発売中の月刊誌WiLLとHanadaには本物の論文、論説が満載されている。それでいて価格は950円(消費税込み)である。
有数の読書家である友人は「本ほど安いものは無い」が口癖だが、両誌は、それが全く正しい事を実証している。
日本国民全員は今すぐに最寄りの書店に購読に向かわなければならない。
両誌に満載されている本物の論説、論文は日本人のみならず世界中の人たちが必読である。
世界中の人たちには、本欄が出来るだけ知らしめて来た。
文明のターンテーブルが回っている国であり米国と並んで後170年世界をリードして行かなければならない国である日本。
その日本で世界最高の論文が日夜発表されているのは当然の事である。
その論文群が本欄が登場する2010年7月以前までは、世界に全く発信されていなかった。
それが今日の不安定で極めて危険な世界を作っているのである。
サムスンが日本を凌駕してきた理由については何度か既述のとおりである。
本章ではHanadaに連載されている堤堯×久保紘之の対談「蒟蒻問答」第178回の中から、東京五輪に関しての章をご紹介する。
堤堯氏が私の母校の大先輩である事も既述の通り。
三島由紀夫と見た東京五輪
堤
いっそのこと、ダブルでやらせたらどうかな。一本のトーチ(聖火)を池江と松山が受け持って、聖火台に走り寄って火を点じる。想像するだにゾクソクしないか。
聖火の最終ランナーといえば、忘れがたい思い出がある。
俺は1964年の東京五輪の開会式を三島由紀夫と一緒に見た。
当日朝、ハイヤーで馬込の三島邸に迎えに行った。玄関から「お待ちどー」と出てきた三島の恰好を見て驚いた。真っ赤なブレザーに真っ白のズボンだ。
「ありゃ、日本選手団のユニフォームじゃないですか」「おお、わかってくれたか。この日のために銀座のテイラーであつらえたんだよ。それにしてもどうだい。
雲ひとつないこの青空。神もこの日をみそなわしたもうたんだよ。一度はオリンピックをやっておかないと、日本人はみんな病気になっちまう」
帰路の車のなか、興奮を抑えようもなく、「君イ、見たかね。あの坂井義則クンが高々と聖火を掲げた時の胸の日の丸! 鮮やかだったねえ。美しかったねえ。俺もいくらカネを払ってもいいから、聖火の最終ランナーを一度はやってみたいよ」
6年後に割腹自決する気配なんぞ、これっぽっちもなかったな。
編集部
スポーツは世の中を明るくする効用がありますよね。そう考えると、やっぱり東京オリンピックは開催すべきですね。
堤
だけど、不穏な流れを感じるんだよ。
1918年~19年のスペイン風邪の流行後、やがて世界的規模の大不況が起こり、それを解消したのが第二次世界大戦だ。
1936年のベルリン・オリンピックは、ヒトラーのオリンピックといわれた。
その4年後に予定された40年の東京オリンピックは、戦争のために中止になった。
この戦争のあと、アメリカは未曾有の好景気に沸いた。
さて、今回はどうか。
武漢ウイルスで経済はいずこも停滞し、世界中の諸国が抱え込んだ債務を総計すれば、世界全体の1年間のGDP分に相当すると言われている。
東京オリンピックをやったとして、今後、おそらく世界的大不況が待ち構えている。
そして、その後はどうなる?
かつてのヒトラーに代わって習近平の顔が思い浮かばないか。
なにやら不吉なものを感じるんだよ。
久保
北朝鮮が「コロナから選手を守る」という理由で、東京五輪不参加を表明しましたね。
日米首脳会談の結果次第で、中国やロシアも揺さぶりをかけてくるかもしれない。
日本としては東京五輪なんて中止になっても構わないから、この際、先手を打ってウイグルや香港などの人権弾圧を理由に北京冬季五輪を中止に追い込んだらどうです?
そうすれば「日本は人権外交に消極的」なんて汚名も返上できますし、何よりメンツを重んじる習近平にとっては大きな痛手になるんじゃないかな。
編集部
いや、東京五輪を開催したあとで、北京五輪に反対を表明して阻止しましょうよ。そのほうが断然効果が大きい(笑)。
この稿続く。
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