風薫海航空翔

カゼカオル・ウミワタル・ソラカケル Presented by 柊(syu)

相棒再び・前編

2007-07-02 19:20:18 | TOKYO生活
           

彼女↑の名前は「ビアンカ」。メーカー名は「biabchi(ビアンキ)」なんだが、とほほなワタシが読み間違えして「ビアンカ」と呼んでしまって以来ずっとその名で呼んでいる。
彼女は4年前、夏の北海道を100日間共に旅したパートナー。

本当はあのころ誕生日に自分へのご褒美として、宝石を買うつもりだった。でも「無期限の旅をしたい」という夢は膨らむ一方で、退職するか悩んでいた時期でもあったりして。北海道を思う存分旅したい。その夢は北の大地のごとく果てしなく広がっていた時期でもあった

とりあえず夢が実現したとき(=退職出来たとき)のプランニングなんぞしてみたら、旅の足というものに行き詰った。電車オンリーで北海道を旅するには無理がある(電車の走ってない場所のほうが多い)。バスを乗り継いでも限界がある。そのたびにレンタカーを借りるなんて不経済極まりない。今更バイクの免許をとるなんて無理
行き詰った末に閃いたのか、自転車の旅。決して「体動かすのが好き」だとか「スポーツ得意」だった訳ではない。動機は到ってシンプル「自転車なら燃料費がいらないので、旅の途中でお金がかからない!!」←かなりワタシらしい理由だと思われ…

「とりあえず買うことで、夢実現につながるよ」と先輩ドリーマー・F嬢(退職して留学経験アリ)のアドバイスを受けて、気づいたら宝石の購入資金がビアンカに変身していた。
町の自転車屋で、彼女に初めて会ったときのことはよく覚えている
ダークカラーの多いマウンテンバイクの陳列の中で、一際鮮やかなグリーンを放っていた。「イタリアの空色を現したカラーです」と自転車屋の店員さんが教えてくれたときにゃ、もうコレだなと決めていた。

そこから何度も自転車屋に通い、乗り方・メンテナンスの仕方・パンク修理の手順・輪行(分解して袋詰めにした状態)の方法etc…を伝授してもらった。
キャンプだとかバーベキューだとかアウトドア系が大の苦手なワタシが、この手のことを覚えるのは至難の技。それでも親切丁寧な店員さんのおかげで、生まれて初めてアウトドア系に手を染めることに成功。人生ってわからんもんだなー。
その後、人生最大の決断(←その当時は)退職に踏み切ったのはそれほど先のことではなかった。確かにF嬢が言ったとおり、プランが具体化すればするほど夢の拡大は止まらなくなるもんだな。


そして夢は叶った。

ときには大雨の中泣きながら走り。ときには峠の途中で「もうイヤじゃぁぁっ!」と彼女にニールキックで八つ当たりし。ときには彼女を分解して袋詰めして電車にのったり。ついでに旭川駅でホームから彼女を車内に持ち込もうとしたら、扉に挟まれる始末。乗り換え時間3分のときにゃ、「か、肩が抜けるぅぅぅっ!」と涙目にになりながら彼女を担いでホームを駆け。ときには中標津の涙が出そうな美しい牧草地を走り回り。ついには日本最北端を共に踏みしめ。ときには彼女と一緒に富良野の夕景の一部に溶けたこともあった…。
そんな思い出は全て、永遠にワタシの人生の宝物となった



ところが、だ。

旅を終えてここ数年間、相棒はベランダで野ざらし状態。全く乗ることがないまま時間だけが過ぎた。酷い扱いだ、あんまりだよな、と自分でも思ってた。このままベランダで錆びていくだけの運命かもしれない…。

しかし人生は不思議なもので。相方が急に「夏休みに北海道でビアンカに乗りたい!」と言い出した。どうやら旅人もある程度のレベルまで達すると、車での移動よりも更に原始なスタイルを模索するようだ。便利さよりもオリジナルを重視して、どんどん不便なスタイルを好むようになる。不思議なもんだ。

その「北海道で乗りたい」リクエストに答え、数年ぶりにビアンカをメンテナンス。油を差し、パンクを修理しギアを調整。なんとか乗れるようになった。すると相方が毎週末のように「練習」と称して乗り始めた。ときには100km以上走って帰ってくる!スゲェーッ
人が乗り回していると天邪鬼な心が騒ぐのか、自分も乗ってみたくなる。なんちゅーワガママさだろうか、と自分でも呆れるが。まあ、ここ数年運動不足だし乗ってみるかと言い訳。お天気のいい土曜日、数年ぶりに相棒と走ることになった…。


(長い前振りやなぁ~本編は後編で)。

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2 コメント

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ビアンカ復活! (花音(かのん))
2007-07-03 12:27:37
自転車っていいよね
実家にある、通勤通学で相当お世話になった
私の自転車は、やはりこの数年放置状態・・
でも自転車置き場を新しくする話が出た
ことから、両親が処分しようと思った矢先に
母のお友達から「欲しい!」とリクエストが
グッドタイミングで難を逃れた自転車は、
無事キレイにメンテナンスされて、もらわれて
いったようです。
よかった、よかった

まさに、すべてはうまくいっている~
柊さんもどんどん外に出て、新鮮な空気を
胸いっぱい吸いこんでね~。
後編もお楽しみくださいな (柊)
2007-07-04 22:08:15
花音ちゃんが、あの凄まじい北谷の坂道をチャリで走っていたのには正直ビビりました。しかもMTBではなくママチャリで。
絶対自転車で旅する人=チャリダーになる素質あるよ(太鼓判)。

そう言えばワタシも昔から自転車大好きでした。引越しのときママチャリを処分しなきゃいけなくて、悲しかったもんなぁ。今思えばリサイクルに出せばよかった。欲しい人にもらわれるもが一番だもんね。