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9月13日は新聞休刊日

2021-09-13 05:30:35 | 社説を読む
9月13日は新聞休刊日なので、昨日のコラムを紹介します。
 
・ コロナとは関係なく、もともと臭覚の弱い身としては、香りで季節を感じるという楽しみから縁遠い。しかしキンモクセイは例外で、風に乗ったほのかな香り(多くの方にとっては強い香り)に、今年も出合うことができた。金色の花にも▼漢字で「金木犀(きんもくせい)」の名は花の色彩にちなむが、学名の「オスマントウス …

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・ 中国古代の遺跡からはヨロイのような皮膚と角を持つサイを写実的に表現した青銅器が発見されている。本物そっくりで想像で作り出せる造形ではない。かつて中国にもサイが生息し、直接、観察できたことを示す文物だ
 
▲「犀(さい)」は尾と牛を合わせた会意文字。象や鹿、馬など「ケモノへん」をつけない漢字が使われる動物は、古代中国の人たちの生活に関わる存在だったといわれる。サイの角は漢方薬の材料として珍重され、粉状にして解毒、解熱薬に使われた
 
▲中国のサイは絶滅し、現生するのはクロサイやシロサイ、インドサイなど5種類。取引が規制されているにもかかわらず、いずれも絶滅の危機にある。角が薬材や貴重品として高額で取引され、密猟が絶えない
 
▲アフリカのナミビアではクロサイを安全な地域に移送するプロジェクトを始めた。重さ1トン前後のクロサイを眠らせた上で脚を縛って逆さづりにし、ヘリコプターで輸送する
 
▲ナミビア政府はサイの健康に与える影響を調べるため、米コーネル大の研究チームに調査を依頼した。その成果がノーベル賞のパロディーとして誕生したイグ・ノーベル賞の「輸送賞」を受賞した。日本人が15年連続で受賞し、注目が高まる同賞は人を笑わせ、考えさせる研究を対象にする
 
▲サバンナの上に逆さづりのサイが浮かぶ光景は滑稽(こっけい)だが、心配にもなる。しかし、台に乗せ、寝かせて運ぶより血流への影響が少なく安全と聞いて安心した。動物保護に大いに貢献する研究成果である。
 
・ 昭和50年代の政界に「2年後に政権を移譲する」と記された密約文書があったという。当時、首相就任は確実とみられた福田赳夫氏から大平正芳氏への交代を約束していて、両氏の署名や花押もある。この「大福密約」、事実なら総理の座を私物化する由々しき問題だ。

▼この密約を6月刊行の「評伝福田赳夫」が詳しく分析している。筆跡が本人と違うこと、信頼に足る1次資料に記述がないことから存在には否定的。さらに、大平氏の側...

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・ 付かず離れずのほどよい距離が、人間の専売特許とはかぎらない。

▼大海原で群れをなす魚もまた、互いの距離には敏感である。体の側面に発達した感覚器官は、近くにいる仲間との距離を保つ検知器だという。視野は330度と広く、真後ろ以外の仲間を把握できる。離れ過ぎれば適度な距離にまで戻る習性もある。気に食わない相手がいたとしても、群れの中で衝突することがない。

▼海外からの旅行客が日本に来て驚くのは、東京・渋谷のスクランブル交差点という。多いときで一度に3千もの人々が横断するのに、誰一人としてぶつからない。神業のような衝突回避の歩行に目を奪われるらしい。そこに「よそ見」という要素が加わるとどうなるか。京都工芸繊維大の村上久助教らが、通行に与える「歩きスマホ」の影響を明らかにした。

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・ その投手は九年間のプロ生活でメジャーリーグに一度も昇格していない。マイナーでの成績は四十六勝八十敗。それでも語り継がれているのは直球の速さである。一九六〇年代の投手スティーブ・ダルコウスキー。昨年八十歳で亡くなっている
 
▼四割打者テッド・ウィリアムズが「最も速い」と証言している。球速百八十五キロは信じられぬが、それほど速かったのだろう。そんな投手がなぜ活躍できなかったか。べらぼうに制球が悪かった。わずかな安打しか許さぬが、四球連発で負け投手。そんな試合ばかりだったそうだ
 
▼勝てなかったダルコウスキーに河野さんはなりたくないのだろう。何でも野球にたとえるのはオジさん世代の悪いクセだが、話は自民党総裁選である
 
▼河野さんといえば脱原発など自民党らしからぬ政策や言動で名を売った方である。自民党のストライクゾーンから外れたところに剛速球を投げ込む異端児。それで人気にもなった
 
▼その魅力ある荒れ球が総裁レースでは消えている。脱原発は事実上封印。派閥会長の麻生さんのところへ何度も出向き、出馬を相談する姿を見れば、異端児でも何でもなく派閥の論理の中にいる普通の自民党議員である
 
▼党内の幅広い支持を得るためには自民党のストライクゾーンに。分からぬでもないが、その分、世間をあっといわせた球速はがくんと落ちた。正直つまらない。
 
※ 全文読めるコラムは2社だけになりました。
本来、新聞を買って読むものなので、仕方がないですね。

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