小春日和の土曜日だっただろうか、自転車で隣町の金町まで。30年前、初めて仕事で金町駅で降り立ったときは、東京とは思えない土地柄の田舎に感じた。隣が松戸市で千葉県、東京の東の果てまで随分遠くに来たもんだと思ったもの。
今や高層マンションが立ち、東京理科大ができて、この10年で急に開発が完了して都会化した。30年前にまさかこの辺りが自分の最終棲み家になるとは夢にも思えなかった。
金町のラーメン屋は閉店、新店が目まぐるしい。常磐線でお隣の松戸市はラーメン激戦区である。そんな中、洋風の創作ラーメンぽいお店をネットのラーメンブログマニアさんの記事で見つけた。オープンしてまだ1年に満たないお店だと思う。
午後1時半頃とあってか、先客が3名くらいで空いていた。店主は一人で切り盛りしてる。どうもお店の空気が重い。BGMくらいかければいいのに、ここの店主はどうやら美味しいラーメン作り以外にはあまり気を配らないタイプに見えた。
愛想笑いすらなく形だけのいらっしゃいませ、ありがとうございました。妙に素っ気なくて暗い。おまけに食器の扱いが雑で洗い場に投げ出すように大きな音をたてる。
静かな店内にガチャガチャと響き渡る。割れるんじゃないかとか、お客に何か不満があるのかと心配をかけるような雰囲気である。
飲食店において確かに味は1番大切な要素だけど、どんなに美味しい料理も安心して気持ちよく食べられる雰囲気やもてなしがないとせっかく美味しい料理も台無しになると思う。
ポルチーニ香る醤油ラーメン、帆立とチーズの塩ラーメンに期間限定の煮干しラーメンを置いていた。味は繊細で女性好みの創作ラーメンであることに間違いない。
せっかくユニークな美味しいラーメンなのにもったいない。特に、下町では、こんな接待やもてなしには厳しい。味だけ求めているのならもっと都心にいくらでも美味しいお店がある。
行列店、繁盛店は気持ちよく食べさせてくれる雰囲気を必ずもっている。味以外にもまた来たいと思う付加価値が必ずや存在する。