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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

“4年で480冊”のすごさ…週刊朝日8月19日号より

2011年08月16日 16時55分35秒 | 日記
『米国製エリートは本当にすごいのか?』  佐々木紀彦著

評・永江 朗

うまいタイトルだなあ、と感心する本がときどきある。佐々木紀彦 『米国製エリートは本当にすごいのか?』もそうした一冊。

著者は経済誌の記者で、二年間休職して米スタンフォード大学大学院に留学した。そのときの体験について書いたのが本書である。でもこれがもし『慶大卒経済誌記者の米国留学体験記』とか『私か見たアメリカの大学院』なんて書名だったら売れなかったろう。

反語的タイトルの裏にあるのは。
「全然すごくない」か「やっぱりすごい」のどちらかである。で、この本を読むと、アメリカの一流大学でも学部はたいしたことないけど、大学院でおこなわれるエリート教育はすごいよ、ということがわかる。

興味深いのは、米国のエリート教育では経済学と歴史学を重視しているという話。経済学は今の世の中を深ぐ理解するのに必要だし、過去に学ばなければ前進はない。

こういう話を読むと、いまだ東大法学部卒を頂点とする日本のシステムは時代錯誤なのかとも思う。

また、学部生には大量の本を読ませ、レポートを書かせ、発表や討議をさせるという話にも、なるほどと思った。その量、四年間で推計四百八十冊。アメリカで電子書籍が売れるはずだ。

…以下後略。

家電間の高速無線通信 周波数拡大で普及支援…日経新聞8月16日4面より

2011年08月16日 12時50分26秒 | 日記
総務省 各国の基準に対応

次世代技術であるデジタル家電の高速無線通信を普及させるため、総務省は専用に割り当てる周波数帯を拡大する。近く関係省令を改正し、高速大容量のデータ送受信を容易に利用できるようにする。

高速無線通信は次世代技術として注目されており住居スペースの有効活用などが見込める。周波数帯の拡大で日本製品は世界各国の基準に対応でき、総務省は日本企業の輸出競争力の強化につながるとみている。

高速無線通信は60ギガ(ギガは10億)ヘルツ周辺の「ミリ波」と呼ばれる周波数帯を使って、テレビとDVDプレーヤーなど周辺機器を熊線でむすび、大容量データを送受信する技術。

壁掛けテレビとスピーカーを配線を使わずにつなげるほか、ビデオカメラで撮影した映像を無線通信でテレビに送って視聴するなどの用途が想定されている。

高速無線通信の普及に向けて、パナソニックやソニー、NEC、東芝、韓国サムスン電子、米インテルなどはすでに企業連合を設立。通信技術の規格策定などに取り組んでいる。

総務省はこうした動きを支援するため、今月中にも省令を改正して割り当てる周波数帯を拡大する。現在は59ギガ~66ギガヘルツの周波数帯を割り当てているが、これを57ギガ~66ギガヘルツに広げる。ほとんど利用されていない携帯電話の基地局向けの予備周波数帯などを使い、高速無線通信に活用できるミリ波の範囲を拡大する。

周波数帯の拡大で利用できるチャンネルが増加すれば、無線通信を同時に利用できる家電の種類が増え、消費者の利便性を高められる。

日本企業による関連製品や電子部品の輸出を後押しする狙いもある。ミリ波を使うデジタル家電の高速無線技術は、米国電気電子学会(IEEE)などの団体で標準化が進み、合計で4つのチャンネルが国際的に認められている。

現在、日本では3つのチャンネルしか利用できないが、周波数拡大によってチャンネルすべてを利用できるようになる。

高速無線通信に利用されるミリ波は国によって違っており、例えば、米国や韓国は日本とは異なるチャンネルを使っている。

日本企業は国内向け製品と輸出向けの製品で規格などを変えて開発する必要があったが、周波数帯の拡大によって日本国内が4つのチャンネルすべてに対応できるようになり、日本国内向けに開発された製品や電子部品を海外でそのまま使用できるようになる。

