以下は前章の続きである。
思いやり精神がない
中国人はタテマエ上「五常=仁・義・礼・智・信」という五つの徳目を重んじます。
これは儒教から来ており、スミスの本でも紹介されていますが、具体的に言いますと、「仁」は思いやりの心、「義」は正義・公共精神、「礼」は礼儀・作法、「智」は理性・知性、「信」は信用を意味します。
この五常が漢の時代から重んじられており、中国人の知識人は、この五常を体得することを学問の主眼にしてきたのです。
でも、私に言わせれば、次のひと言で済みます。
「いつも、この“五常”とは正反対の行動を取っているのが中国人である」と(笑)。
では、一つずつ見ていきましょう。
「仁」=思いやりの心ですが、スミスは次のように書いています。 《中国人の思いやりの欠如を端的に示しているものとして、花嫁が結婚式の日に受ける扱いがある。彼女たちは、大抵は大変若く常に臆病だ。(中略)誰であれ、花嫁の駕籠の垂れをめくって花嫁をじろじろ見ても許される地方もあれば、花嫁が通る時に未婚の娘たちが手頃な場所に陣取って、花嫁に一握りの干し草の種や籾殻を投げかけることを無上の喜びとする地方もある。その干し草や籾殻は花嫁の念入りに油を塗った髪の毛に執拗に張り付き、なかなか取れない》
また、中国では嫁姑問題が深刻で、嫁が嫁ぎ先の家族全員からイジメられることが頻繁にあります。
その状況に耐えられなくなった嫁が自殺する事件も多い。
自殺者が出たとしても、嫁ぎ先の家は何ら責任を負いません。
自殺するほうが親不孝者であり、不義理だと考えられているからです。
ほかにもスミスは、《溺れている人がいても中国人が何の救助もしようとしないことは、中国にいる外国人たちを驚かせる。(中略)外国の蒸気船が揚子江で炎上したことがある。その出来事を見ようと集まった中国人の群集は、その乗客や船員を救うためにほとんど何もしなかった》
《見知らぬ人に対する不親切が最もはっきり分かるのは、おそらく中国を旅している時だろう。(中略)彼が進んでいる道の先が沼地で行き止まりになっていることを誰も教えてくれない。あなたが沼地に入り込む道を選ぼうとも、近隣の納税者たちの知ったことではないのだ》と書く。
こういう目を覆いたくなるような残酷な部分が、中国人には存在します。
現代でも、たとえば、ある街で女性がビルから飛び降り自殺を図ったとします。
でも、なかなか飛び降りる決心がつかず、足踏みしている。
そうすると、瞬く問に見物人が集まり、好奇の目で女性がどうするかを見ているのです。
彼らは心配して集まっているのではなく、「早く飛び降りろ。どうなるか見てみたい」―その瞬間を心待ちにしている。
高齢者は立って見ていると疲れるからか、椅子を持ち出すほど。
さらに、饅頭売りまで登場し、商売に勤しみます。
見物人の誰一人、自殺しようとする女性を心配する素振りや気配を見せません。
思いやり精神のない人々なのです。
この稿続く。
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