逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

Tells it like it is 5年かかって真実が少しづつ語られだしたフクシマ

2016年03月06日 | 放射能と情報操作
汚染水の貯蔵タンクが並ぶ東京電力福島第1原発=2月19日、本社ヘリから喜屋武真之介撮影(毎日新聞2016年3月4日)

『フクシマの核事故から5年ぶりに、とうとう「本当のことを言った」毎日新聞の記者の目』 

『5年もかかったが、やっとチェルノブイリをしのぐ「世界最悪の事故」だと認めたフクシマの現実』

『記者の目』 東日本大震災5年 福島、廃炉への課題=鳥井真平(東京科学環境部)毎日新聞2016年3月4日では、『東電への信頼が不可欠』とか、『浄化汚染水増え、海洋放出の選択』、『不誠実な態度に作業員らは反発』などのサブタイトルが付いているが、基本的に見出しと記事の中身が別々であり支離滅裂。
『記者の目』なのに、記者として『何が言いたいのか』が幾ら読んでもサッパリ分からない不思議な記事なのですが、 なんと、今回日本国内の大手マスコミの報道としては初めて(何気なく?)『世界最悪』の事故であったことを認めている。
2011年3月11日のフクシマの核事故ですが、同じレベル7だった1986年のチェルノブイリよりも遥かに大きい『世界最悪の事故』が発生していたのである。
今まで発表されている福島県検討委の小児甲状腺がんのスクリーニング検査の結果はチェルノブイリ事故後の同時期のベラルーシに比べて数十倍も悪い。未曾有のレベル7の核事故の発生では出来る限り、1日でも早い汚染地域からの全住民の退避は避けられないが、それを日本政府は5年間もサボっていたのである。
何とか5年間だけは『安全・安心。心配ない』との挙国一致の大本営発表で隠し続けていた。ところが、5年間が経過して大政翼賛会による隠蔽工作がもう限界に達していることは明らか。

今回の毎日新聞記者の署名入り記事で特筆すべき『大事件』とは

『溶けた核燃料を冷やすため原子炉に水を注入すれば、その分だけ汚染水が生まれるジレンマは、事故当時も現在も変わっていない。 』
と、増え続ける高濃度の放射能汚染水の原因が、実は3・11フクシマ核事故から現在まで5年間も続いている東電による原子炉圧力容器への冷却水の注入である事実を、今回大手のマスコミとして初めて認めたことだろう。
★『汚染水』の正体は東電やマスコミが言う自然現象の『地下水』とは無関係で、実は人工的な『原子炉の冷却水』である事実は、この『逝きし世の面影』では何度も指摘している。
ところがマスコミとしてハッキリと認めたのは今回の毎日新聞の記事が初めてだった。
ただし。このトンデモナイ事実の暴露の前後は矢張り何時もの『赤いニシン』(間違いに誘導する偽の手がかり)である『地下水の流入云々』を長々と書いていて、全体として意味不明の文章になっている。毎日新聞としては爆弾報道(極限まで劣化した71年遅れの玉音放送)の衝撃を少しでも弱め様として必死なのである。
しかし、原子力規制委員会の田中俊一委員長ですが今後の見通しについて、『いずれ破綻する』と明確に断定している。

『1日半で冷温停止状態になった緊急停止の福井県の高浜原発4号基』 

『フクシマの1~3号基は5年経った今も冷温停止していない』

発送電開始の作業中、原子炉が緊急停止するトラブルがあった関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)出力87万キロワットは2日午前、冷却水が低温に保たれ原子炉が安定的な状態となる冷温停止に移行した。
関電によると、1日夜から原子炉の温度や圧力を下げ始め、2日午前8時45分に1次冷却水の温度が93度以下の冷温停止になった。
4号機は2月26日に再稼働したが、29日午後2時1分に送電線側から発電機側に設定値を超える電流が流れたため、原子炉が緊急停止していた。
今回緊急停止した関西電力の高浜4号基は1日半で冷温停止状態になった。
ところが、3・11大震災の地震の揺れで緊急停止した東京電力のフクシマの1~3号基は5年経った今も少しも冷温停止していない。安定状態になっていないのである。
フクシマでは現在でも5年前と同じ量の原子炉一基当たり1時間7トンもの冷却水をメルトダウンして空っぽだと判明している原子炉圧力容器に注入して冷やし続けて大量の高濃度放射能汚染水を造り続けている。
この不思議の原因ですが、たぶんマスコミに発表されていないだけで『核燃料デブリの温度が極めて高いまま』なので東電は仕方なく大量の水で冷却していると思われる。
今のフクシマですが、大爆発した5年前と同じ『とんでもなく危険な状態』が延々と続いていたのである。(ロシアのスプートニクはフクシマを永久凍土で制御しようとしていると報じている)

