2012(2009)
2012
U.S. Release Date: 2009
■監督:ローランド・エメリッヒ
■キャスト:ジョン・キューザック/アマンダ・ピート/ダニー・グローヴァー他
■音楽:ハラルド・クローサー
■字幕:松崎広幸
■お勧め度:★★★
「「デイ・アフター・トゥモロー」「紀元前1万年」のローランド・エメリッヒ監督が放つパニック・サスペンス巨編。2012年12月21日に地球滅亡が訪れるというマヤ文明の暦にヒントを得た終末説を基に、世界中で怒濤のごとく発生した未曾有の天変地異に人類が為す術なく襲われていくさまを驚異のスペクタクル映像で描く。出演は「ハイ・フィデリティ」のジョン・キューザック、「“アイデンティティー”」のアマンダ・ピート、「キンキーブーツ」のキウェテル・イジョフォー。
ロサンゼルスでリムジン運転手をしている売れない作家ジャクソンは、別れた妻ケイトのもとに暮らす子供たちと久々に再会し、イエローストーン公園までキャンプにやって来た。彼はそこで怪しげな男チャーリーから奇妙な話を聞かされる。それは、“地球の滅亡”が目前に迫っており、その事実を隠している各国政府が密かに巨大船を製造、ごく一部の金持ちだけを乗せ脱出しようとしている、という俄には信じられない内容だった。しかし、その後ロサンゼルスをかつてない巨大地震が襲い、チャーリーの話が嘘ではないと悟るジャクソン。そして、大津波や大噴火など、あらゆる天変地異が世界中で発生、次々と地球を呑み込んでいくことに。そんな中、ジャクソンはケイトと子供たちを守るため、巨大船がある場所を目指して必死のサバイバルを繰り広げるのだが…。」(allcinema.net/より。)
旧約聖書「ノアの方舟」そのまんま。
「パニック・サスペンス」というよりスペクタクル・ヒューマンドラマだろう。スペクタクル部分はかなり見応えある。特に最初の方のシーンで両側から崩れ落ちるビルの間をショボい双発(飛行)機で潜り抜けるシーンは圧巻。ただし全体的には、監督の趣味と思われる「ポセイドン・アドベンチャー」が半分ぐらい。内容的にも誰が生き残るかという事も含めて。こういう作品が好きな場合は、そこそこ楽しめるだろうが、そうで無い場合は他の部分しか観る所は無いだろう。
従来のパニック物と比べて傑出しているとすればヒューマンドラマ性を強調したことだろう。従来のパニック物というのはパニックとスペクタクル映像を見せるのが主で、ヒューマンドラマの部分は付け足しに過ぎなかった。本作ではヒューマンドラマがメインとまではいかないまでも、筋書きと噛み合っている。この点は見所。
ただし問題がいくつか。
「巨大船」を建造するのにお金がかかるのは当然だろうが、そのお金を億万長者から集めて彼等にだけ乗船券を配るという筋書きがある一方で、その他の乗船者はDNA鑑定で「優秀」と認められた者に限るというのがある。たしかに億万長者になるという事は何らかの素質があるからだとしても、そうした素質が必ずしも人類再興のために役立つ物かどうか、定かでは無いだろう。この点は製作者も認識しているようで、そのような筋書きになる。地球崩壊まで3年しか無い。政府や国家予算を投じればバレる危険性がある。それで億万長者からという事になるが、結果的に作ったのは単なる海上航行型の船。ならば政府や国家が作らなくても、億万長者に勝手に作らせても同じだろう。一般人用の船を作る余裕も予算もどっちみち無いわけだし。
船の建造場所は、わざわざ中国奥地。なんで?人件費が安い。現実的すぎるだろう。どっちみち洪水に襲われることが分かっているのだったら、全ての大陸の奥地で作った方が簡単でコストもかからないし、わざわざアフリカ等から動物のつがいを運んだりする必要も無いだろう。結果的には「ノアの方舟」を再現する事に重点を置いた時代錯誤の代物。
地球崩壊というより地殻変動で地表が予測不能な型で変化するというのがテーマ。だとしたら、3年もの余裕がある事から通常、考えられる事は、政府主脳と一部の科学者その他、必要な人材の大気圏外脱出だろう。エベレストにぶつかって壊れるような船を作っても、もたないだろう。
要するにどっちなのか。旧約聖書の物語りを再現したかったのか、太陽フレアで地球の中心の温度が上がり地表がその影響を受けるという科学的な説を描きたかったのか。後者にしても問題がある。地表が変化するほどまでに温度が上がったら、それだけで、まず最初に人類を含めて生物は絶滅するだろう。
というような問題に気付かずに観ていたので、最後に登場する船はどんな物だろうかとヒドい期待を抱いてしまった。結果はショボい単なる船、それもどこかの国のアニメやゲームで散々、見たような。
特撮部分ははっきり言って凄い。ヒューマンドラマの部分はかなり泣ける。それ以外は見る価値は無いだろう。特にテレビで観る予定がある場合はやめた方がいいだろう。
ヒアリング度:★★★★
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:
ムカつく度:★
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)