土壌除染、国直轄で 土壌汚染、国直轄で…日経新聞8月16日3面より

2011年08月16日 12時40分09秒 | 日記
処理加速へ民自公が法案

東京電力福島第1原子力発電所の事故で放射性物質に汚染された土壌やがれきの処理について民主、自民、公明3党は特別措置法案の骨格をまとめた。国が土壌汚染が著しい地域を「特別地域」に指定し、除染する仕組み。

費用は東電など事業者が負担する。3党共同提出により、今国会での成立を目指す。
現在、放射性物質で汚染された土壌やがれきの処理に対応する明確な法律はなく、処理が進まない一因となっていた。民自公3党は細部を詰めており、近く決着する見通しだ。

特別地域以外では都道府県が定めた計画に基づき、国、都道府県、市町村が実施する。
がれきの処理を巡っても環境相が「汚染廃棄物対策地域」に指定した地域では国が収集、運搬、保管、処分する。対策地域外のがれきでも一定以上の汚染があれば国が処理する。

原発構内のがれきや土壌は原子力事業者が扱う。国の責務については「原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っている」と明記した。

若者の高失業率と社会不安…日経新聞8月16日6面より

2011年08月16日 11時50分34秒 | 日記
職業技能の向上策必要

若年層の高失業率が社会不安につながるという理屈を裏付けるできごとが最近、相次いだ。

最も劇的だったのは中東・北アフリカに広がったアラブ民衆の蜂起だ。若者の40%以上が職に就けないような状況を生んだ体制への不満が理由だった。

北アフリカだけではない。先週、暴徒による略奪行為が各都市に広がった英国では若者の5人に1人が職を持たない。米国の状況もこれと大差ない。欧州大陸はさらに厳しく、スペインでは若者の45%強、ギリシヤでは38%が失業中だ。
    
若者が年上の労働者よりも職を見つけにくいことは驚くに当たらない。技能も経験も劣るからだ。養うべき家族や住宅ローンを抱える年上の労働者に比べ、若者は希望の職が見つかるまで働かずに待つ傾向がある。

とはいえ政府がこれを放置してよいわけはない。若者の失業は、犯罪発生率や疾病率の上昇を招き、国の潜在成長力を引き下げる。若年層の雇用対策は切実な課題として金融危機後の世界の指導者たちに突きつけられている。

では何かできるのか? 第一に、政治家は移民を非難するような大衆迎合的な主張をすべきでない。一国の雇用数が限られているとの想定は誤りで、移民と若年失業率を結びつける証拠はない。

英国の報告書の提言にあるように、実習生の受け入れと訓練を促すインセンティブを雇用主に与えるのはより有効かもしれない。難点は世界各国で公的債務が問題になる中、政府が補助金を負担する制度の実現性が疑わしいことだ。

構造改革を通じた対応こそが現実的な選択だ。北アフリカでは独占企業と規制制度の解体が必要。地中海の対岸に位置する南欧では2層構造の労働市場の解消が求められる。英国などでは若者の最低賃金の高さが問題だ。

どの国にも当てはまる処方簾は若い労働力の職業的技能の向上だ。政府は技能の習得に遅れのある底辺3分の1に特に注意を払う必要がある。彼らが最も就職口に恵まれないからだ。

現在の若者は今までの世代よりも長く働き、少ない年金を受け取り、教育費や年老いた両親への援助などでより多くを支払う。過去に若者だった人らにできるのは、今日の若者らにこうした支払いをするための足掛かりとなる経済的機会を与えることだ。

(15日付)=英フィナンシャル・タイムズ特約

ネットの国際ルールづくり 国益かけ主導権争い…日経新聞8月16日6面より

2011年08月16日 11時24分07秒 | 日記
仏、自国企業有利に誘導
米国 規制反対 中国管理狙う


【パリ=古谷茂久】
インターネットの将来のルールづくりを巡り、米仏中など主要国による主導権争いが激化している。すでにネットの権益を確保しており規制導入に反対する米国と、国家管理する中国などの途上国が主要な対立軸。

