運命と出会う瞬間

映画・小説・音楽・・なんでもありの気ままな感想

ブランデンブルグと4月

2009年04月12日 20時07分04秒 | Weblog
幸せ 幸せ 幸せ・・・陽射し、桜、新緑、が、いっぺんにやって来た。
バッハのブランデンブルグの第三番の一楽章アダージョを聴きながら窓の外を観ると、百回くらい大声で叫びたいくらいに音の中の世界と表の光景がピッタリだ。
命の息吹き、ダイナミズム、自然界のしくみ、躍動・・・!!
自分という体の中の最も小さい粒子もピチピチと跳ね踊るような春の一瞬。
八重桜のピンク、白い吹雪、枝のしなり、そこに風が吹くと、またハラリハラリと跳びでていく花びらたち。美しさ。。これがすべてと思わせる世界。
そう、世界は美しく出来ている。それがすべて、それをわかるために私達は生まれるのではないかと思う。空を見ればよい、雲を見ればよい、空気を切って鳥が通っていく、ビルがそびえ、人が営み、春がめぐる。
ブランデンブルグ協奏曲には、この春の法則がすべて収められている。
すべては生長し続けていることを知っているこの音の秘密。バッハの秘密。
宇宙の姿。音が舞い、生命が舞い、分子が舞い、原子が舞い、素粒子が舞う、或るときは渦巻きながら、すべては永遠に生まれ続けていく。

その後に来る、第三楽章、つまりG線上のアリア・・これは、その春の法則も冬も、すべてを含み愛したもう創造主、神、大いなる意思の愛とも言える姿の世界だ。すべてをゆるし、あらしめるもの。
バッハはどうやってこれを知り、表すことができたのだろうか。
そんな疼きにさいなまれるのもまた春の特徴なのだなあ。