2012
U.S. Release Date: 2009
■監督:ローランド・エメリッヒ
■キャスト:ジョン・キューザック/アマンダ・ピート/ダニー・グローヴァー他
■音楽:ハラルド・クローサー
■字幕:松崎広幸
■お勧め度:★★★
「「デイ・アフター・トゥモロー」「紀元前1万年」のローランド・エメリッヒ監督が放つパニック・サスペンス巨編。2012年12月21日に地球滅亡が訪れるというマヤ文明の暦にヒントを得た終末説を基に、世界中で怒濤のごとく発生した未曾有の天変地異に人類が為す術なく襲われていくさまを驚異のスペクタクル映像で描く。出演は「ハイ・フィデリティ」のジョン・キューザック、「“アイデンティティー”」のアマンダ・ピート、「キンキーブーツ」のキウェテル・イジョフォー。
ロサンゼルスでリムジン運転手をしている売れない作家ジャクソンは、別れた妻ケイトのもとに暮らす子供たちと久々に再会し、イエローストーン公園までキャンプにやって来た。彼はそこで怪しげな男チャーリーから奇妙な話を聞かされる。それは、“地球の滅亡”が目前に迫っており、その事実を隠している各国政府が密かに巨大船を製造、ごく一部の金持ちだけを乗せ脱出しようとしている、という俄には信じられない内容だった。しかし、その後ロサンゼルスをかつてない巨大地震が襲い、チャーリーの話が嘘ではないと悟るジャクソン。そして、大津波や大噴火など、あらゆる天変地異が世界中で発生、次々と地球を呑み込んでいくことに。そんな中、ジャクソンはケイトと子供たちを守るため、巨大船がある場所を目指して必死のサバイバルを繰り広げるのだが…。」(allcinema.net/より。)
旧約聖書「ノアの方舟」そのまんま。
「パニック・サスペンス」というよりスペクタクル・ヒューマンドラマだろう。スペクタクル部分はかなり見応えある。特に最初の方のシーンで両側から崩れ落ちるビルの間をショボい双発(飛行)機で潜り抜けるシーンは圧巻。ただし全体的には、監督の趣味と思われる「ポセイドン・アドベンチャー」が半分ぐらい。内容的にも誰が生き残るかという事も含めて。こういう作品が好きな場合は、そこそこ楽しめるだろうが、そうで無い場合は他の部分しか観る所は無いだろう。
従来のパニック物と比べて傑出しているとすればヒューマンドラマ性を強調したことだろう。従来のパニック物というのはパニックとスペクタクル映像を見せるのが主で、ヒューマンドラマの部分は付け足しに過ぎなかった。本作ではヒューマンドラマがメインとまではいかないまでも、筋書きと噛み合っている。この点は見所。
ただし問題がいくつか。
「巨大船」を建造するのにお金がかかるのは当然だろうが、そのお金を億万長者から集めて彼等にだけ乗船券を配るという筋書きがある一方で、その他の乗船者はDNA鑑定で「優秀」と認められた者に限るというのがある。たしかに億万長者になるという事は何らかの素質があるからだとしても、そうした素質が必ずしも人類再興のために役立つ物かどうか、定かでは無いだろう。この点は製作者も認識しているようで、そのような筋書きになる。地球崩壊まで3年しか無い。政府や国家予算を投じればバレる危険性がある。それで億万長者からという事になるが、結果的に作ったのは単なる海上航行型の船。ならば政府や国家が作らなくても、億万長者に勝手に作らせても同じだろう。一般人用の船を作る余裕も予算もどっちみち無いわけだし。
船の建造場所は、わざわざ中国奥地。なんで?人件費が安い。現実的すぎるだろう。どっちみち洪水に襲われることが分かっているのだったら、全ての大陸の奥地で作った方が簡単でコストもかからないし、わざわざアフリカ等から動物のつがいを運んだりする必要も無いだろう。結果的には「ノアの方舟」を再現する事に重点を置いた時代錯誤の代物。
地球崩壊というより地殻変動で地表が予測不能な型で変化するというのがテーマ。だとしたら、3年もの余裕がある事から通常、考えられる事は、政府主脳と一部の科学者その他、必要な人材の大気圏外脱出だろう。エベレストにぶつかって壊れるような船を作っても、もたないだろう。
要するにどっちなのか。旧約聖書の物語りを再現したかったのか、太陽フレアで地球の中心の温度が上がり地表がその影響を受けるという科学的な説を描きたかったのか。後者にしても問題がある。地表が変化するほどまでに温度が上がったら、それだけで、まず最初に人類を含めて生物は絶滅するだろう。
というような問題に気付かずに観ていたので、最後に登場する船はどんな物だろうかとヒドい期待を抱いてしまった。結果はショボい単なる船、それもどこかの国のアニメやゲームで散々、見たような。
特撮部分ははっきり言って凄い。ヒューマンドラマの部分はかなり泣ける。それ以外は見る価値は無いだろう。特にテレビで観る予定がある場合はやめた方がいいだろう。
ヒアリング度:★★★★
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:
ムカつく度:★
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)