ここにゆるやかな規制で仏企業の利益拡大を目指す中間派のフランスが参戦し、各国の国益をかけた動きがにわかに活発になってきた。

口火を切ったのは仏。サルコジ大統領は5月の主要8力国(G8)首脳会議(サミット)にあわせてパリに世界の主要ネット企業のトップらを集め、「e-G8」を開催した。

サルコジ氏肝煎りの会合は将来のネット社会のおり方について「知的財産権保護のため国内法を整備する必要性を認識する」などと規制導入を示唆する提言をまとめ、サミットに報告した。

サルコジ大統領はネット規制推進論者として知られる。これまでに不正ダウンロードの取締法や、ネット企業の広告収入に課税する「グーグル税(通称)」などを相次ぎ打ち出してきた。仏は米ネット企業が一人勝ちで稼ぐ現状に不満を抱いている。

仏の動きに過敏に反応したのが米国だ。6月28~29日にパリで予定されていた経済協力開発機構(OECD)のネットインフラに関する事務級の作業部会を「インターネット経済に関するハイレベル会合」として急きよ格上げ。

閣僚級を送り込んで議論を主導し「各国政府は情報の自由な流通を促進する」などとネット規制をけん制する共同声明を採択した。

共同声明はまた、将来のネット社会の運営について、非営利組織(NPO)や企業、政府など様々な機関が参加する必要性を強調、米国が事実上統治する現行の枠組み維持をうたった。ネット上の住所「ドメイン名」などは米商務省傘下の非営利法人が管理している。こうした枠組みは米企業の利益を誘導しているとされる。

一方で急速に経済力をつける中国やロシア、インドなどは米国の支配を嫌い、国家によるネットの管理強化を狙って国内法の整備を進める。新興国や途上国の一部は、ネット社会を国連で管理・規制することを提案している。

急先鋒(せんぽう)のイランはネットを国境で物理的に遮断し、独自の国内ネットを構築する計画を示している。
日本はネットや情報流通の技術面では世界のトップ水準だが、ネット社会の国際的な枠組みづくりに関しては出遅れ気味。

基本的には「米国と同じ立場」(日本政府関係者)だが、国益確保のための独自の動きには乏しい。先進国の立場は米国の主張に収束しつつある。一方、発言力を強める中印口など新興・途上国は米が主導する緩い規制の枠組みへの批判を強めている。

こうした国々が国内法による規制や回線の遮断に踏み切ればネットの根幹を揺るがしかねない。ルールづくりは交渉の枠組みが定まっておらず、混乱も予想される。


日立プラント、モルディブで 深層水活用し冷熱供給…日経新聞8月16日11面より

2011年08月16日 11時18分12秒 | 日記
日立製作所のインフラ事業子会社、日立プラントテクノロジーは2013年度をめどに、インド洋のモルディブで海洋深層水を活用した冷熱供給事業を始める。

水温が安定して低い深層水をくみ上げ、空調用冷媒などとして活用する。電力消費や二酸化炭素(CO2)排出量の削減が可能で、今後東南アジアなど新興国向けのビジネスとして事業展開を目指す。

12年度中にモルディブに特別目的会社(SPC)を設立、13年度に専用プラントの稼働を目指す。総事業費は20億~30億円程度になる見通し。プラントは深層水をくみ上げる配管や冷凍プラントなどで構成、首都・マレに近いフルマレ島周辺に設置する。

水深700メートルの海中から深層水を毎日3万8000立方メートルくみ上げ、この深層水を使って冷やした水を島内の工場やビルなどに空調用冷媒として供給する。

深層水は水温がセ氏8~9度前後の低温で安定。この冷熱エネルギーを有効活用することで、従来空調冷媒を生み出すために消費してきた電力消費を6割以上減らすことができる。CO2も年間9万トン削減できる見通しだ。

