日本の問題と解決策を考える

一石五鳥の地球温暖化防止策を考える
 
日本の真の活性化を考える  吉川忠雄

米国がスリーマイル島の原発事故で得た教訓も活かさなかった日本の電力会社

2011-12-19 18:49:41 | 日記
12日に放映された福島原発がメルトダウンしたときのNHKのシュミレーション番組を見ました。

これを見ると、ハード面の備えも、マニアルも、訓練による備えも、現場での初動対応もどれも悪かったことがこれまで以上によく分かりました。

そうなってしまった原因は東電幹部に大震災と大事故に対して備えようと言う心掛けが全く無かったからだと改めて分かります。

非常用電源を海側に置いたまま直そうとしなかったここなどはよく知られていますが、それだけではありません。

そもそも全電源喪失時のマニアルは用意されていませんでした。

一方、米国はスリーマイル島の原発事故でいくつかの教訓を得て、改善しました。

全電源喪失時にも蒸気の力を使って動かすことが可能な冷却装置がただ一つ用意されていました。

それは非常用復水器(イソコン)というもので、メルトダウンを数時間(今回では7時間)は遅らせることができ、次の対応ができるまでの時間をかせげます。

ただし、それは全電源喪失時に安全確認のため一旦停止するので、手動で弁のハンドルを回さなければ作動しません。

米国ではその重要性を再認識し、現場の原発運転員に「その意味の徹底と手動でハンドルを回す訓練」をするように改善しました。

しかし、日本では原子力安全保安院もそんな指導はせず、電力会社もそれをやらないままでした。

福島原発ではこれを動かしたことのある運転員はおらず、よく認識されていませんでした。

そして非常用復水器(イソコン)は特に何もしなくても動いているものと思い込んでいました。

また、水位計が正しい値を示さず、炉心の水は蒸発してもう無いのに、水があるように表示していました。

そのため運転員たちは当初それを信用して「まだ燃料棒は水につかった状況にある」と誤認していました。

実は炉心の水が無くなって高温になるとこの水位計の基準水も一部蒸発し、実際の水位より高い水位を表示してしまう構造のしろものだったのです。

これもスリーマイル島の原発事故で経験済みのことで、日本でも「新しいタイプの水位計を造る必要がある」と言われましたが、実行されず、
その教訓が活かされることはありませんでした。

原発と言う大規模な危険物を稼働し続けているのに・・・安全対策に対するこの怠慢はいったい何なのでしょう???

結局、真摯に安全を考えて真剣に実行するような人たちは、原発そのものを巨大な危険物と考えざるをえず、原発推進には加わらないのでしょう。

原発推進に加わっている人たちは”そもそもはじめから”原発の危険を何としても可能な限り減らそうという真摯さを持っていないのでしょう。

そう考えるほかに、原発ムラ全体に蔓延していたこのような「安全に対する怠慢の深層の真相」を説明できない・・・と私は思います。

高速増殖炉計画と実験炉「もんじゅ」についても、どうしてあんな無謀なことを推進できるのか?と私はかねがね不思議に思っていましたが、技術への過信に加え・・・巨大危機防止への真摯さの欠如が・・・この人たちには・・・