逝きし世の面影

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小児甲状線がんの有病率(厚労省の統計)と発症率(環境省)の違いを悪用した挙国一致の特殊詐欺

2016年03月25日 | 放射能と情報操作
『(長期目標の)年間被曝量1ミリシーベルトは環境省に聞いてくれ!安倍内閣の厚生労働大臣が知らなかった設定の根拠』

『追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺れる国際基準」NHK総合テレビ』2014年12月28日(夜10時55分~11時23分)放送では、ICRPの低線量放射線の『安全基準値』なるものが、実はまったく科学的な根拠のないもので、『基準が厳しいと原発の稼動に支障出る』事を憂慮した原発企業の要望で、甘めの設定であったことを、この基準を定めた科学者たち自らが認めている。
5年前の福島第一原発発生後にICRP(国際放射線防護委員会)の放射線被曝限度年間1〜20ミリシーベルトの安全基準内の最低値である年間1ミリシーベルトを日本政府は長期目標と定めている。
野党にこのICRP基準の問題を追及されたが、年間被曝量1ミリシーベルト(長期目標)は『環境省に聞いてくれ!』と、安倍内閣の厚生労働大臣が『設定の根拠』をまったく知らなかったのである。
話は丸っきり逆さまで、ICRP(国際放射線防護委員会)の定めた放射線被曝限度年間1〜20ミリシーベルトとは、そもそも安全基準でもなんでもない。
レベル7の未曽有の5年前の福島第一原発発生後に、過酷事故の収束作業に限って暫定的に(緊急避難として)短期間だけ許された高過ぎる基準値は、安全基準ではなくて『短期限定』の暫定基準である。
基準内の最低値である年間1ミリシーベルトは、決して長期目標では無い。
年間1ミリシーベルト以上の汚染地域には原発作業員でも長期間留まるべきでは無い。まして今のニホン国の福島県のように一般市民が5年間も普通に居住するなどな狂気の沙汰。妊婦や子供達などは最初から論外である。

『誰も彼も、「思い出したくも無い」と諦める日本人的不幸の連鎖』  

福島第一原発事故から5年が過ぎた2016年3月25日の毎日新聞のオピニオン欄に有る、読者投稿(『福島の時間 止まった』のタイトル記事)が何とも秀逸である。
今の左翼知識人を含む日本人一般の心象風景を表す言葉としては、『思い出したくも無い』と『諦め』の二文字にすべてが収斂している。
まさに、極限状態で思考停止になった韓国の大型旅客船セオゥル号の極悪船長と同じ状態に陥って抜け出せないのが、今の大部分の日本人の姿なのですが、これでは助かるものでも助からない。
読者投稿と同じオピニオンページには青野由利専門編集委員のコラム『発信箱』では、『大臣も知らない』と題して日本の国策だった使用済み核燃料の全量処理(プルトニウムの抽出)が取上げられているが、これは東京都知事選で細川を担いだ小泉純一郎と同じ手口である。
今の日本の大問題は将来の核のゴミの放射能では無くて、5年目に入った福島の放射能被害の拡大である。
ところが、放射能の対処の方法が無いので『思い出したくも無い』と『諦める』ことで全員で『無かった事にする』心算なのでしょう。『忘れる』と『諦める』の相乗効果(二人三脚)で誤魔化しているのです。
日本人の最終兵器である『忘れる』『諦める』の二つを駆使して今までは難問のすべてを簡単に解決していたのだが、今回の放射能汚染だけはこの日本人的手法が無力だった。

『フクシマのレベル7の核事故から5年目で「忘れる」日本。忘れない外国』

3月20日放送の読売新聞と提携している日本テレビ『ザ!鉄腕!DASH!!』でTOKIOのメンバーが『世界一うまいラーメンつくれる』という企画で、福島産の小麦を使用してラーメンを完成させたが、推理作家の藤岡真は、『TOKIO。究極のラーメンて、福島の小麦から作った麺なのかよ。人殺し。』、『未だに「食べて応援」している馬鹿がいて頭が痛くなる。』とツイートして大炎上。謝罪に追い込まれという。
藤岡さんのツイートに対しては、
「あなたのような人がいるから風評被害が無くならない」
「あなたのような人が福島の農家さんを自殺に追い込んだんですよ。人殺し。」
「どこがどう人殺しなのか、説明していただけますか? それに、福島産の食材は検査済みなんだが。」
など、批判のリツイートが殺到したが、善良だが愚かで忘れっぽいこの人たちは5年経った今でも世界中の国々が福島県産の食品の輸入を全面禁止にしている厳しい現実を、まったく知らないのだろうか。
日本人が、たった5年で『思い出したくない』として忘れて(諦めて)も、世界の人々はフクシマの放射能汚染を少しも忘れていないし、そもそも放射能の健康被害が本格化するのは5年が過ぎたこれからである。
福島第一原発の放射能汚染地域からの輸入禁止処置は韓国は東北地方や北関東の群馬県や栃木県だけだが、中国の汚染地域の認定は10都県で東京都や千葉県を含んでいる。(日本の首都の東京都や千葉県など人口密集地にも福島県以上に汚染したホットスポットが存在している)



