逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

少しづつ語られだしたフクシマ「子供のがん多発」

2016年03月07日 | 放射能と情報操作
爆心地である原爆ドームの広島平和記念公園内にある「原爆の子」の少女と折鶴の像(1958年5月5日完成)

1945年の広島市へのアメリカの原爆投下から10年後の1955年に白血病で死去した佐々木禎子さんが「原爆の子」像のモデルで、1945年8月6日、2歳のときに爆心地から1.7kmの自宅で黒い雨により被爆。同時に被爆した母親は体の不調を訴えたが、禎子さんは不調を訴えることなく元気に成長した。
1954年8月の検査まではまったく異常がなかった。小学6年生の秋の運動会ではチームを1位に導きその日付は1954年10月25日と記録されており、偶然にも自身の命日となるちょうど1年前であった。
しかし、11月頃より首のまわりにシコリができはじめ、1955年2月白血病と判明。千羽鶴を折れば元気になると折り続けたが10月25日に亜急性リンパ性白血病で12歳で死亡した。



『日本スポーツ振興センターという少し頭のおかしな連中が、聖火台を忘れた設計図を作った』大会組織委員会の森喜朗会長

洋式便器とデザインがそっくりだったお馬鹿恐竜アーチの新国立競技場が白紙撤回されたと思ったら、選びなおした今度の新国立競技場(A案)ではザハ案のパクリ疑惑や出来レース疑惑などが次々噴出してケチがつくが、何と言っても『止め』は2020年東京オリンピックのメインスタジアムの建設案なのに、肝心の聖火台の置き場が考慮されていなかった。(屋根が木造で聖火を点火すると燃え移る)
この問題で、3月5日、大会組織委員会の森喜朗会長は『組織委員会ばかりが悪者』(いつも)『私が悪いと怒られる』が、『日本スポーツ振興センターという少し頭のおかしな連中が、聖火台を忘れた設計図を作った。』、『一番悪いのは馳浩(文科相)です。文部科学省です。』と明確に断定している。
3月6日『新国立“聖火台”の置き場なし B案の建築家が疑問「不自然」』と日刊ゲンダイは、『敗れた「B案」には聖火をともす場所が、しっかりと存在した。』と告発する。
B案を作成した建築家の伊東豊雄氏は、『五輪のメーンスタジアムの屋根に木材を使う以上、聖火をともす際の消防法上の制約をもっと意識していなければ、建築家として不自然です』と首をかしげる。(素人でも知っている基本的な常識をうっかり忘れていた不真面目な一流建築家などブラックジョークである)
2020年東京オリンピックですが組織のトップである森元総理を筆頭に関係する全員が、レベル7の核事故から9年目の日本国の東京で開催されるとは(口先の強気とは裏腹に)本心では誰一人も信じていないのである。(フクシマから2020年オリンピック会場である東京の距離が近すぎる)

Tells it like it is 『3月7日毎日新聞(大阪本社版)』

 
世界最大の核事故である2011年3月11日の福島第一原発事故発生から5年目を目前にして、先月末ごろから明らかにマスコミの報道姿勢が大きく変わっている。
3月7日付け毎日新聞(大阪本社版)ですが、新聞の顔ともいうべき第1面の一番大きな見出しが『廃炉 細る担い手』であり、この記事のサブタイトルが『被曝懸念 若者集まらず』。
第2面にある毎日新聞の社説風のコラム『風知草』では安倍晋三首相に最も近い政治記者として有名な山田孝男が先週の東電旧経営陣3人の業務上過失致死罪での強制起訴を、『原発体制の暗部に気づき、光を求める常識の声に違いない』と高く評価している。(業務上過失致死罪の時効である5年が目の前に迫っている)
3面は1面からの続きの『F1にはもう入らない』との大きな見出しの続きが『ベテラン引退進む』、『作業員確保 綱渡り』、『東電18年以降「予測不能」』と広告欄以外は1ページ丸ごとすべてがフクシマの深刻な現状を伝えるものだった。
放射能事故では被曝の上限値の関係で人材は『使い捨て』になるが、フクシマでは5年が経過して原発作業員の確保がもう限界に達しているのである。

