今日は、忠臣蔵討ち入りの日ですが、以前に買ってあった文庫本を読んだ。
この本は、童門冬二さんの文庫オリジナル時代小説集で、10編が収められていた。
その中に、「長崎の忠臣蔵」というものがあった。
これが「もうひとつの忠臣蔵」というもので、元禄13年に起こったものであった。
赤穂浪士の討ち入りがあったのは、元禄15年であり、前者の事件は当時は「長崎喧嘩」と呼ばれたものであったようだ。
この事件は「大音寺坂の仇討ち」とも言われ、実はこれが赤穂浪士の討ち入りのモデルになっているという。
討ち入りに加わった浪士の前原伊助が密かに調査していったようだ。
この事件は長崎の実質的支配者・長崎年寄という商人たちと佐賀藩鍋島家の深堀屋敷の武士たちの喧嘩からはじまり、その時の武士の討ち入りとその時の家老の指揮ぶりが見事であったのだ。また、その引き際と責任の取り方も見事であり、全てが見本になったようだ。
この本のあとがきで、童門氏は、「この文庫は、生きべたでなんの徳にもならないのに、自分の大事なものを捨てきれず、一所懸命に生きたひとを、地方からひろいおこした小説をまとめた」という。地方重視実現の一環でもあるという。
たまたま手に取った本であったが、とても参考になった。