深層水を使った空調は初期投資がかかるものの、電気代などのランニングコストを大幅に減らすメリットがある。

大機小機 世界経済の先行きと株価…日経新聞8月16日15面より

2011年08月16日 11時08分03秒 | 日記

8月5日、スタンダードーアンドープアーズ(S&P)による米国債格下げを機に、週明け8日には世界中で株価が暴落した。
同日のダウエ業株30種平均は、直近のピーク7月21日と比べると1900ドル以上下落した。
世界的な株価の下落は、米国経済、世界経済のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映したものである。
先月末米国政府が公表した国内総生産(GDP)の改定値によると、あれほど大規模な財政出動と金融緩和をしたにもかかわらず、今年第2四半期のGDPは金融危機前の水準をいまだ回復していない。
リーマン・ショック後には単なるリセッション(景気後退)ではなく「百年に一度」級のディプレッション(大不況)へ陥るリスクが語られていたのだから、拡張的な財政・金融政策が経済の底割れを防いだことは評価しなければならない。
しかしそれから2年余り、「力強い回復」が生み出されたとは到底いえないのが現状だ。
失業率は9・1%(7月)と高止まりしたままだし、米国経済の7割を占める消費の動向も弱い。
こうした姿を見ると、バブル崩壊後の景気回復は平たんな道ではない、と改めて実感せざるをえない。
金融危機前には米国の経済学者、米連邦準備理事会(FRB)の幹部がこぞって、バブルが崩壊しても金融を迅速かつ十分に緩和すれば対処可能としていたのである。
日本の失敗としてデフレが挙げられ、デフレはマネーサプライを増やせばたちどころに解決する、と彼らは言っていた。
なるほどデフレはよくないが、デフレでなくともバブル崩壊後の経済が困難に直面することを米国経済の現状はわれわれに教えている。
問題を抱えるのは米国だけではない。ドイツを例外として先進国の経済はどこも低迷している。
深刻なのは世界中で政策が手詰まり状態にあることだ。
財政政策についてはいずれの国でも財政赤字が大きな問題になっている。
頼みの綱の中国もインフレ率が6・5%だから、金融危機後と違いアクセルは踏みにくい。
9日、世界中の期待を背負ったFRBはゼロ金利を2年継続するとし、6月に終了した量的緩和の再開(QE3)にも含みを残した。
しかし金融政策の効果に限界があることは、日本経済で実証済みだ。
こうしたファンダメンタルズを世界の株価は反映しているのである。 
(与次郎)


デフレ銘柄が示すもの…日経新聞8月16日14面より

2011年08月16日 10時57分52秒 | 日記
○…低価格を武器に業績を伸ばす「デフレ関連銘柄」。最近は“新顔”が市場の人気を集めている。セルフ式うどん店「丸亀製麺」のトリドールは月初から3割上げ、上昇率はファストリ(同8%高)を上回る。
低価格の眼鏡を販売するメガネトップやJINも堅調だ。

○・・・15日発表の4~6月期の国内総生産(GDP)でもデフレ圧力が鮮明。こうした銘柄が買われるのは自然な流れだが「ファストリなどは新味がない」(国内投資顧問)といい、さほど人気化していない銘柄に買いが入った。
低価格関連物色の広がりは一段のデフレ進行を市場が意識し始めた証しかもしれない。

欧州中銀 国債2.4兆円購入 ユーロ圏先週、最大規模に…日経8月16日1面より

2011年08月16日 10時35分26秒 | 日記
【ベルリン=菅野幹雄】欧州中央銀行(ECB)は15日、先週1週間でユーロ参加国の国債を22O億ユーロ(約2兆4000億円)ほど新たに購入したと発表した。

昨年5月の購入開始以降、週間の規模としては過去最大。域内中核国のイタリア、スペインの国債金利が急上昇し、ECBは7日にユーロ圏の国債を「積極的に購入する」と表明していた。

