「腐り姫」レビュー第四弾。つーか今回はずいぶん短い。どうもキャラ分析をしている間に、各キャラの行動原理→情念の描写という視点にいったものらしい。しかし・・・下の記事はどうもレベルが低くてあかんなあ。「禁忌を扱う場合、たいてい禁忌の感情は等閑視されることが多く」なんて書いてるが、そんなバカな。むしろそのスリルを演出するために世間の目や禁忌の感情はしばしば強調されるところである。たとえば「不機嫌な果実」でも、不倫してる間は燃えてるけど実際そいつと結婚したら残念なヤツで・・・なんて描写があったりして、確かにより中身がわかってみればという部分もあれど、それが禁忌であるがゆえの昂ぶりという要素は否定しえないのである。とか何とか言ったところでとりあえず短い本文をどうぞ。
[原文]
腐り姫においては「禁忌(タブー)」が重要なテェマとなっている。禁忌を扱う場合、たいてい禁忌の感情は等閑視されることが多く、禁忌を破ることそのものが焦点となりがちである。あるいは、禁忌の感情を強く持つものが批判者で、禁忌の感情をあまり持たない者が破戒の実行者というふうに役割分担がされている。
しかしこのゲームにおいては、従来の描写の限界をみごとに克服している。最初、皆は心に闇を抱えている。その一部が禁忌の感情による抑圧である。そして、抑圧された状況を充分書いた上で、蔵女の爪によって禁忌の感情を崩壊させるのである。そこからは残った禁忌の感情で本心へ必死に抗いながら、やがてはそれに飲み込まれていくさまを克明に描いている。こうすることによって、禁忌を犯す必然性と禁忌に縛らていれる状態とのギャップの両方を見事に演出している。
またこのような段階的表現がしっかりしているからこそ、禁忌を始めからものともしない樹里という存在が、プレイヤーに強烈な印象を与えるという効果も生み出しているのである。
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