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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

指導者はこうして育つ/貴婦人ゴディヴァ/河北新報のいちばん長い日…日経新聞11月13日23面より

2011年11月13日 13時36分29秒 | 日記
指導者はこうして育つ  柏倉康夫著 

フランスの高等教育機関、グラン・ゼコールを軸に、同国がいわゆるエリート層をどのように育てているのかを紹介している。日本とは違う複線型教育制度を、初等、中等教育から説いており興味深い。

後期中等教育では物事を論理的に思考する哲学の教育がなされ、生徒たちは各専門のグラン・ゼコールを目指す。個性尊重の理念や猛烈な知的訓練は歴史的に紡ぎ出されたものだが、指導層の弱体化に悩む今の日本にとって参考になる。(吉田書店・1900円)

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貴婦人ゴディヴァ  ダニエル・ドナヒュー著 

中世イングランドに実在した女性ゴディヴアをめぐっては、町の住民たちを「苦役」から免れさせるために裸で馬に乗って町中を回った、という話が残る。

日本ではチョコレートのブランド「ゴディバ」のシンボルマークとしておなじみだ。しかし、彼女にまつわる逸話には史実と伝説が入り交じる。ゴディヴアに関する伝承の変遷をひもときながら、中世の文化と宗教を論じる。伊藤盡訳。(慶応義塾大学出版会・3200円)

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河北新報のいちばん長い日  河北新報社著 

仙台市を拠点とするブロック紙が、東日本大震災直後の混乱と奮闘を振り返る。紙面作りのシステムが一部ダウンし、紙も燃料も不足する中で他紙の力も借りながら発行を続けた。

車でようやく津波の現場にたどり着くと、子供の遺体を抱いた男性に「乗せていって」と頼まれる。取材と救助のはざまでの葛藤。地元紙として、むごい現実をどこまで載せるべきか。記者たちが見たもの、感じたこと、悩んだことを生々しく記録する。(文芸春秋・1333円)

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