鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

母国~日本という国~

2022-04-29 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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ここしばらくロシアのウクライナ侵略の話題が毎日報道されている。
たった一人の権力者の妄想のために世界中が振り回されているのだ。
ウクライナは実にかわいそうだ。
ニュースを見るのは気が重い。

それにしても、自分の国というのは大切なもの、ということがよくわかる。
この国を何としても守らなければならない。

詩手紙のコメントはこう書いている。
「台風が、まさか横断していくことになるとは。
 恵みの雨になるといいです。ちょっと激しいですが。」


      母国~日本という国~
                          2010年9月

わたしはいま
母国のたいせつさがわかる気がします
春夏秋冬がある、この国
春は芽生えをもたらす
夏は成長期をむかえて
秋は実りをつけて
冬は命をつないでいく
和の精神が息づく、この国
和は輪であり
和はなごみであり
和はゆとりであり
和は心であるのです
人が思いやりをもつ、この国
思いやりはちょっとしたこと
思いやりは気づかい
思いやりが思いやりを生み
思いやりは消えない思いを残すのです
人が人とかかわりあってきた、この国
かかわるとは関心をもつこと
かかわるとは人の立場にたつこと
かかわるとは人の心をみること
かかわるとは手をとりあうことなのです
忘れかけたものなのかもしれない
けれど、確かにあるものなのです
失いかけてきたものなのかもしれない
けれど、確かにある筈のものなのです
わたしはいま
母国のたいせつさがわかる気がします

   詩手紙2010.9.8
   

コメント
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作品を引用するとき

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