バーレスク (2010)

2010-12-31 05:32:43 | Weblog
バーレスク  (2010)
Burlesque

U.S. Release Date: 2010

■監督:スティーヴン・アンティン
■キャスト:シェール/クリスティーナ・アギレラ/カム・ジガンデイ/スタンリー・トゥッチ/クリステン・ベル/エリック・デイン
■音楽:クリストフ・ベック
■字幕:栗原とみ子
■お勧め度:★★★★★

 「スターを夢見るヒロインとショー・クラブの再生を目指す人々が織りなす人間模様を華麗なステージ・パフォーマンスとともに描くエンタテインメント・ミュージカル・ドラマ。主演は「月の輝く夜に」のシェールとこれが映画デビューの人気シンガー、クリスティーナ・アギレラ。共演にクリステン・ベル、スタンリー・トゥッチ。監督は俳優や脚本家として活躍し、これが長編2作目のスティーヴン・アンティン。
 かつては栄華を誇った大人のためのショー・クラブ“バーレスク”も、いまや客足が衰え経営難に陥っていた。伝説のスターにして現オーナーのテスは、舞台監督のショーンとともに再建に尽力するが、すべては新たなスターの誕生にかかっていた。そんな時、アイオワの田舎町からスターを夢見て単身ロサンジェルスへとやって来た少女、アリ。彼女は偶然目にしたバーレスクの華麗なショーに心奪われる。そして、どうにかウェイトレスとして雇ってもらい、ステージに立つチャンスを狙う。やがて、その歌唱力とダンスの才能がテスにも認められ、ついにスターへの階段を上り始めるアリだったが…。」(allcinema.net/より。)

バーレスクにしてもキャバレー(「キャバクラ」ではない)にしても、舞台での歌や踊りを見ながら食べたり飲んだりできるところが減ってしまったのは寂しい。今だとせいぜいのところ、ロクに踊れないフィリピン人やらの見せ物小屋があるだけだろう。その意味では懐かしいし、本作の意図もそうだろう。演技を見る作品というより歌や踊りを見て楽しむ作品。主演のシェールが姉さんというよりママゴン風で、うまくクリスティーナ・アギレラをカバーしている。クリスティーナ・アギレラは熱唱タイプだろうか、あまりムードが無い部分、シェールがベテランの味を発揮して、最初と最後をまとめている。懐かしさといえば、2曲目だったか、「Diamonds are a Girl's Best Friend」(邦題:「ダイアが一番」)(「紳士は金髪がお好き」(マリリン・モンロー))が懐かしいとともに、キーになっている。タイプとしてはクリスティーナ・アギレラは違うが、長髪を短髪に変えて、マリリン・モンローを意識させるようにしたのは監督/製作者の意図だろう。音楽的には当時と今ではかなり違っているので、「ダイアが一番」をベースにして、これを現代風の音楽に繋げるような構成になっていて、歴史観も感じられる。というような事はぬきにしても、キャストや歌と踊りを見るだけでも楽しい作品。へたに現代風ミュージカルにしなかったのは大成功だろう。予告編にもあるが、クリスティーナ・アギレラが初めて舞台で歌うシーンは感動もの。よく知らないが、バーレスクは踊りが主で、歌は口パクでやっていたらしい。それほど大きな箱ではないので、生で歌っても十分、聞こえるだろう。ノーマイクの生の歌を聞くというのは、オペラにしてもそうだが、それ自体が楽しいし素晴らしい。物語り性もかなりある。誰がゲイで誰がストレートなのかという謎に、潰れかけたバーレスクを救う手段に「空中権」というものがあるらしい。それにバーレスクの一座の家族的な絆がかなり描かれ、ヒューマンドラマとしても楽しめる。「解説」の「スターを夢見るヒロイン」というより、孤児で、誰もいない片田舎で育って、何かをしたい少女が都会に出て、偶然、みつけたバーレスクに感動して、知らぬ間にそのファミリーの一員になるというのが物語りだろう。結局のところ、いくつかミュージカル作品を観たが、ほとんどが失敗作だったのは、ミュージカル自体が今には合わないのかもしれない。本作はそれの解決策だろう。このパターンは使えるのじゃないか。


ヒアリング度:★★★★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★★
劇場で見たい度:★★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)