市場安定へ巨額購入に踏み切った実績が浮き彫りになった。

ECBは毎週月曜日に購入額を公表しているが、国名は明らかにしていない。今回の公表は8月8~12日が対象。週間の新規購入額は買い入れ策を導入した最初の週の165億ユーロを上回り、最大となった。

合計の購入規模は960億ユーロに達した。15日の市場ではECBの積極姿勢を改めて確認したとの声が多い。

丸紅、中国で飼料合併 大型工場、十数力所新設…日経新聞8月16日1面より

2011年08月16日 10時24分45秒 | 日記
穀物販路を拡大

丸紅は中国で配合飼料の合弁生産に乗り出す。中国政府系で食糧備蓄を管理する中国食糧備蓄管理総公司 (シノグレイン)、飼料の中国最大手である山東六和集団と組み、2015年までに十数力所の大型飼料工場を建設する。

中国では食の洋風化などで肉類の消費が拡大し、飼料の需要も急増している。丸紅は合弁への参加を通じ、原料となる穀物の中国市場向け販路を確保する。

シノグレイン傘下で油脂事業を手掛けるシノグレイン油脂(北京市)、山東六和集団、丸紅の3社が配合飼料での戦略提携に調印した。合弁会社が山東省や河南省などで十数力所の飼料工場を建設する方針。

1工場の生産規模は日本では最大級となる年40万トンから、100万トンの大規模工場まで視野に入れる。
中国では現在年2億トンの飼料生産が20年には4億トンに倍増すると見込まれる。現状では小規模な飼料工場が多く、近代化や大規模化か課題となっている。

丸紅は北海道など国内で大型の飼料工場や保管施設を運営するほか、子会社に日清丸紅飼料を持つ。中国での食の安全に対するニーズの高まりに合わせ、最先端の品質管理技術を供与する。

中国は穀物輸入を急拡大しており、大豆の輸入量は年6000万トン弱と10年間で5倍になった。丸紅の現在の穀物取扱量は年2000万トンで国内企業トップ。

早期に2500万トン以上に引き上げる方針だ。世界最大の米カーギルの取扱量は年3500万トン。

米アーチャー・ダニエルズーミッドランド(ADM)や米ブンゲ、仏ルイ・ドレフュスが各3000万トンで並び、2500万トン前後のスイスのグレンコアまでを五大穀物メジャーと呼ぶ。丸紅はそれに迫る規模になる。


モトローラ携帯端末部門 米グーグルが買収…日経新聞8月16日1面より

2011年08月16日 10時17分55秒 | 日記
9600億円スマートフオン拡大 アップルなどに対抗
 
【シリコンバレー=奥平和行】
インターネット検索最大手の米グーグルは15日、通信機器大手の米モトローラ・モビリティーを125億ドル(約9600億円)で買収すると発表した。

グーグルは基本ソフト(0S)「アンドロイド」を世界のメーカーに無償提供する形で、スマートフォン(高機能携帯電話)関連事業を展開している。豊富な特許を持つ老舗メーカー買収で事業拡大を加速、成長市場で米アップルなどに対抗する。

グーグルとモトローラ・モビリティーが合意内容を発表した。グーグルはモトローラ・モビリティーの発行済み全株式を1株当たり40ドルで取得する。

取得額は12日終値を63%上回る水準に設定した。買収は米国や欧州などの当局の承認が必要で、2011年末~12年初めに手続きを完了する見通しだ。

グーグルによるM&A(合併・買収)では過去最大規模で、大手メーカーの買収も初めて。「iPhone」(アイフォーン)のアップルと同様、ソフトからハードまでを手掛ける態勢となるが、グーグルは買収後もモトローフ・モビリティーを独立事業部門として運営。

韓国・サムスン電子や台湾・宏達国際電子(HTC)などへのOS供給も継続する。
15日の電話会見でアンドロイド部門を率いるアンディ・ルービン上級副社長は「昨日、主要メーカーに説明したが、歓迎された」と述べた。

