車輪を再発見する人のブログ

反左翼系リベラルのブログ

エコについて

2009年05月31日 | ニュース

オーストラリアでの山火事の話から、エコの話題が盛り上がって、松本さんのところの記事のコメント欄も盛り上がっているが、いつもながらにインテリというのは頭が悪いなということを証明するような話だ。階級闘争であれ、平和であれ、現在のエコロジーであれ、結局はどのようなトレードオフが必要かを議論しようとせずに、自分達の都合を絶対的なものとして他人に押し付けようとするから全体の資源分配を損ね一部の人間以外にとっては何の利益にもならないことに資源の大部分を投入してしまう。

移民問題を取り上げると分かりやすいが、共生社会だ、移民にも同じ権利をだと主張して移民の権利を絶対的なものとして知識人達は社会に移民を強制してきた。その一方で、途上国の貧困の議論になると途上国にも責任があると言う主張がどこかから沸き起こってきて、途上国の飢餓や貧困に対する援助は停滞してしまう。移民に対しては絶対的な権利を主張する一方で、それより酷い状態にある人たちに対しては向うにも責任があると言う論理によってすべてがひっくり返ってしまい、いつまでも途上国が貧しいのはちゃんと必要なことをしていないからだという話になってしまう。移民に対しては国民以上の特権的な待遇を与える一方で、少しの資金で多くの命を救える途上国に対する援助を減らせば理想的な社会が訪れるのだろうか。ほんとに馬鹿馬鹿しい話だ。

つまり、ほんの少しでも環境に関係していて、一部の人間が気になればエコとして絶対的な力を持つ。他方では、重要な環境問題が他の要因によってひっくり返されて無視される。現在の環境問題における最大の問題は中国における環境破壊である。そして、他の途上国においても経済発展の過程において、さらには経済発展が起こってもいないのに環境破壊が進んでることである。このような問題の本質を見ようとしないで、オーストラリアの森林の間伐に環境団体が反対していたというのは、笑える話である。

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