鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

Shiro i mikazuki

2021-07-10 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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月と言えば、どちらかと言えば控えめな存在と思われています。
自ら光を発するわけでもないので、当然なのかもしれませんが・・。
「おてんとうさまが見ている」と言いますが、「お月様が・・」という言い方はあまりないように思います。
でも、月にはどこからともなく見ているような優しさがあるような気がします。

詩手紙のコメントはこう書いてありました。
「きれいな月のように、澄み切った心でいきたいです。」


        Shiro i mikazuki
                          2010年6月

なにげなく月が目に入った、六月の夜
そっと光り、そばを雲がながれてく
知らない誰かの小さな愛のようで
知らないところで観(み)ている誰かの愛のようで
光、胸にしずかに降りてきた
降りてきた光がながれてく、身体に
私は誰かに愛を手向けてきたのか
私はいつも誰かを思ってきたのだろうか
白い三日月が目に入った、六月の夜
そっとこちらを照らしてる
永遠にそこにある愛のようで
永遠に尽きることのない愛のようで
光、胸にしずかに満ちてきた
満ちてきた光があふれてく、身体に
私は誰かと愛を分かちあってきたのか
私はいつも誰かを思いやってきたのだろうか
私は白い三日月のようなものになりたい
そうして、優しい心で世界を観(み)ていきたい

   詩手紙2010.6.21
   
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