AIの進化と人間の「劣化」:AI作画、情報のフォアグラ、フリーライド

2022-10-19 12:22:22 | AI
「ほう、なかなかに妖艶なswimsuitsじゃあないか!」
 
「ん、これサイズ合ってなくねーか?てかなんでプールでニーソックス履いてるのか意味不明だし、ツインテールの位置も何か違和感が・・・」
 
「キミのような勘のいい(以下略)」
 
 
はい、これは前の記事でも紹介したNovel AIで作成した画像ですねん。今回のは割とわかりやすくおかしな部分があるヤツなので取り上げてみたが、プールでこの格好(ニーソ)なのはまあフェティシズムの領域orネタとして許容される余地があるとしても、ツインテールの位置がおかしく(生え際どこやねんw)、おそらくショートカットの仕様にツインテールを付け足したものであろう。てかもう「肘毛」ですやんこれ🤣
 
 
というわけで、NovelAIのようなAI作画の発達は著しいが、まだ不自然に感じられる部分はそれなりにあって、かつその無効性さや過剰なパターン化からAIのイラストとすぐに看破できるためそうすぐに人間の仕事を奪うということにはならないよ・・・という話は「AI vs 絵師の戦争勃発?たった10円以下で本格イラストをつくれる『Novel AI』は人類の仕事を本当に奪うのか」などのような記事で述べられている(ただ、そこではトレース化が容易になったことによるトレパク問題も言及されており、そちらには注意していく必要があるだろう)。
 
 
ただ、今さら言うまでもないことだが、人間と違いAIは加速度的に進化していきますよと(それが人間の期待する速度・方向性かは別にして)。そして重要なことは、それと反比例するように、人間は「劣化」していく、ということ。つまり、便利な情報、自分が好みそうな情報を率先してノイズを排除した状態で提供してくれる揺り篭の中で飼いならされるうち、自分で試行錯誤して様々なものを吟味・洗練するより、失敗しないものを初めから与えてもらい、それをサプリメントのように貪り食う畜群的状態に慣れきってしまう(これだけ聞くと極端に思えるかもしれないが、「ファスト教養」倍速視聴・早送り視聴などによる情報のフォアグラ化という現象は、そういった人間の「劣化」の兆候と見てとることができるだろう。というか新反動主義や加速主義は、そういう状態を踏まえてのものだ)。
 
 
そういった人間の「劣化」において、「理屈<感覚」となりやすいエロティシズムは、特に早く変化を被ることは十分考えられる。つまり自慰行為に使えさえすれば、人の手によるものかAIによるものかは問わない人が多くなっていき、そうすると安価に手に入るAI作画へのニーズが高まり、人の手による作画は駆逐こそされないものの、生存可能領域は狭まっていくということだ(例えば、「あ、そんなにお金かかるの?じゃあ別にAIに頼むからいいわ~」という形でダンピングにつながっていくと。これが一定水準を下回れば廃業するしかなくなるだろう)。
 
 
さらに言えば、もう一つの「劣化」も生じる可能性が想定される。それはフリーライド的な「社会性の欠落」という「劣化」である。例えば「ファスト映画」の何が悪いのかわからないとか(著作権的にアウト)、漫画村を平気で利用したりとか(著作権的にアウト)、ゲームは買うものじゃなくて人がやってるのを(タダで)見るものと考える人が増えているとかを聞いてると、人間の思考は環境に大きく影響を受けるということがよくわかる。それを踏まえると、AI作画の隆盛によって、著作権を守ることの意義よりも、己にとっての快楽・利便性重視の発想が先行し、多少著作権的に怪しかろうが、無料or安価で使えるものを使うし、それで何が悪いんだ?という風に変化していくということだ(まあこれは著作物に限らず、自然環境を共有材としていなし保全していく意識が必要であるとか、色々な事柄にも言えることですわな)。
 
 
もちろん、今でこそAI作画への反対意見には絵師擁護や棲み分け問題(タグ付けや別カテゴリーにする等)をきちんと捉えようとしているものもまま見られる。しかし、あと20年経ってAIが技術発展し、それこそ「AI作画ネイティブ」が増えてきたら、AI作画で何が悪いの?何でむしろそこでそんな個性を出したり、それにお金を出したりしようとするの?という人間が増えてきてもおかしくない(というか増えてくるやろな)。
 
 
いや何だったら、AIのは無料(か低コスト)で使えるのに、人間の絵はそれより金がかかるなんておかしい!既得権益だ!と作成の手間暇を考えない主張をする人間すら散発的に出てきて、その無理解さに唖然とする日もそう遠くないかもしれない。
 
 
とまあ色々と述べてみましたよと。まあAI作画は絵を作成するハードルをグッと下げるから、将来的には誰もが自分の燃料を自分で調達する「一億総伊東ライフ社会」がくるのかもしれないなあ(・∀・)と述べつつこの稿を終えることとしたい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あ~もうええやろキミ! | トップ | 「痴のパラダイム」としてのA... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

AI」カテゴリの最新記事