逝きし世の面影

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公式発表の100倍?だった総放出量(少なくともチェルノブイリの2〜5倍)

2016年03月23日 | 放射能と情報操作
『原発の事故後、甲状腺癌が予想以上のペースで増えているのは放出された放射性物質が多かったから』2016.03.16 櫻井ジャーナル

2011年3月11日に東電福島第一原発が事故を起こした後に福島県で甲状腺癌が増えているとする報告は少なくない。岡山大学の津田敏秀教授が発表した論文やテレビ朝日の報道ステーションによる報道だけではない。昨年5月18日に開かれた福島県県民健康調査検討委員会で配布された資料には次のような記述があることを、おしどりマコとケンのブログが伝えていた。
「平成23年(2011年=引用者)10月に開始した先行調査(一巡目の検査)においては、震災時福島県にお住まいで概ね18歳以下であった全県民を対象に実施し約30万人が受診、これまでに112人が甲状腺がんの「悪性ないし悪性疑い」と判定、このうち、99人が手術を受け、乳頭がん95人、低分化がん3人、良性結節1人という確定診断が得られている。[平成27年3月31日現在]
こうした検査結果に関しては、わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い。」
少なからぬ子どもがリンパ節転移などのために甲状腺の手術を受ける事態になっているのだが、原発事故の影響を否定したい人びとは「過剰診療」を主張。それに対し、手術を行っている福島県立医大の鈴木真一教授は「とらなくても良いものはとっていない」と反論している。
原発事故による影響はないという結論を維持するためには甲状腺癌が増えていることを否定しなければならず、そのためには過剰診療を主張するしかないということだろう。

(日本の全てのマスコミでは『数十倍多い』が津田教授の独自見解であるかのごとく装うことで、読者を間違った方向に誘導するプロパガンダ報道を全員で実行している。このために多くの左翼知識人、有識者を含めて、ほぼ日本人の全員が今の日本国が置かれている現状を、『根本的に勘違いする』結果になっている。
ところが、事実は大違い。
実は、『数十倍多い小児甲状腺がん』は津田教授の独自の解釈どころか、福島県検討委や日本政府など全員一致の『公式見解』だったのである。
今回の『櫻井ジャーナル』も今までのマスメディアによる印象操作に影響されて、他と同じ『基本的な重大過ぎる勘違い』をしているが、検討委『日本政府』は今でも、『原発事故による影響はないという結論を維持』しているで、→『そのためには過剰診療を主張するしかない』のである。
確かに以前の検討委が『甲状腺癌が増えていることを否定』していた事実は明らか。ところが、『今は昔』。怖ろしいことに現在の福島県検討委は否定していない。
話は『櫻井ジャーナル』の結論とは逆さまで、真実はもっと恐ろしい。
今の検討委が『甲状腺癌が増えている』事実を認めたので、→『そのためには過剰診療を主張するしかない』のである。)


(フクシマの放射能「症候群」 「被害はない」ということを疑った瞬間に被害が現れる 極限の恐怖、ピーターパン神話シンドローム) 

黒田東彦日銀総裁を「ピーターパン」と揶揄する人が外国にはいる。黒田総裁の打ち出した「量的・質的金融緩和(異次元金融緩和)」が実体経済を好転させないことは明白で、「クレージー」と表現されていた。
それに対し、彼は反省するどころか「飛べるかどうか疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」と日銀主催の国際会議で語ったのだ。
原発事故でも「被害はない」ということを疑った瞬間に被害が現れる とでも思っているのだろうか?
患者数の増加はチェルノブイリ原発が事故を起こした後のパターンと似ているのだが、
増え方は激しい。 
事故後に放出された放射性物質の量を考えると、そうしたことは当然。
福島第一原発のケースの方が大幅に多かった可能性が高いのだ。