今回3月4日付け毎日新聞の署名入り記事では、

『溶けた核燃料を冷やすため原子炉に水を注入すれば、その分だけ汚染水が生まれるジレンマは、事故当時も現在も変わっていない。 』

とハッキリと書いてあるが、そもそも『溶けた核燃料を冷やすため原子炉に水を注入』している原因として考えられる唯一の推論とは、メルトダウンして原発の地下に落下した超高温の核燃料デブリですが、『5年たった今でも少しも冷えていない』のである。
あまりにも怖ろしい話なので、それで、東電とか経産省は仕方なくフクシマの敷地全体を『シベリアの永久凍土にする』とのトンデモナイ構想を考え付いたが、これに原発の専門家集団である田中委員長などの原子力規制委員会が頑強に反対しているが、東電も規制委も、どちらも同じで溶け落ちた大量の核燃料デブリの現状がさっぱり分からない。
これはもう駄目です。実は5年目に終わっていたのである。
今の政府やマスコミは言うに及ばず、最左翼の日本共産党さえ小児甲状腺がんとか、住民の疎開に対してまったく同じ態度で何とも消極的で不熱心。不真面目に見えるのですが、実は全員が『それどころではない』(余裕が全くない)。我々が想像しているよりも、もっとフクシマの危険性が高いのかも知れません。(今までの核燃料の崩壊熱の説明だけでは到底辻褄が合っていない)

『震災特番だった関口宏のサンデーモーニング 2016年3月6日放送回 』

TBS系列(JNN)で、毎週日曜日の朝に放送されている関口宏司会の情報番組サンデーモーニングでは報道系ワイドショーとしては珍しく『各界の有識者の意見を聞く』との体裁をとっている。
3月6日放送では震災特番として何時もとは時間割が違っていてニュースやスポーツの紹介は早めに切り上げて大爆発から5年が経過したフクシマの現状を伝えていたのですが、2日前の3月4日の毎日新聞『記者の目』でマスコミとして初めて認めた『事故当時から現在まで、原子炉に水を注入して汚染水が生まれれている。 』トンデモナイ事実を、さりげなく紹介していた。
インチキ臭い嘘八百の『汚染水対策としての凍土遮水壁』については今までと同じ内容の報道だった。
ところが、凍土壁の放送の直後に原子力規制委員会の田中俊一委員長が『凍土壁には何の関心もない』と語る場面を注入することで、今までの東電とか経産省(エネルギー庁)の『真っ赤な嘘』の公式発表を丸ごと否定していたのである。
原子炉地下に落下した核燃料デブリについても原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長代理が『取り出さない』(取り出せない)ことを示唆する発言を入れることで、今までの東電や政府(経産省)の40年廃炉の夢物語を打ち砕いていた。
マスコミの報道姿勢ですが、5年目の節目を目前にして、はっきりと流れが変わったのである。



『政府機関の地方移転(2015/09/20 )共同通信』フクシマ放射能被害(避難)で、やむをえない遷都

政府機関の地方移転に関しては、『国会対応や他省庁との調整といった業務に支障が出る』などを主な理由として、対象とされた省庁側から反発の声が上がっているというが当然である。
なにも大宰府(福岡市)長官に指名された菅原道真の故事を出さなくても、中央のキャリア官僚が地方に飛ばされて(左遷されて)喜ぶものは一人もいない。
共同通信によれば、『政府は移転の実現に向けた作業を本格化させているが、着地点は見えない。』とあるが、フクシマをタブーにするから意味が不明になるが、逆に未曾有の世界最大規模の福島第一原発事故の対策(放射能被害からの避難で、やむをえない遷都)と見ればすべてが辻褄が合ってくる。
•文化庁⇒京都府
•消費者庁⇒徳島県
•総務省統計局⇒和歌山県
•観光庁⇒北海道・兵庫県
•中小企業庁⇒大阪府
•特許庁⇒大阪府・長野県
•気象庁⇒三重
と見事にフクシマの放射能汚染地域を避けて関西地域ににシフトしているのである。
フクシマと同じレベル7のチェルノブイリ原発事故では、大爆発は1986年4月26日。その5年8ヶ月後の1991年12月25日にソ連が崩壊している。(2011年3月11日から5年8ヶ月なら2016年11月11日になる)
ちなみに必ずオリンピック開催年に行われる今年の第45代アメリカ合衆国大統領選挙は2016年11月8日が投票日である。(2017年1月20日が大統領就任式)
今回のアメリカ大統領選挙では誰が選ばれても『史上初めての○○』との形容詞が付くが、2016年末から来年にかけて日本もアメリカも前代未聞大騒動が起き大混乱に陥りそうである。(少し前に石油大手のシェルがシェール事業から撤退を決めたばかりだが、アメリカのシェールの父と呼ばれていた人物が自殺する。大量のジャンク債を発行していたシェール事業ですがネズミ講とサラ金が合体したような金融詐欺のサブプライムローンと同じ構造であり、今後必ず破綻が約束されているが、本当に破綻すればリーマンショック以上の金融危機が世界を襲う)



コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Tells it like it is | トップ | 少しづつ語られだしたフクシ... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
文化庁が京都府へ? (太田)
2016-03-06 14:02:00
http://on-linetrpgsite.sakura.ne.jp/gofuku/post_381.html
気象庁が三重県、文化庁が京都府、観光庁が北海道に移転する案があるそうです。

前の日中・太平洋戦争も、何故始まったのか、
なぜ敗戦したのか日本の知識人達はついに結論を出さなかった。
まるで戦争を地震か台風のような「天災」かの様に感じて、日本帝国が無謀・戦略性皆無な戦線拡大を続けた謎についに迫らなかった。
今回も、「何故か分からない」まま日本国の異常な破滅への道のりを、無抵抗に国民は受け入れるのでしょう。
返信する
「文化庁が京都府へ」はマスコミも報道するが、 (宗純)
2016-03-06 15:48:28
太田さん、コメント有難うございます。

何故かマスコミはこの中央省庁移転の話をしたくないらしいのです。
確かに通信社は書いているが、一般の新聞社の方は何かを恐れているのか及び腰。
「文化庁が京都府へ」はマスコミも報道しているのですが、それ以外の『気象庁が三重県、文化庁が京都府、観光庁が北海道に移転する案』は報じない。
徳島県の消費者庁の移転では、共産党までが業務に支障が出るとか効率が落ちろとか言って反対している有様。
極最近、徳島に行く用事があり、地元の人に『徳島に消費者庁』との話をしたら誰も知らないのです。
この中央官庁の地方移転ですが、これは災害時の非常事態宣言を同じで、政府中枢(安倍晋三)だけが暴走しているらしいのですよ。恐ろしい話です。
矢張り、フクシマが危ないのでしょう。
2020年東京オリンピックなど夢のまた夢。
白紙撤回されて、再度決定された国立競技場ですが、
今回の設計で決まった木造の屋根では聖火の点火式が燃え移る心配があり出来ないらしいのですから無茶苦茶。
聖火のないオリンピックなど笑い話のもなりません。やはり最初から無理だと森元総理は知っていたのでしょう。
返信する
地下水 (ちくわ)
2016-03-06 16:27:48
自分は核燃料が床をぶち抜いて、そこから井戸のように地下水が湧きだしているのだと思っていましたが、ちょっと見方を変える必要があるのかも知れません。
返信する
3月10日の毎日新聞の東日本大震災5年、汚染水対策の取り組み (宗純)
2016-03-10 15:38:42
ちくわさん、コメント有難うございます。

毎日新聞ですが、1ページを丸々使ってフクシマの汚染水問題と取り上げているのですが、・・・
とんでもないことを書いているのですよ。驚くやら腹が立つやら。
塩崎補佐官の『法的安定性は関係ない』ではないが、
マスコミとしては今まで何回も断定的に報道していた事柄に対しては一定の責任がある。
今までと明らかに矛盾した内容の場合、『新しく分かった事実によれば』との但し書きというか、説明が絶対に必要になるが、
これ等を一切無視して、
(今まで、マスコミが一回も言わなかったことを)さらっと、さも(誰でも知っている)既定の事実であったかのごとく、さりげなく書いている。
今までのマスコミ報道では、何もちくわさんでなくても誰でも、
『核燃料が床をぶち抜いて、そこから井戸のように地下水が湧きだしている』と思ってしまうが、
これは、まるっきりの勘違いらしいのですから怖ろしい。
毎日新聞の特集記事の上半分は、図形とか表なのですが、そこに大きな活字で
『原子炉の冷却を空冷に切り替え汚染水の発生を抑止できるか?』
と何の説明もなく書いてあるが、これに関連する文章が何処にもない。まるっきり唐突に出てくるのですから怖ろしい。
また、新聞の小見出しには全くないのに、
『1号機には冷却装置『非常用復水器』(IC)があったが作動せず、同12日午後3時36分に水素爆発した』。
と唐突に書いている。
ICですが、電源を必要とせず、かつ自動的に起動するので作業員の過失とか全電源喪失(ブラックアウト)とも無関係なのすが、ICが動いたか、それとも動かなかったかは、原発事故の原因調査では最大の論点なのですよ。
ところが今回の毎日新聞では、
『事故の経過や原因について政府、国会、東電、民間の四つの報告書がまとまったが、1号機のICが作動しなかった経過などについて見解が分かれた。』
と書いている。
余りにも腹が立つ。
見解が分かれたのは、『作動しなかった経過』などではない。
作動したか、それとも作動しなかったかで見解が分かれていたのですよ。
そもそもフクシマのレベル7の核事故の原因は全電源喪失(ブラックアウト)だと、マスコミとか政府とか東電とか全員が一致団結しているのですが、ICが動いた2号機3号機では、2日も爆発が遅い。
1号機のICが動かなかった疑いが濃厚なのですが、これを認めると色々な矛盾が一気に噴き出して来て、収拾がつかなくなるのです。

返信する

コメントを投稿

放射能と情報操作」カテゴリの最新記事