グーグルは07年にアンドロイドの提供を開始し、11年1~3月期に世界スマートフォン市場のOS別シェアで首位に立った。一方で、サムスンなどアンドロイド搭載製品を販売するメーカーとアップルとの特許係争が増加。米マイクロソフト(MS)もアンドロイド陣営から特許使用料を徴収する構えを見せる。

モトローラ・モビリティーは無線通信技術に関して世界で1万7000件の特許を保有。グーグルのラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)は電話会見で「買収で当社が保有する特許が増え、MSやアップルなどの脅威に対する対抗力が高まる」と話し、特許取得が大きな狙いと説明した。

米IDCによればスマートフォンの10年の世界出荷台数は前年比75%増の3億343万台で携帯電話全体の22%に達した。

15年には9億2568万台に増え、市場の45%を占める見通し。10年10~12月期にはパソコン出荷台数を上回った。

ミクロの楽観マクロの悲観 一目均衡…日経新聞8月16日13面より

2011年08月16日 09時56分40秒 | 日記
編集委員 西條 都夫

ソブリンショックが世界を駆け巡った先週、株式市場も大いに動揺した。なかでもソー二―やトヨタ自動車といった輸出銘柄は2008年のリーマンショック時の安値とほぼ同水準まで値を下げた。

ところが、当の企業を取材すると、意外なほどあっけらかんとした、強気の見方が返ってくる。
例えば建設機械のコマツ。震災後のリバウンドが最も速かった銘柄の一つだが、今回の下げ相場ではしたたかに売り込まれ、年初来安値を更新した。

だが、同社の坂根正弘会長は「今回のショックとリーマンの時とは厳しさの次元が違う」とみる。08年の秋から暮れにかけての世界経済は「どこにも光がない状態。

それ以前の数年は世界的に景気が良く、設備投資のアクセルを踏んでいる最中に危機が来た。真っ暗闇のトンネルに全速力で突入したような恐怖感があった」とふり返る。

対して今回は厳しさと明るさが混在する。コマツでいえば陰る気配がないのが鉱山の採掘に使う大型機械だ。今回のショックで資源相場も調整したが、採掘の現場ではなお機材の不足感が強く、南米やインドネシアで需要は旺盛という。

もう一つの意外な光源が日本。震災からの復興で建機需要もじわり盛り上がってきた。「いずれこの波は建材や家電にも波及する」とすそ野の広い復興特需を予測する。

逆に最も予測のつかないのが金融引き締めの進む中国市場だ。日本が明るく、中国は不振-ー。つい半年前には想像できない光景がコマツの眼前に広がっている。

3年前と今回の大きな相違は、信用危機に直撃された当事者が政府(国債)なのか、企業や家計といった民間なのか、という点にある。

リーマンショック時は過剰債務を抱える米家計の信用が枯渇。自動車ローンなどが組めなくなり、「需
要蒸発」といわれた急激な市場収縮を招いた。

それに比べると、今回の危機が消費財などの市場に及ぼす影響は(少なくとも現時点では)間接的かつ軽い。3年前には世界中で大幅な生産調整を迫られたトヨタは現在、震災の遅れを取り戻すため増産基調にある。

今年秋には米国で旗艦車種「カムリ」の新車を投入し、大がかりな販売促進策に打って出る。
むろんソブリンショツクの衝撃は大きい。長期化する円高は海外シフトの加速を迫り、世界の成長が鈍化すれば、あらゆる企業が影響を免れない。

だが、現時点で多くの経営者は今回の事態がどこまで深刻化するのか、測りかねているようにみえる。三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は「マクロとミクロのデカップリングが進行中」という。
  
足元の業績は悪くない。3年前の危機を経て、リストラや財務の強化も進み、震災からの供給網の復旧も速いペースで進んだ。それなのになぜ株価がこれほど動揺するのか。ミクロの楽観とマクロの悲観が交わる場所はまだ見えない。