(福島県検討委は小児甲状腺がんが数十倍多い事実は認めているが、『チェルノブイリの10分の1だった放出された放射線量から見れば→がんの多発は原発事故とは無関係だ』と主張している。
ところが原因と結果の『因果関係』を検討委とは逆さまにして、『爆発的ながんの発症数から見れば→フクシマの放射線量はチェルノブイリの数倍から10倍だった』と考えた方が余程物事の辻褄が合っている。
なぜなら『小児癌の多発』は現実に福島県検討委が検査した実数であり絶対確実。ところが、『10分の1の放射線量』の方は未曾有の核事故を起こした当事者である東電の推測値である。
今までマスコミが大々的に喧伝していた『チェルノブイリの10分の1だった放出された放射線量』は第三者によって客観的に検証された数値ではなくて、今回『櫻井ジャーナル』が指摘するように、政府や東電が意識的に小さく間違った方向に、『数値を操作した』可能性が濃厚である)


(放射性物質の総量はチェルノブイリの1割ではなくて2〜5倍、あるいは6倍から10倍だった)

環境中に放出された放射性物質の総量は、1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故の1割程度にすぎない、あるいは約17%に相当すると発表されているが、算出の前提条件に問題があり、元原発技術者のアーニー・ガンダーセンは少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2〜5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している。(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)
放出量を算出する際、漏れた放射背物質は圧力抑制室(トーラス)(旧式の1号基ではサブレッションチェンバー)の水で99%を除去できるとされていたようだが、実際はメルトダウンで格納容器は破壊され、圧力は急上昇してトーラスへ気体と固体の混合物は噴出、そのスピードは爆発的で、水は吹き飛ばされたはずと指摘されている。
また燃料棒を溶かすほどの高温になっていたわけで、当然のことながら水は沸騰していたと推測されている。
いずれにしろ放射性物質を除去できるような状態ではなかったが、そもそも格納容器も破壊されていたようで、環境中へダイレクトに放射性物質は出ていたはず。
チェルノブイリ原発事故より放出された放射性物質の量は6倍から10倍に達するとも考えられる。
その後も放射性物質は止まらず、大気や太平洋を汚染しているとしか考えられない。

(10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていた 想像を絶する驚愕的な一般市民の被曝量)

そうした総放出量の評価はともかく、住民が大量被曝したことは間違いない。
原発の周辺の状況を徳田虎雄の息子で衆議院議員だった徳田毅は2011年4月17日、「オフィシャルブログ」(現在は削除されている)で次のように書いている:
「3月12日の1度目の水素爆発の際、2km離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。それは衣服や乗用車に付着した放射性物質により二次被曝するほどの高い数値だ。」
また、事故当時に双葉町の町長だった井戸川克隆は、心臓発作で死んだ多くの人を知っていると語っている。
セシウムは筋肉に集まるようだが、心臓は筋肉の塊。福島には急死する人が沢山いて、その中には若い人も含まれているとも主張、東電の従業員も死んでいるとしているのだが、そうした話を報道したのは外国のメディアだった。

原発の敷地内で働く労働者の状況も深刻なようで、相当数の死者が出ているという話が医療関係者から出ている。

敷地内で容態が悪化した作業員が現れるとすぐに敷地内から連れ出し、原発事故と無関係と言うようだ。
高線量の放射性物質を環境中へ放出し続けている福島第一原発で被曝しながら作業する労働者を確保することは容易でなく、ホームレスを拉致同然に連れてきていることも世界の人びとへ伝えられている。
だからこそ、作業員の募集に広域暴力団が介在してくるのだ。

放射能汚染の人体に対する影響が本格的に現れてくるのは被曝から20年から30年後。チェルノブイリ原発事故の場合は2006年から2016年のあたりからだと見られていたが、その前から深刻な報告されている。
ロシア科学アカデミー評議員のアレクセイ・V・ヤブロコフたちのグループがまとめた報告書『チェルノブイリ:大災害の人や環境に対する重大な影響』によると、1986年から2004年の期間に、事故が原因で死亡、あるいは生まれられなかった胎児は98万5000人に達する。癌や先天異常だけでなく、心臓病の急増や免疫力の低下が報告されている。
福島第一原発の事故による深刻な影響が早い段階から予想され、実際は予想を上回るペースで現れている。
こうした現実を見ようとせず、被害を少しでも減らす努力をすべきだと警鐘を鳴らす人びとを攻撃するマスコミの罪は重い。
2016.03.17 櫻井ジャーナル 