『日本政府とマスコミによる挙国一致の詐欺行為。子供だましの腹立たしい手品』

↑上記の『図2、実施対象年度別市町村』とは、2014年8月に、福島県内の18歳以下の子供たち37万人中8割の30万人の『小児甲状腺がんの1順目検査が終了したが、発症率には地域差が無かった』と検討委がマスコミに大々的に発表した時に、誰にも分からないように公式ホームページ内に密かに公開している摩訶不思議なトンデモナイ『グラフ』である。
通常なら『年度』とは時期を示しているが、3・11以後の福島県検討委に限っては『地域』を意味していた。
白枠の平成23年度検査実施市町村(13市町村)とは二葉町や大熊町、飯館村などの最も放射能汚染が酷く立ち入り禁止になっている地域だった。
緑枠の平成24年度検査実施市町村(12市町村)とは郡山市や福島市など福島県内では二番目に放射能汚染が酷い地域である。
残りの平成25年度検査実施市町村(34市町村)とは会津若松市やいわき市など福島県内では比較的汚染度が低いので『安全である』として地価が急上昇している地域である。
福島県内で放射能汚染が最も酷い地域を、福島第一原発が大爆発して放射能を大量に放出した2011年(平成23年)に検査し、二番目に酷い地域を翌年に、比較的安全な地域を最後に調べて、『小児甲状腺がんの1順目検査が終了したが、発症率には地域差が無かった』とマスコミに発表した。
丸っきりの『詐欺』行為。子供だましの『手品』である。
DNAを傷つける放射線被害は、普通の毒物とは性格が違い、被曝してから一定の時間が経ってからでないと結果が分からない。民主党の枝野幸男が何回も言っていたように『放射能は直ぐには健康に影響しない』のである。
『詐欺の手口の説明』(手品の種明かし)を自ら行った福島県検討委ですが、『図2、実施対象年度別市町村』とは極限まで劣化した第二次玉音放送であったのでしょう。
『発症率には地域差が無かった』との発表ですが、『小児がんと放射能とは無関係』との表向きのマスコミ発表とは180度逆さまに、実は福島県検討委(日本政府)は『小児甲状腺がんは放射能の影響だ』と公式に認めているのである。
1945年8月の玉音放送には何処にも無条件降伏とか敗北の言葉が無かったが、それでもごく少数の例外を除き当時の日本人の大部分は即座に日本の敗北を理解した。
ところが2014年8月の2回目の劣化玉音放送では逆にごく少数の例外を除き、誰一人も『日本の敗北』の事実を頑強に認めないのですから初回よりもより悲惨である。


『3・11後のサイエンス   論争を舞台に載せる=青野由利』毎日新聞2016年3月24日

なかなか意欲的な企画ではあった。今月、日本科学未来館が行った甲状腺がんと被ばくの影響をめぐるトークイベントは、予定を1時間オーバーし3時間の長丁場となった。
登壇者は疫学が専門の津田敏秀・岡山大教授と、公衆衛生も専門の医師、越智小枝・相馬中央病院内科診療科長。津田さんは「福島県では甲状腺がんが多発しており、今後も増加するだろう」との見方を示し、物議をかもしている。一方、越智さんは「甲状腺がんが増えているかどうかは、これまでのデータではわからない」との立場だ。
元になっているのは福島県による子どもの甲状腺検査の結果だ。事故当時18歳以下だった県民を対象に2011年10月から「1巡目」として約30万人を検査、14年4月から「2巡目」を実施している。その結果見つかった甲状腺がんや疑い例は全国の発症者の割合から推計される患者数に比べて確かに多いが、異なるのはその解釈だ。
フクシマの死の天使メンゲレ越智小枝悪魔の飽食の検討委とグルで『善玉』を演じる津田敏秀

多くの専門家は、多人数を対象に精密な検査をしたことによる「過剰診断」が主な原因と考え、「放射線の影響は、あったとしてもわずか」と見る。一方、津田さんは「がんの進行状態などから見て、過剰診断だけでは説明がつかない」との立場で、被ばくが主因と解釈する。

 イベントでは津田さんがデータと統計的手法を示して自説を展開。越智さんは、福島で診療に当たっている立場から、被ばくとがんの関係の議論に集中し過ぎると別の要因による重要な健康被害を見逃す、と指摘した。人々の健康をどう捉え、どう守るかのアプローチの違いが際立ち、「正面きっての対決」に期待して参加した聴衆には欲求不満が残ったかもしれない。ただ、会場で感じたのは、いずれにしても今のデータだけで甲状腺がんと被ばくの因果関係を導くことは難しいという点だ。一方で過剰診断というだけで人々を納得させるのも難しい。

