ちくしの日記

懲りない女のドタバタ日記。他、いろいろ感じたことをたらたらと。

アジア映画祭、インド映画に感銘!

2006-09-22 01:28:25 | 映画・演劇
今、福岡市では「アジアフォーカス福岡映画祭2006」が
開催中で、市内4ヶ所で日本を含むアジア各国の24作品が
上映中です。

今日は友人に誘われて、その中の一つの
「私はガンディーを殺していない」という
インド映画を見て来ました。
この映画は、今年から始まったという
観客が選ぶ「コダックVISIONアワード」の第1回受賞作品で
その記事が地元の新聞に出ていたこともあり
19時の上映前から入り口の前には長~い列ができていました。

      
      舞台挨拶をするジャヌ・バルア監督

映画は、ある家族の父親(大学教授)の認知症が事の発端で
その父親の介護に振り回される子供たちの姿に、
何処の国も親の介護という問題は同じなんだなあ、
などと思いながら見ていましたが、それはとても甘い考えでした。

日本でも老人の認知症を取り上げた映画やドラマは
よく見かけますが、多分日本だと家族愛や老後をどう生きるかとか、
どちらにしてもホームドラマの域を出ないような気がします。
しかし、この映画はそれが本来のテーマではなく
非暴力と平和を訴えた、かなり社会派の要素が強い、
脚本も映像もしっかりした見ごたえのある映画でした。
2006年ムンバイ国際映画祭で
国際批評家連盟賞を受賞
しているとか。
ジャヌ・バルア監督が舞台挨拶で語ったところによると
インド自信もそうらしいですが、今の世界の国々が
暴力による問題解決しかせず、
その暴力が新たな暴力を生んで紛争はなくならず、
NO VIOLENCE!
インドの人々でさえ忘れている、非暴力で戦ったインド独立の父
マハトマ・ガンディーを今こそ思い出せと。
この映画で非暴力による平和を強く訴えたかったということでした。

国は違っても、またインドの人ほどガンディーへの思いはなくても
監督の思いは充分映画から伝わりました。
日本社会でも、子が親を殺し、親も子を殺すという
ある一線を簡単に越えてしまうという人たちが増え、
信じられないような事件が続いています。
また、政治の世界でも戦後60年を過ぎ、
戦争の恐ろしさを知らない世代も増えて(私自身も)、
戦争に対する感覚が麻痺して、怪しげな方向へ
向かっているような底知れぬ恐怖感があります。
非暴力による平和、この気持ちを世界のあらゆる人たちが
もてたらいいのでしょうが・・・・

映画の最後に父と娘がたたずむ美しい夕景の海を背景に
詩が読まれるのですが、
この詩は古くからインドにあった作者不詳の詩らしくて
監督がずっと温めてたものだそうですが、
この詩がまたいいのです。

かなり長い詩で全編は覚えていませんが
詩の最後を締める言葉にもなっていた
次のフレーズが私にはとても印象的でした。
「努力したものに 敗北はない」

「アジアフォーカス福岡映画祭2006」は
  9月24日まで開催です。
コメント (2)
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