月刊誌正論今月号で読み残している箇所がたくさんあった。
今朝、平川祐弘さんの連載(長文である)を読んでいた時に、これは今の中国そのものだな、と思った箇所があった。
最後に平川さんがまとめて掲載している註の中に、私の思いが正鵠を射ていた事を証明する箇所があった。
本稿では、それらの箇所と、日本国民全員が知るべき箇所を抜粋してご紹介する。
平川さんの論文は日本国民のみならず世界中の人たちが必読である。
デモクラシー対ファシズムという構図
私たち日本人は敗戦後、戦勝国である米国など連合国側の立場に立って過去の戦争について正邪の判断をするよう仕向けられた。
戦後の日本人はおおむねその線に沿って教育されてきた。
戦後生まれの日本人は子供のころから日本は侵略戦争をした悪い国だと思い込んで育った人も多い。
その悪をあばくことに正義感を覚える人もいる。
註7
米英露などの連合国側は「第二次世界大戦はデモクラシー対ファシズムの戦争である」として全世界に喧伝した。
これは自由主義国である米英仏の民主主義とソ連などの共産主義国の人民民主主義という、本来相容れない二つのデモクラシーを強引に一つにまとめたものである。
しかしそうでもしなければ、全体主義的な悪の同盟である独伊日の枢軸国に対し民主主義的な善の連合である米英仏露中の戦争という対抗図式は描けなかったのだ。
第二次大戦について善のデモクラシーが悪のファシズムに勝利したといわれ、戦後、日本国内でもその種の歴史観を受け容れる人は結構多かった。
都留重人が岩波新書などでその見方を強調したのは都留がアメリカ左派の意見に同調したからであった。
その善悪史観が外国世界で広く受け容れられた決定的理由は、ナチス・ドイツのユダヤ人殲滅が空前の残虐行為として認識されたからである。
そのような悪の化身であるヒトラー・ドイツに勝利した連合国を正義とみなすかぎり、ドイツの同盟国であった枢軸側の日本もまた不正義となる。
米英人の多くはドイツも日本も邪悪な敵として等しなみに扱った。
ナチス・ドイツと日本の相違がよく解らない。
そこから昭和天皇は日本のヒトラーとみなすような発想も浮かぶのである。
あるいは日本帝国には大東亜征服のマスタープランがあったはずだと考えるのである。
そして敵の敵は味方という論理に従い、ソ連や中国も正義のデモクラシーの味方として米英人に分類されたのである。
江沢民が真珠湾で述べた発言、習近平が中華人民共和国の主席となるや世界各地を歴訪して宣布しようとした見方がそれだった。
この稿続く。
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