 さらに注目したいのは、会場で浮き彫りになった科学者の言葉と一般の人の認識のギャップだ。たとえば、ある時点で検査した地域の中で病気を持っている人の割合を示す「有病率」と、ある地域で一定期間に新たに病気と診断された人の割合を示す「発症率」の違い一つとっても分かりにくい。福島県の検査は前者、その比較対象は後者だが、比べ方も難しい。津田さんは「高校生が学ぶ内容」と述べたが、科学者も一般の人の立場に立って丁寧に説明しなければ議論の土俵さえできない。もう一つ再認識したのはイベントを企画した科学コミュニケーターや科学館の役割だ。実は、政府資金に支えられている彼らは社会的論争のあるテーマが苦手だと思っていた。今回の企画を検証しつつ、論争を舞台や展示に載せる挑戦を今後も続けてほしい。
(専門編集委員)=おわり
※次回4月28日から鴨志田公男論説委員の新コラムが始まります。
(毎日新聞2016年3月24日)

『毎日新聞「論争を舞台に載せる」 青野由利専門編集委員の最後っ屁』

『科学者の言葉と一般の人の認識のギャップ』ですが、そもそも『福島県は他県の数十倍多い』は津田敏秀・岡山大教授の独自見解ではなくて、2014年以後からの福島県検討委など日本国中のすべての科学者の統一見解である。
対して『甲状腺がんが増えているかどうかは、これまでのデータではわからない』としているのは日本のマスメディア(新聞やテレビ)を絶対視している一般大衆である。(フクシマのメンゲレ越智小枝医師とは『権威ある偉い人が子供だましの嘘はつかない』と信じている多くの人々の素朴な信仰心を利用した小悪党程度)
毎日新聞の科学欄の専門編集委員である青野由利が受け持つコラム『3・11後のサイエンス』が終わるに当たり、最後に『言いたかったこと』とは、『福島県は他県の数十倍多い』との2014年以後の福島県検討委や津田敏秀の、口から出まかせの『真っ赤な嘘』の告発だった。
今回のコラムで青野由利は、
『検査した地域の中で病気を持っている人の割合を示す「有病率」と、ある地域で一定期間に新たに病気と診断された人の割合を示す「発症率」の違い一つとっても分かりにくい。福島県の検査は前者、その比較対象は後者だが、比べ方も難しい』
と『福島県は他県の数十倍多い』が科学的手法の明確に違反している『勘違いか、間違いだ』と指摘しているのである。
福島県の場合は健康な子供達も全員検査した『有病率』であり、それに対して他県の場合は甲状腺などに何らかの異常があったので病院で検査をした子供たちを分母とした『発症率』。
意味の違いを全く無視して(本来比べられないものを強引に『同じ数値』として比較して)『福島県は他県の数十倍多い』とした津田敏秀や福島県検討委の余りにも非科学的な遣り口はひどすぎる。
『先ず分母をそろえ、「同じ」にしてから計算する』との小学校の算数の初歩で落ちこぼれたらしい検討委や津田教授ですが、到底科学者とは言えないのである。

『最後の「3・11後のサイエンス』で毎日新聞専門編集委員が言いたかったこととは、何か!?』

福島県検討委や津田敏秀の『福島県は他県の数十倍多い』は勘違い(うっかりミス)ではない。意識して間違って、善良な一般大衆を『安全・安心。何の心配ない』と騙しているだけ。
韓国の大型旅客船セオゥル号の船長と同じで、単に『日本人がパニックを起こさない様にする』事だけが優先されているのである。
『フクシマはチェルノブイリの数十倍多い』が正しい科学的な見識であった。(福島第一原発で放出された放射性汚染物質の総量はチェルノブイリの10分の1は根拠のない大嘘で、実はチェルノブイリの10倍だった)
福島県のようなスクリーニング検査を行った例は日本国内では一箇所も無く、世界中でもチェルノブイリ以後のベラルーシやウクライナしか存在しない。
今回の最後の『3・11後のサイエンス』で毎日新聞の科学担当の青野由利専門編集委員が言いたかったこととは、『フクシマはチェルノブイリの数十倍多い』(年間被曝量1ミリシーベル以上の汚染地域からの住民の退避)であることは明らかである。
ちなみに5年前の3・11フクシマ核事故以前の厚生労働省の統計数字(有病率)では小児甲状腺がんは100万人当たり0~1人である。(1億2千万人の日本国全体なら数十人であり、もちろん人口200万人の福島県はゼロだった)
対して同時期の日本甲状腺学会の統計数字(発病率)は100万人当たり1~2人だったが、これは厚生労働省(有病率)は日本国の全人口が分母だが、甲状腺学会の場合(発病率)は甲状腺などに何らかの異常を感じて受診した子供たちが分母。
両者の数値に大きなへだたりがあるのは当然だったが、日本中のマスコミは厚生労働省の数値(100万人当たり0~1人)は無視して、意味が違う甲状腺学会の『発病率は100万人当たり1~2人だ』と意識的に間違って大宣伝していた。(未必の故意の『騙し』)
今回、別に科学者でなくとも義務教育の簡単な算数を学んだものなら 『福島県は数十倍多い』の対象が、『他県の発症率』ではなくてチェルノブイリ後のウクライナやベラルーシの『有病率』である程度は、誰にでも簡単に理解できるのである。

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