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東京にもある、中国警察の「派出所」は何をやっているのか?…ニューズウィーク日本版の記事から

2022年10月27日 10時52分04秒 | 全般

以下は今しがた発見したニューズウィーク日本版の記事からである。

東京にもある、中国警察の「派出所」は何をやっているのか?
<欧州26都市、北南米6都市、アジア5都市で中国警察が展開する「海外110」により、今年7月までに約23万人の在外中国人が「帰国の説得」に応じているという。人権侵害と国際法違反の「派出所」の狙いとは?>

スペインを拠点とする人権団体セーフガード・ディフェンダーズは9月に発表した報告書「海外110番」で、中国警察当局が世界各地に「派出所」を開設していると指摘した。 【動画】中国警察「派出所」――中国人に「自発的」に姿を消させる方法とは? これまで30カ国の42都市に計54カ所を設けているという(報告書タイトルの「110番」は中国で警察に通報する際の電話番号)。
福建省福州と浙江省青田県の公安局が設置したこれらの派出所は、国境を越えた犯罪、特にオンライン詐欺を取り締まるという名目で開設された。
報告書は、中国警察当局の手法に問題があると指摘する。
当局が標的にした在外中国人が「帰国の説得」に応じたという体裁を取り繕い、中国で法の裁きを受けるよう仕向けているという。
 その過程で、標的の人物が帰国しなければ母国の子供たちから教育の機会を奪うとか、「連座制」の名目で家族や親族を処罰するなどと告げて、家族側から本人に帰国を「説得」するよう誘導している。
 こうした方法によって昨年4月から今年7月までの短い期間に実に約23万人の在外中国人が「帰国の説得」に応じたと、中国当局が公表した。
彼らは中国で処罰の対象になったと、報告書は述べている。
報告書によると派出所は、北米ではニューヨークに1カ所、トロント(カナダ)に3カ所。南米では、リオデジャネイロ(ブラジル)やブエノスアイレス(アルゼンチン)など6都市に設置されている。
地域別で最も多いのは欧州で、16カ国の26都市。
なかでもスペインが4都市・9カ所で最多だ。
アジアでは、東京やウランバートル(モンゴル)など5都市にある。
報告書によれば、これらの数字は福州と青田県の警察当局との関連が確認されたものだけ。
実際には、中国の他の主要都市の警察と関係している派出所が数多く設置されている可能性があるという。
さらに報告書によれば、派出所は運転免許証の更新などの行政サービスを行うという理由で、在外中国人コミュニティーに組み込まれている場合も多い。
 だがより懸念すべきなのは、派出所が反体制活動家など、帰国すれば弾圧を受けそうな人々を標的にしていることだと、報告書は指摘する。
「帰国の説得」に応じたという体裁のため、公正な裁判の保証などの法的手続きを省くことができるという。
「こうした活動は2国間の警察・司法の公式協力を回避し、国際法に違反し、他国の領土の保全の原則を侵しかねない」と、報告書は批判する。
「適正な法手続きや推定無罪の原則を無視し、中国にいる家族に対しては『連座制』を掲げて脅しをかけている」
その上で報告書は「標的に定めた個人や中国に暮らすその家族に対して、不適切な手段で帰国を強いることは、適正な法手続きや容疑者の最も基本的な人権を損なう行為」だと結論付けている。
10月に入ってスペインのエルコレオ紙は、報告書の内容の一部を裏付ける中国人外交官(匿名)の次の発言を報じた。
「2国間協力は非常に面倒だし、欧州各国は中国への容疑者引き渡しを嫌がる。裁きを受けるよう犯罪者に圧力をかけて何が悪いのか」
セーフガード・ディフェンダーズは1月にも別の報告書を発表したが、中国外務省は「中国の司法執行機関は国際ルールを厳守し、司法に関する他国の主権を全面的に尊重している」と反論。
報告書は「臆測と嘘に満ちている」と批判していた。
 


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