Immovable!

志村達也のつぶやき。。。
エンタメ・ベンチャー
総務人事部長(改め経営企画部長)のブログです

【完全ネタばれあり】 パンズ・ラビリンス!

2007年10月15日 23時52分25秒 | 【エンタメ ~映画/舞台】
パンズ・ラビリンス - goo 映画


少し前から気になっていた映画を観ることにしました。
それが「パンズ・ラビリンス」。

「パン」というのは、牧羊の神様といわれている存在。
小学校の頃、英和辞典で羊のような姿をした挿絵を見たことがあり、
今回の映画の中に登場してきた「パン」も、そのときのイメージ通りでした。

題名を直訳すれば「パンの迷宮」。
子供向けのファンタジー(ないしSF)モノかと思っていたのですが、
鑑賞には年齢制限もある作品です。
目を背けたくなるシーンがいくつかあり、アダルトではないのですが、もう少し対象年齢を上げてもよいのかもしれません。


物語の内容は・・・
魔法の国の王女(お姫様)が、人間界に迷い込み、戻れなくなってしまい、
(人として)生まれ変わり、再び、本来の世界へ戻るための試練を受ける、というもの。

彼女が帰還するための案内役(試練を与える)存在として「パン」が出てきます。


この、人間として生を受けたのが、舞台となる1944年なわけです。

戦争、征服の真っ只中。
「人間」が最も醜い争いをしている世界。
生きていくことさえ、厳しい時代の中に、主人公は放り込まれます。



・・・さて、最後、主人公の女の子は、(義理の)父親に射殺されます。
直後、その父親も射殺され、女の子を心配していた家政婦(レジスタンスで、少女の父親を射殺する側)の腕の中で息を引き取ります。
悲観にくれる家政婦。

人間の世界、(現世の)人間の視点で見れば、とても悲しい出来事なのでしょう。
しかし、少女にとって、それは大切な、必要な通過儀礼であったわけで、
射殺される(自ら血を流す)ことによって、本来の居場所(魔法の国)に戻ることができるのです。

同じ事実に対して、
視点が異なれば、悲劇にもなり、ハッピーエンドにもなる。

人間として生きることが仮初のものであるということに気づかず、
あくまで人間としてだけ生きるのであれば悲劇だけでしかなく、
大局の中で捉えることができれば、悲劇にはならない、ということでしょうか。。


本来の自分が何者であるのか、
等など、ちょっと考えさせられる映画でしたー