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逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

続、米国の食肉産業とBSE(アメリカの真実)

2008年05月07日 | 経済

『老年期認知症』

日本では以前は、老年期認知症のほとんどを脳血管性認知症が占めていましたが、最近ではアルツハイマー型老年認知症の比率が増え、今ではその比率はアルツハイマー型が脳血管性を上回ったといいます。
アメリカでは以前から、脳血管性認知症よりもアルツハイマー病が多発していて、アメリカ国内でのアルツハイマー患者は、なんと450万人を超え、アメリカ人の85歳以上の2人に1人がアルツハイマーを疑われている
その症状は、ヤコブ病にきわめて酷似している。
「震え」「記憶障害」「運動失調」など。アルツハイマー患者も、やはり脳が崩壊して異様に萎縮していく症状を見せるが、狂牛病(プリオン病)にそっくりだ。脳の大きさや重量が半分にまで縮んで、痴呆状態は重症化し、衰弱死していく。
米アルツハイマー病協会などの推定では、1975年は約50万人だったアルツハイマー病患者数が、 2005年は約450万人になっている。
アルツハイマー病の発症原因は、患者の高齢化など色々説明されていますが、基本的には病原が不明で、治療法も確立していません。

日本は高齢化が進行しているが、それ程高齢化していないアメリカで、この急激な患者数の増加は「高齢化」だけで説明できない。


『アルツハイマー病とヤコブ病』

BSEの症状は、アルツハイマーや若年性痴呆、弧発型ヤコブ病と似ており、 そう診断された中に変異型ヤコブ病(BSE)の患者がいる可能性はあるでしょう。
正確に変異型ヤコブ病(BSE)と診断するには、脳の生検か死亡後に患者の脳の病理解剖をするしかない。
アメリカのイエール大学の神経病理学、外科部門の主任、ローラ・マヌリディス教授のチームの研究では、アルツハイマー症で死亡した患者46人の解剖検査を行なったところ、そのうちの6人は、狂牛病だった。
ピッツバーグ大学が、老年性痴呆症で死亡した患者55人の解剖検査を行なったところ、そのうちの3人が狂牛病だったってことが判明。
この記事は後追い記事が無い。しかし、否定する記事もその後で出て来ない。
アメリカのアルツハイマー患者数は何年急激に増加して30年で十倍に増えていますが、何らかの理由が存在するはずです。

アルツハイマーの10数%が狂牛病である可能性が指摘されていますが、アメリカ政府には真相を解明する責任が有るでしょう。(恐ろし過ぎて調べられないのか?)


『数十年後にアスベスト病』

異常プリオン問題と良く似た話に、石綿問題が有ります。石綿加工業の労働者に肺疾患が多発するのは大昔から知られていました。
欧米では危険性が判り、1970年頃には使用禁止になったのに、日本では其の頃から建築ブームにのって石綿(アスベスト)が大量輸入されだすのです。

スティーブ・マックイーンが80年にアスベストが原因の肺気腫で死亡する。
石綿の曝露が、昔着用していた耐火レーシングスーツ説と、若い頃の軍の艦艇で被爆したのが原因という説が有ります。
船は水の上に浮かんでいるが、海上で一番怖いのは火災で、攻撃される可能性が有る戦闘艦船は大量の石綿が使用されていた。

86年に、軍事機密の塊の、空母ミッドウエーの大改修が、本国以外の日本の横須賀ドックで初めて行われましたが、理由は当時のアメリカではアスベスト問題で改修修理が出来なかった。
此れから日本では石綿で数十年で10万人以上が死亡する予定。
BSEでは数十年後にいったい何十万人の日本人が死ぬ予定なのでしょうか。?

