントルイス脳炎ウイルスが検出された。このウイルスは通常、フロリダ州などメキシコ湾沿いにみられる。
  • セントルイス脳炎は多くのケースで無症状。発症例では発熱・倦怠・頭痛・嘔吐。高齢者のほうが重症化しやすく、少数の死亡例。

疾患そのものは、大部分不顕性感染~軽症、重症化も(次世代に禍根を残すジカウイルス感染症とは異なり)高齢者中心と、インパクトは小さめなものの、「これまで無かったところに現れる」というイヤなパターンに入っています。このごろの地球は体調不良・・とまた実感するお話でした。

ソースは
http://outbreaknewstoday.com/saint-louis-encephalitis-detected-in-mosquito-sample-in-coachella-valley-63192/

Saint Louis encephalitis detected in mosquito sample in Coachella Valley

Posted by on October 23, 2016

セントルイス脳炎の解説はこちら
http://www.uptodate.com/contents/st-louis-encephalitis?source=search_result&search=St.+Louis&selectedTitle=1%7E150



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今年2016年のハッジ巡礼は9月14日終了、メッカから帰国は20日前が目途か

2016-09-11 18:58:11 | 渡航医学関連

今年後半の日本国内における渡航医学の話題、関空麻疹やらダニ媒介性脳炎脳炎やらシンガポールジカやらに目を奪われて忘れがちですが、超巨大マスギャザリングとして例年WHOを緊張させるのがこれ、メッカの大巡礼、ハッジの季節です。

ハッジの巡礼のたびに世界中の公衆衛生担当者を心配させてきたのは(でもそれなりにうまくやって来たのは)、
SARS・MERS・インフルエンザ・細菌性髄膜炎・結核・・・・・・いろいろあります。

アルジャジーラーによれば、今年2016年ハッジ巡礼は

9月9日から14日です。
これに参加した巡礼者が世界各地に帰ってくるのが、おそらくは20日前あたりから。

現地を出るのが15日以降ですから、ここから潜伏期の計算をいろいろシュミレーションしてゆけば、なにに警戒すべきか浮き上がってきそうです。

ちなみに日本国内に居住するイスラム教徒(日本人に限らず)は、Wikiによれば
「現在の日本には、約5万人のイスラム教徒が居住している[6]とされているが、イスラム教徒が多数派の国からの滞在者数からおおよそ割り出したものに過ぎず、最大で20万人という推定も存在する[7]宗教法人日本ムスリム協会は、日本国内のムスリムの数を10万人前後としている[8] 」
という数字だそうです。

頭の片隅ぐらいには置いておきましょう。

ソースはアルジャジーラ
http://www.aljazeera.com/news/2016/08/hajj-2016-long-160814152909463.html

Hajj 2016: When is it and how long does it take?

The 2016 Hajj pilgrimage to Mecca is a five-day ritual beginning on Friday, September 9 and ending on the 14th.

 

 


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ゲイに薬剤耐性赤痢菌と書いちゃうCIDRAPって・・・

2016-08-15 12:36:25 | 渡航医学関連

いつもお上品なサイトが「Gay」って大見出し掲げちゃって目を引いた話。

米国の性的少数派のあいだで薬剤耐性(その一部は多剤耐性)赤痢菌が・・との報告。

2011年から15年にかけて32群の赤痢アウトブレイク調査。うち9群はciprofloxacin (3 clusters), ceftriaxone (2 clusters), or azithromycin (7 clusters).のいずれかに耐性。さらにうち3群は多剤耐性。

男性ー男性間の性交(MSM)を含む7群は少なくとも一種類の抗生剤耐性があったのに対してMSMのない25群ではわずか2群しか耐性がなかった。

ということなのですが、性的少数者の人権擁護においてワンテンポ遅れつつもLGBTという言葉がほぼ知られてきた日本においても、この話がネガティブインパクト及ぼす懸念はあります。しかしそれにしても、CIDRAPが性的マイノリティとかLGBTとかじゃなくゲイ!って見出しうっちゃうのは、普段上品な紳士淑女がいきなり河内弁ですごんできたような衝撃ですね(笑)

ソースはCIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2016/08/drug-resistant-shigella-rise-gay-men

Drug-resistant Shigella on the rise in gay men


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ブラジル渡航に必要なワクチン(おさらい)

2016-05-19 08:34:25 | 渡航医学関連

そろそろリオ五輪に行きたい人が相談に来る時期です。米CDCは出発4-6週間前に、英Fit for travelでは6-8週間前に医者に行けと言っています。
今回はブラジルに渡航するにあたって必要なワクチンのおさらいです。

1.外務省医務官情報
黄熱病・A型肝炎・B型肝炎・破傷風
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/brazil.html

2.Forth (検疫所)
黄熱A型肝炎B型肝炎破傷風、(狂犬病*1)*1:犬や野生動物との接触が予想される場合には推奨
http://www.forth.go.jp/destinations/country/brazil.html

3.米CDC
All travellers:通常接種のワクチン
Most travellers:A型肝炎、チフス
Some travellers:B型肝炎、マラリア予防薬、黄熱、狂犬病http://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/traveler/none/brazil

4.Fit for Travel (UK)
通常接種(UKの)ワクチン
ブースターとして接種:A型肝炎、破傷風
その他検討すべき:黄熱、ジフテリア、狂犬病、チフス
http://www.fitfortravel.nhs.uk/destinations/south-america--antarctica/brazil.aspx

黄熱ワクチン接種の必要な地域についてはこちらをご覧ください。http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/34ca5f13fdca3d4c2f2920f84637df25

 

こちらもご参照ください。
CDC 2016 Summer Olympics(Rio2016)
http://wwwnc.cdc.gov/travel/notices/alert/2016-summer-olympics-rio

 

 

 

 


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ブラジルの黄熱病ワクチン接種推奨地域は国土のほとんど(おさらい)

2016-05-18 17:49:36 | 渡航医学関連

リオのオリンピック。開幕まで2か月ちょっとになり、渡航医学関係者としてアドバイスを求められることもでてきたこの頃。米CDC地図のおさらいです。

ブラジルで黄熱病予防接種がリコメンドされるのは、この通り。

「リオを含めた海岸沿いの猫の額ほどの場所」以外はほとんど全部

です。

オリンピック「だけ」行って、直帰直行する真面目な人というのは渡航者のうちどれぐらいいるのか。相当高額な航空券を投資して南米まで行く以上、たとえばイグアスの滝に行きたい、ゴールドラッシュの跡をみたい、アマゾンの光景をこの目で見たい、ごく自然なこれらの感情にしたがえば、基本的に黄熱ワクチンは打ってゆきましょうというアドバイスになります。

ちなみに。
Recommend: 
the entire states of Acre, Amapá, Amazonas, Distrito Federal (including the capital city of Brasília), Goiás, Maranhão, Mato Grosso, Mato Grosso do Sul, Minas Gerais, Pará, Rondônia, Roraima, Tocantins, and designated areas of the following states: Bahia, Paraná, Piauí, Rio Grande do Sul, Santa Catarina, and São Paulo (state).  Iguaçu Falls

そして、recommendされないのは、わずかたったの、 not listed above, including the cities of Fortaleza, Recife, Rio de Janeiro, Salvador, and São Paulo しかないと、米CDCイエローブックは述べています。

URLは
http://wwwnc.cdc.gov/travel/yellowbook/2016/infectious-diseases-related-to-travel/yellow-fever-malaria-information-by-country/brazil

参考:死ぬまでに見たいブラジルの名所
http://youpouch.com/2014/04/06/185600/

 


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