『5年間もかかったが、真実が少しづつ語られだしたフクシマ』

4面はオピニオン欄で『「自粛の動きがある」深刻な訴え続々』『電波停止発言 TVの現場』とテレビ限定の話として逃げているが、政府権力による報道投影の問題では、本当に告発したいのは自分自身(新聞報道)の自主規制であると思われる。
小泉純一郎の派遣労働の解禁で起きた大都市の公園や河川敷でのホームレスのテント村の蔓延が一時は大問題になっていた。
ところが、なんとフクシマから5年後の現在では『大増殖』していたブルーシートのテントがすべてが消滅している。ホームレス(解雇された派遣社員)のような低質な労働力はよほどのことか無いと一般企業は雇わない。しかし放射能汚染の危険性が高いフクシマの現場作業員だけは例外だった。福島第一原発の作業員の枯渇とホームレスのテント村の消滅はコインの裏表の関係にある。
ところがフクシマの作業員の人材不足は報じても、今回の毎日新聞記事でもブルーシートのテント村消滅の驚くべき事実の方はやはり自主規制して報じていない。



『NHKスペシャル「被曝の森」(3月6日) 20年遅れで発覚した恐怖の放射能汚染』

二酸化トリウムコロイドを主剤とするX線 造影剤トロトラストは、わが国では広島、長崎の原爆に次ぐ大規模な放射線による健康障害をもたらした。体内に注入されたトロトラストは肝臓や骨髄などに沈着しα線を長年月にわたって放出する。数十年経過後、肝がん、肝硬変や白血病を発症し、死亡率も高いことが明らかにされている。
しかし今トロトラストを問題にする医学関係者は誰もいない。
2016年3月6日(日曜日)に放送されたNHKスペシャル『被曝の森』がひどすぎる。
安倍晋三のお友達の籾井NHKと福島県、福島医大の極悪無責任トリオで作ったらしい ゴールデンタイムの夜9時から1時間の『被曝の森』ですが、、今までNHKなどマスコミが流し続けていた『放射能は安全・安心。何の心配もない』の延長線上の極悪無責任プロパガンダである。
NHKでは『人のいない町に野性動物が激増した』、『野性動物の染色体レベルまで調べても今のところ異常は見つからない』、『チェルノブイリとの比較をするも、放射線量に大きな違いが再確認出来た』(だからフクシマは安全だ)と強弁する始末。
これでは『被曝の森』じゃなくて、『どうぶつの森』(自然の楽園)である。
放射能安全神話を再確認してチャンチャンで終わるかと思ったら、なんと1時間番組の終わりに唐突に、今では問題にする医学関係者が誰もいないトロトラストを実物の写真付きで報道したから驚いた。
当該NHKスペシャルでは『日本ではX線の造影剤として広く使われていたが、20年後には肝臓がんになることが分かり使用禁止になる』と断定しているが、これでは2歳の時に『黒い雨』を浴びて被爆したが健康に成長していた佐々木禎子さんが敗戦10年後の1955年に急に白血病で死亡した、ヒロシマ平和公園の折鶴と少女の像と同じ話である。

『何故か薬剤被害「トロトラスト」を唐突に持ち出したNスペ』

トロトラストはドイツのHeyden社によって生産され造影剤だが、X線検査で血管内に注入されるとその大部分は短期間に脾臓、肝臓、骨髄などに沈着し、ほとんど排出されない。そのためトリウムから放出されるα線によって、晩発障害(悪性腫瘍発生、白血病など)を起した。
ただし広く使用されたのは1930年代から1940年代(日本では大日本帝国時代の1932-1945年)であり、現在では使用されていないので今の日本人にとってはまったく無関係である。当該のNHK番組では『敗戦前の大日本帝国の話だ』とは一言も触れず黙っていたので、日本人の普通の視聴者は全員『今の話』だと勘違いする。
フクシマから5年目の2016年3月6日のNHKスペシャルで、何故20年遅れで発覚した放射能汚染による薬剤被害であるトロトラストを、場違いなフクシマの『被曝の森』で唐突に言い出したのだろうか。
NHKですが何故か時間も比率も言わなかったので、当該X線造影剤を投与されたら『全員が20年後に肝臓がんになる』と受け取ってしまうような恐怖を極限まで煽る何とも不親切な報道内容だった。
(フクシマから4か月後の2011年7月27日衆議院厚生労働委員会で児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長が内部被爆の専門家としてチェルノブイリでの調査に付随して、放射性物質を使ったドイツ製造影剤による20年後の肝臓ガンと白血病の発症が25%と説明している)

『今までは挙国一致で「フクシマの小児甲状腺がん」を必死になって隠していたのに、・・・  』

世界最大の核事故である2011年3月11日の福島第一原発事故発生から5年目を目前にした3月7日付け毎日新聞(大阪本社版)の第1面が『廃炉 細る担い手』、『被曝懸念 若者集まらず』だった。
ところが、同じ日付の『東日本大震災5年』との1ページを使った特集記事ではズバリ『福島 甲状腺検査』『子のがん「多発」見解二分』である。
同じく社会面のトップは『福島の子 甲状腺がん多発』、『「被曝の影響 解明を」』、『国際学会 政府に要求』となっている。
今までマスコミは挙国一致で必死になって、小児甲状腺がんが多発している明確な事実を隠していた。
ところが、とうとう『子供のがん多発』とのマスコミ報道が始まった。5年目直前で突然『風向き』が大きく変わったのである。