日本では牛肉は高級食材ですが、アメリカで大量生産、大量消費される牛肉は貧民に対する救難食料(炊き出し)との説がある。
不法移民などの低賃金労働者によって作られる牛肉は、台風カトリーヌの被災者に提供される炊き出し食料と同等の扱いとも言われている。
もしも日本並みに安全性を高めれば当然コストに跳ね返り、貧民が食えなくなり、飢えたアメリカの貧民は間違いなく暴動を起こす。
日本の当然の安全要求を、アメリカは当然(絶対)拒否する。


『アメリカの輸出業者』

アメリカで消費される食肉は、30ヶ月未満の若牛の赤み肉中心で、日本への輸出用とは業者が違うようです。
勿論、国内消費用業者が多数で、日本向けの食肉業者は少数。
いま日本向け食肉業者は本当に困っている。
日本での消費を増やしたい日本向け食肉業者は、消費者の信頼を得る為BSE検査の為の機器を独自で購入し、業者負担で全頭検査を実施しょうとしていますが、アメリカ農務省の許可がおりない。

理由が何とも不可解。
曰く、『日本人向けだけ検査は許さない。』
これ、だれか、理解できますか。?
費用も設備も業者負担で、客(日本人)の不安感を払拭でき、アメリカ産牛肉のブランドイメージを高められる。(白が証明された場合)
アメリカの業者も日本の消費者も喜ぶこと請け合いで、困るのはアメリカ農務省唯一人。?
農務省の言い分は、輸出用を全頭検査すれば国内用も検査をしなければならなくなるから。

この農務省の言い分は、無茶苦茶ですよ。
日本向けの全頭検査は、いま是非とも必要な緊急課題で、国内の全頭検査は将来(アメリカ人の安全意識が高まれば)ひょっとしたら起こるかも知れない未知の課題である。
将来起こるかもしれない「不確かな問題」を盾にして、今起こっている『現実の緊急問題』を無視するアメリカ農務省。???

現在、アメリカ産牛肉は、アメリカの食肉業者の目から見れば実質的には『禁輸状態』なんですよ。
現状で、アメリカ農務省の言うように月齢規制を撤廃すれば、米国産牛肉消費量が今より減る事は確実に予想される。
アメリカ産の牛肉は『完全禁輸』と同じ状態になり、日本向け食肉業者にとっては致命的な結果を招く。


『圧力団体』

日本と違い、アメリカの食肉畜産業界は強力な圧力団体で、アメリカ農務省の日本政府に対する圧力はこの業者団体からの圧力ともいえる。
今のアメリカ産牛肉輸入量は月2千トンの極少量で、貿易全体から見れば実質的には禁輸状態である。
農務省の規制緩和要求は『日本向け業者』を助けるどころか、首を絞める結果となっている。
30ヶ月への規制緩和は、純粋に国内向けパフォーマンスで、日本の消費者のことも日本向け食肉業者のことも眼中に無い。
農務省はアメリカ人に『衛生や安全にうるさい日本人でも食べているアメリカ牛』というレッテルが欲しいだけで、日本人に食べてもらう努力は、とうの昔に諦めている。

たぶん。やはりアメリカで全頭検査すると、とんでもないことが発覚するんですよ。
検査しないんじゃなくて、検査できないんですよ。
検査費用を製品に上乗せしても極小額で影響は無い。
業者が負担しても、その分消費が増えれば、かえって儲かる。
宣伝広告費用と思えば、費用対効果で反対に安上がりでさえある。

狂牛病、アルツハイマー混同説は、食肉業者にとっては『悪質な営業妨害』で、見過ごしには出来ない。はずだ。
完膚なきまでに徹底的に叩いて、消費者の誤解を解いておく必要がある。はずだ。
混同説のローラ・マヌリディス教授は、ウイルス説を唱えている人だとすると、叩きやすい相手のはずなんですがねえ~。
下手に叩いて、論争になることを回避していると見るのが妥当な判断でしょう。
論争になったらとんでもないことが発覚するんですよ。


『あくまでも国内向け』

『規制緩和』の農務省の日本政府に対する要求は、日本に対する要求の体裁をとってはいるが、まったくの偽装ですね。
あれは、アメリカ市民向けの安全宣言にしかすぎません。

アメリカの食肉産業は、本来輸出用には出来ていません。
アメリカの産業構造の実態が(食肉に限らず)輸出に対する依存度が極端に低い構造になっています。
日本人全体のアメリカに対する、根本的な認識が間違っています。


