文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

高性能磁石、中国で生産 日立金属、レアアース輸出制限で…日経新聞7月21日9面より

2011年07月21日 11時59分29秒 | 日記
EVなど向け「ネオジム」 原材料を安定調達  

日立金属は2013年にも電気自動車(EV)やハイブリッド自動車の駆動モーターに欠かせないネオジム磁石の生産を中国で始める方針を固めた。主原料のネオジムは中国が世界生産の9割超を握るレアアース(希土類)の一種。

中国がレアアースの輸出制限を強めており、原材料の安定調達を図る。将来の市場拡大を見据え供給責任を優先した形だが、中国が日本などの先端技術の取り込みを狙う中、技術流出リスクの懸念も高まる。

 13年にも開始の方針

中国の鉱山会社などと共同出資でレアアースを産出する中国南部に工場を建設することを検討している。新工場の生産能力は国内工場の2割程度にあたる年1000トン程度を見込んでおり、設備投資額は40億~50億円にのぼりそう。中国市場への出荷分の生産を引き受ける見通し。

ネオジム磁石は日本が発明した重要な戦略部材の一つで、日立金属は日米欧でシェア5割を握る世界最大手。日立金属は技術やノウハウを保持するため、現在は熊谷製作所(埼玉県熊谷市)など国内のみで生産している。

中国のレアアース輸出制限を受け、同社はこれまで対策として調達の多角化を構想。12年にレアアース生産開始を目指す米鉱山会社モリコープと長期契約を結び、ネオジム磁石工場も合弁で米国に新設する検討を進めてきた。

しかし、中国は10年のレアアース輸出許可枠を約3万トンと09年比4割削減したのに続き、11年は7月からレアアースと鉄の混合物を制限対象に追加した。

同年の許可枠自体は約3万トンと10年比横ばいにしているが、同混合物には月1000トン前後の輸出実績があるため、実質的には大幅な削減につながる。

中国の輸出制限強化を受け、レアアースと鉄の混合物を輸入し磁石合金を生産する最大手の昭和電工がハイブリッド車向け高機能品の一部生産を中国に移管することを決定。

磁石メーカーの安定調達にもめどがつくはずだったが、日立金属はもう一歩踏み込んで自らも中国で生産する方針を決めた。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。