注、
( )内の太字の小見出しや書き足した太字の『補足説明』部分、本文中の赤字への変更での強調は当『逝きし世の面影』ブログ独自の判断。
今回紹介した3月17日付け『櫻井ジャーナル』の内容ですが、他の既存のマスメディアには決して書かれない種類の話だが、このブログでは過去に何回も何回も繰り返し取り上げている内容とほぼ同じだった。




『メルトダウンしていない(福島第一原発が健在)との超楽観論を前提とする推測だった「チェルノブイリの1割」との東電発表の数値』

日本中のマスコミに大々的に発表されたので今では『フクシマはチェルノブイリの1割程度だった』が、公式の『確定した数値』だと誤解している人が大部分である。
ところが、『環境に放出された放射性物質の総量は、福島第一原発はチェルノブイリの1割』は未曾有のレベル7の核事故を引き起こした張本人(A級戦犯)である東京電力が発表した、何の客観的な根拠もない推測値にすぎない。
決して『実測されてもの』では無いのである。
この『チェルノブイリの10分の1』との数値の根拠とされているのが、格納容器の圧力抑制室などの原発の放射能除去の既存設備がメルトダウン事故でも少しも損傷しておらず『99%を除去できる』として試算されたものだった。現在ではフクシマの格納容器が破壊されていて『99%の除去』が不可能だったことは明らかで、それなら放射性物質が除去されず生で出ていたとすれば東電の予測値の100倍になる。
5年前の2011年3月11日の福島第一原発事故では、1986年のチェルノブイリの10倍(今までのマスコミ発表の100倍)の放射能が放出されていたことになる。しかも直ぐに石棺で封じ込めたチェルノブイリとは大違いでフクシマは今でも猛烈な放射能を垂れ流し続けている。



『放射性物質の環境中への究極の大放出 最終手段「恐怖のドライベント」を実施した東京電力の吉田昌郎福島第一原発所長』

今まで日本政府(東電)は、フクシマの総放出量を算出する際、漏れた放射背物質は圧力抑制室(トーラス)(サブレッションチェンバー)の水で『99%を除去できる』から『実際の放出量は全放射性汚染物質の総量の1%程度だ』と主張していた。
ところがフクシマの核事故発生から5年目の、2016年3月13日放送のNHKスペッシャル『メルトダウン88時間』では圧力抑制室の水を通さずに福島第一原発の原子炉圧力容器から直接排泄する『ドライベントを行った』とはっきり断言していた。
NHKの当該番組内では、究極の最終手段である恐怖の『ドライベント』を実施すれば福島第一原発周辺の一般市民に『とんでもない放射能被害が出る』と何度も繰り返し強調していたのですから、なんとも怖ろしい。
今までの『放射能の99%は除去した』との政府発表の推測値は真っ赤な嘘で、実は東京電力はダイレクトに放射能汚染物質を100%生のままで、そのまま放出していたことは確実である。
(もしも『放射能の99%は除去した』が事実ではなく、2016年3月13日放送のNHKスペッシャルの『生のままのドライベント』が正しいとするなら、福島第一原発事故で放出された汚染物質の総量は今までの公式発表の100倍『チェルノブイリの10倍だった』とのとんでもない結論になる)


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2 コメント

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Unknown (コメット)
2016-03-24 11:21:52
「文化庁」が福島住民を捨て、京都に「スタコラ」逃げるのも「当然」ですね。2020年まで原発マフィアの「金儲け」に付き合わされる関東住民も「たまったもんじゃない」ですね。
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5年が経過して、 (宗純)
2016-04-03 14:49:37
コメットさん、コメント有難うございます。

中央官庁の地方移転ですが、本当に東京一極集中の是正が目的なら、まず、真っ先に復興庁の福島県か宮城県への移転が急がれるが、そんな話は少しも出ていない。
『「文化庁」が福島住民を捨て、京都に「スタコラ」逃げる』原因が放射能の深刻な汚染である事実は、口に出さないだけで、誰でも知っているのですよ。原子力マフィアの悪行ですが、そろそろ年貢の納め時。
3・11フクシマから5年が経過して最早時間切れ。
到底2020年のオリンピック開催など夢のまた夢。最後の阿鼻叫喚の壮絶なカタストロフは目の前です。
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