『食肉輸出をしたくないアメリカ』

4月24日の記事『続、消費税に隠された悪魔のカラクリ「貿易立国の嘘」 』
でも指摘しましたが、貿易総額は多くても、アメリカや日本は世界でも珍しい貿易(輸出)依存度が極端に低い国です。
理由は、人口が多く、分母となるGDPや国民消費が十分に大きいからです。

この記事は、アメリカの食肉産業の問題点を指摘して、日本人の陥りやすい盲点を考えていこうとしています。
アメリカにとっての食肉は、農業の四分の一を占める一大産業で、食肉業界の政界に対する影響力は侮れない。
アメリカ農務省は、食肉業界の言い分を、鸚鵡返しに日本政府に対して主張しているわけです。

しかし、アメリカ自身の食肉の自給率は97%で牛肉を豪州やカナダから輸入して帳尻を合わしているんですよ。
アメリカ農業は最も国際競争力の高い部門で食肉だけでも5兆円産業で農業分野では最大です。
しかし国内自給ができていないで輸入に頼っている。
だから、日本に輸出するのは、輸出そのものが目的ではなく
『日本にも輸出している』と言うブランドイメージの為の宣伝、広報活動が目的ですね。



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4 コメント

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TB有り難うございます (早雲)
2008-05-07 12:07:19
狂牛病飼料規制強化は実行不能
sun.ap.teacup.com/souun/135.html
潜伏期間は50年? vCJD
sun.ap.teacup.com/souun/115.html
BSE問題 「ピッシング」て知ってますか?
sun.ap.teacup.com/souun/112.html
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アルツハイマー病は…… (kaetzchen)
2008-05-07 13:10:26
まだ分からないことが多いので,直接的にプリオン説によるヤコブ病とくっつけるのは危険です.

確かに病原体としてのプリオンをたっぷり含んだ牛肉ばかり食っているアメリカ人なら,ヤコブ病に罹り,それをアルツハイマー病と医師が誤診する可能性は非常に高いと考えられます.同様に,アメリカ産牛肉ばかりを食べている第三世界のブルジョア階級もヤコブ病に罹る可能性が非常に高いとも言えます.

つまり,医師に対して「誤診」を勧める奨学金などの圧力がかかってくるのは当然であろう.アメリカへ留学したい上昇志向の強い医師は当然,そういった「誤診」への誘いに乗ってしまうであろう.私もそうやってアメリカに都合の良いデータをでっちあげてアメリカへ行った仲間を何人か知っている.アメリカの科学は演繹法さえ満たしていれば通ってしまういい加減なものだからだ(笑)

しかし,ウシの畜産ないし加工が農業の4分の1となると,飼料の確保が一番の争点となる.飼料の多数はトウモロコシを用いており,その次が牧草である.ここで出てくるのが「遺伝子組換え」トウモロコシだ.つまり,でかくて多数の実がなるトウモロコシを作らないと,飼料が足りなくなるのだ.それでも足りなくなったので,ウシの骨などの解体で出たゴミを粉にしてエサに混ぜている.と,考えると,どうしてプリオンが出来たのかという分子生物学的な謎解きも出てくるのではないだろうか.
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トラックバック (えあしゃ)
2008-05-08 00:04:24
こんにちは。
トラックバックですが、関連記事に付けていただけますか。よろしくお願い致します。
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コメント有難うがでいます (ブログ主)
2008-05-08 10:43:54
早雲さん。
アメリカの畜産の現状や現場の実体を、一般市民は余り知らさてれてはいない。
公開化によって問題点を明らかにする必要が有るでしょう。

kaetzchenさん。
アルツハイマー病とヤコブ病はまったく違う病気ですが、症状的には似ており、厳密に判定する為には脳細胞の生検か死亡後に患者の脳の病理解剖をするしかないが、しかし誰もそんな事はしない。死後であっても人に対しては、やはり抵抗感がありすぎる。
此処は緊急にどうしても一回は、アメリカも日本と同じように、牛のBSE前頭検査は絶対に必要ですよ。


えあしゃさん。
トラックバックの件了解しました。以後注意いたします。今後とも宜しく御願いいたします。
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