『とうとう主要マスコミで始まった「子供のがん多発」との驚愕の報道』

この『逝きし世の面影』ブログでは以前から、大論争をしている風を装っている岡山大学の津田教授も福島検討委(福島医大)の鈴木真一教授も、『元』になっている数字(福島県の小児甲状腺がんは他県の数十倍)には少しも違いが無い。まったく『同一である』、両者の論争は八百長の出来レース(グルであり、違いは放射能の影響を認めるか、それとも認めないかだけ)と主張していた。
ところが、他には誰も『逝きし世の面影』と同じ主張がない不思議。
今までマスコミでは挙国一致の大本営発表で、善良な一般市民を間違い誘導するように『事実』を有耶無耶にして誤魔化していた。
福島県検委自身が、『福島県の小児甲状腺がんは他県の数十倍』だと1年も前から認めている。ところがマスコミが真面目に報道しないので、この『明確な事実』を誰も知らない。
何とも情けない話だが知性がある筈の護憲派知識人も極悪マスコミに影響されたのか『全員が騙されていた』。あるいは『真実が余りにも怖いので、自分から進んで騙されるいた』のである。
ところが今回3月7日の毎日新聞ではやっと大手マスコミとして正式に、『矢張り福島県の小児甲状腺がんは他県の数十倍だった』と認めている。
日本国全体の風向きが、とうとう『大きく変わった』(やっと5年が経って、いよいよ放射能被害が本格化する時期に来たので真実を少しずつ出す心算になった)のであろう。たぶん最後の局面(想像を絶するカタストロフ)が目前に迫っているのである。
 

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2 コメント

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被曝の森 生命に何が起きているのか (来たよー)
2016-03-13 23:28:49
参考までにですが、2015年6月初旬にNHKで、生命に何が起きているのか~阿武隈山地・科学者たちの挑戦、という番組が放送されており、淡水魚に放射性セシウムの蓄積量と相関のある症状が見られるとの研究があるようです。
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日本の敗戦を密かにほのめかすマスコミ (宗純)
2016-03-19 16:03:06
来たよーさん、コメント有難うございます。

1年以上前から、政府やマスコミですが実は玉音放送の予行御演習を行っているのですが、困ったことに誰もその事実を認めたくない。
小児甲状腺がんの爆発的発症で一億総現実逃避に走る日本
2015年09月01日 | 政治
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/34cead91912f2028f9b0f4883844467e
毎日新聞ですが、戦後70年を迎えるのを機に、1945年8月15日前後に発行した毎日新聞紙面3カ月分を写真撮影し、デジタルアーカイブ化したと2015年7月7日に報じるが、
この時に、もっと恐ろしいことが密かに報じられていたのです。
1945年8月15日直前の毎日新聞朝刊1面を書いた、2015年8月31日の毎日新聞朝刊が恐ろしい。
8月10日に日本はボツダム宣言受諾(無条件降服)を連合国に伝えた。
ところが、国民に対しては『受諾』は機密扱いで、8月15日まで新聞は(表面的には)以前徹底抗戦の声しか報じていなかった。
マスコミを検閲する内務省は8月12日『新情勢に対応する言論出版取締り標準』を発表し、毎日新聞は12日~15日の三日間内務省の方針に忠実に従って、日本の敗戦を国民に隠しつつ、同時に『終戦をほのめかす』との摩訶不思議なキメラ獣かヤヌス神の様な態度(二面作戦?)をとっていた。
表面的には徹底抗戦に見えるが、実は敗北宣言になっている政治的『騙し絵』の世界である。
日本の敗戦が決定している(ボツダム宣言受諾を連合国に通告している)事実を全員が知っているにもかかわらず、マスコミは最後の最後の瞬間まで国民に対し真実を隠し続けていた。
70年後の今もまったく同じで、
福島第一原発事故で放射能被害が甚大で、到底除染で誤魔化せる段階で無いことを全員が熟知しているのだが、爆発的に発症数が増える小児甲状腺がんの被害は曖昧にほのめかすだけ。
公の報道では逆に不可能であることが分かりきっている『除染して全員帰還』とか『2020年東京オリンピック開催』の夢物語を真面目な顔で語っている。
この、敗戦をそれとなく、ほのめかすだけ作戦ですが、いよいよ最後の玉音放送に突入しそうです。
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