鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

Blue Purple City

2021-11-03 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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気候変動の影響でしょうか、セミの鳴き方が変わってきた気がします。
以前は、アブラゼミ→ミンミンゼミ→クマゼミ→ツクツクボウシ
というように順番に鳴いていましたが、今年あたりは順序がバラバラになっていたような気がします。
さらに、ヒグラシの声を聴かなくなりました。
何か季節が崩れて行っているような気がします。

10年前はこうでした。詩手紙のコメントです。
「蝉しぐれがすごいです。ようやく夏の感じがしてきました。」


      Blue Purple City
                        2,010年7月

青と紫の空色が重ねられた、昼と夜の間に
Blue Purple City
疲れ人がぞろぞろ歩いて、歩いて
脚どり鈍く、どこまでもつづいてる

ハンドルでも切るように
昼と夜であらゆるものがかわっていく

青と紫の空色が重ねられた、昼と夜の間に
Blue Purple City
疲れ人は喧騒に巻きこまれたまま
ゆるゆるとながれていくように

ハンドルでも切るように
昼と夜であらゆるものがかわっていく

昼は太陽の力にぜんぶ押えつけられ隠されてる
夜には影が首をあげて眠りから覚めてくる
そして、胸のつかえは濃度をあげて
心のなか乱暴にわめきだしてくる

昼は表の力が前に出てきて見えなくなってる
夜は裏のものが顔をだしはじめてくる
虚像と実像がせめぎあいを演じて
けだるい狂気が人の心をかきみだす

青と紫の空色が重ねられた、昼と夜の間に
Blue Purple City
疲れ人は、どこで深呼吸できるのだろうか

   詩手紙2010.8.1
   
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