昨年から新聞の記事で何度か見ていた柄谷行人さんの著作に関する本が文春新書から
でていた。(発行は2023年5月20日)
気づいたのが1年遅かったが、早速購入し、読み始めた。
柄谷氏の本は「力と交換様式」という本だが、読んだ新書は、いかにして着想され
書かれたか、を作者が語っていることと、それを識者がどう読んだかについて書か
れている。
最初から原書を読むより、概要がわかればよいと手を出したが、なんだか難しい。
でも、私も今までいろんな本を読んできた経験もあるので、なんとかあちこちわか
るところもあった。
柄谷氏の思索は、4つの交換様式によって世界史の構造を説明する理論であった。
4つの交換様式は、A、B、C、Dに分かれており、
Aは互酬(贈与と返礼)
Bは服従と保護(略取と再分配)
Cは商品交換(貨幣と商品)
DはAの高次元での回復
となり、A→Dへ進んで行く。
Cは現代、資本主義社会であり、これからDへ向かって行く。しかし、それは何かをすることによって成るものではなく、向こうからやってくるのだと言う。
柄谷氏の思索は、マルクス・エンゲルスの資本論を中心にして、ホッブズのリヴァイアサンやヘーゲルの哲学など、他にもいろんな歴史学、社会学、文学などに基づいて考察されており難しいが、これから成っていくだろう世界を考えるための導きの糸に成りそうな感じがした。
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